香港滞在24時間:2016年2月

 1泊3日で香港に行ってきました。
 だって、行きたかったんだもん。今しか行けなかったし。

 行きは、観たいインド映画が2本あって「多少遅れてもいいぞ」という願いが天に通じたか、1時間半出発が遅れ、MTRの最終(0:58)に間に合わず。

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 遅くチェックインしたら、1泊だけ30階のスイートに泊まれた。

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 朝は「裸おやじの店」(4度目)。
 その後、茶餐廳でも早餐を食べる。

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 正街で買い出し(ワトソンズは10時前から開いてた)。

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 970番のバスで佐敦に渡り、裕華で買い出し。
 11番のバスに乗って九龍でインタウンチェックイン。

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 8番のバスに乗って九龍城に行ったら、獅子舞に会う。

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 季節風が吹きすさぶ(注意報が出てた)プロムナード。

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 下午茶もする。

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 再びバスでElementsに行き、ドニーさんの新作を見る。
 そして、エアポートエクスプレスで空港に直行、深夜便で帰国。

 滞在時間24時間弱。
 行きの所要時間15時間弱、帰りは12時間ぐらい(地方在住の宿命)。

 やってみた感触は「やってやれないことはない」。
 トランクが小さくていいので、行きは預けなくてよかったし、帰りも重量オーバーにならずにすんだのはよかった。
 しかし、翌日は使いものにならないので、休みは必要なのだった。

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『Star Wars Episode 7(フォースの覚醒)』

 9月と12月の香港報告もしないまま、どんどん日が経っていきますが。
 これは書かなければなりますまい。
 なぜなら、エピソード4は映画館に籠もって見続けた(当時は金はなかったが時間と体力はあり、そしてシネコンじゃなかった)からである。

 泣き笑いしながらIMAX3Dで見た。

 タイトルとおなじみの黄色いテロップで泣き。
 ミレニアム・ファルコンで泣き。
 ハイパードライブで泣き(エピソード5じゃ壊れてたしさ)。
 ハン・ソロとチューバッカで泣き。
 ミレニアム・ファルコンの銃座の照準が昔と同じで泣き。
 ハン・ソロとレイアのツーショットで泣き(40年近く経つもんなあ…)。
 R2-D2の再起動で泣き。

 おなじみ「怪獣将棋」とか、アクバーお魚提督とか、大喜び。あのテレビに足が生えたようなやつも、やっぱり可愛いよね。

 正直なところ、全く期待しないで観に行ったのだが。
 とっても、エピソード4を本歌取りしていたと思う。
 そりゃー反乱軍はXウィングだよね!とか。帝国の武器はデス・スターだよね!とか、そしたら当然攻撃はそうなるよね!とか。
 ドロイドに情報とか、酒場の雰囲気とか。セリフもところどころ同じ。
 エピソード1〜3を知らなくても差し支えないところもよかった。エピソード4〜6は知っていたほうが楽しめると思う。
 あの兜はどこで入手したんだろう…とか。
 あそこは、「I am your father」を絶対意識しているよねえ、とか。関係が逆だったり役が違ったりしてるけれども。

 エピソード6までで話は片付いているので、新しい話になるわけだけど、新キャラクターもなかなかよかったと思います。
 ドロイドは、そりゃ、そういう形状の方が移動に便利だよね、とか。個人的に全編通して一番可愛いのはR2-D2なのだが、BB-8も可愛いぞ。
 1000年酒場をやっている婆ちゃんもよかった。ヨーダ的ポジションか。
 艦内でライトセーバーで八つ当たりはどうかと思うぞ、玉木宏!とは思ったけどね。小物感が否めない。あと、あなたたちは、もしかして親戚だったりしませんか?と終盤で思う。いや、単にフォースが強いだけだろうか。考えてみると、歴代のジェダイマスターは揃いも揃って弟子の養成に失敗しているし。

 J.J.エイブラムス、よくやった。わかってるね。ありがとう。
 最後のぶった切りかたが、エピソード5のようで笑ったけど、もう監督しないんだっけ。続けてやって欲しい気がする。

 もう1回見にいこうかなあ。

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香港に行ってきました 2015年12月

 あけましておめでとうございます。
 更新しようしようと思いつつ、あっというまに月日は流れ、2016年になってしまいました。

 9月の香港行きも結局ほとんど記事にしないまま、年末も恒例の香港でした。

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 再び「裸のおっさんの店」に行ったり、

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 なぜか林雪(の画像と映像)に遭遇しまくったり、

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 本屋さんに行ったり、
 DVDや必需品の買い出しをしたり、

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 映画(映画館で5本、飛行機で2本と1本半)を観たり、

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 街をぷらぷらしたり、

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 おいしいものをいただいたりしました。

 今年は少しアクティブに発信できたらいいと思ってはいます。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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『一個人的武林(カンフー・ジャングル)』

 またまた、大変ごぶさたしてしまいました。
 9月に行った香港報告もいろいろ残っているのですが、その後、仕事したり、仕事したり、大阪行ったり、先週はカンボジアに行ったりしていました。
 書くことはたくさんあるのに、なかなか書けません。

 久しぶりに映画館に行ったので、やっと書きます。

 宇宙最強、ドニーさんことドニー・イェンの新作。
 香港版予告編。

 まさか、これが札幌公開されると思っていなかったので大変嬉しい。
 札幌公開は2週間のみ、そのうち1週間はいなかったので、最終日最終回に走っていって間に合ったのでした。
 間に合ってよかった〜。

 お話は、いわば、「カンフー達人連続殺人事件」。
 冒頭、「人を殺した」と警察に出頭するドニーさん。赤柱(スタンレー)の刑務所に収監されるのだが、テレビで報じられた殺人事件を知り、それまで3年間模範囚だったのが、いきなり大暴れして、担当刑事と会わせろ!と主張する。
 担当刑事はチャーリー・ヤン。年を経てもきれいだなあ。チームリーダーとしては力量がちょっとアレかしらと思ったけど、それも設定のうちなんだろうか。そんな逆探知してサウナ行ったって、そのままいるわけないじゃん、とか。
 連続殺人の被害者はそれぞれの武道の達人であると主張し、その予言が当たり、とにかく、捜査に協力することになって、監視下におかれるもののドニーさんは釈放される。
 その後も達人殺人は続き、ついには、犯人は当然ドニーさんと対決するわけです。

 香港人による香港のカンフー映画。監督は『孫文の義士団』の劉徳森。今回は、現代の香港がこれでもかこれでもかと地名つきで出る。
 しばらくカンボジアに行っていて頭がそちらに行っていたのだが、やっぱり香港には引っ張られる。地名が出るたびに身を乗り出してしまい、地名がなくても場所がわかるところもあり(最後のあのへんとか)、大澳ってまだ水上家屋が残っているのか、行ってみよう(まだ行ったことがない)と思ったり。
 行宇さん!ルイス・ファン!あ、孟海!きゃーデレク・チャン(その人は片腕で100人以上倒すんだぞ)!あれーアンドリュー・ラウ監督?! そのテレビに映っているのは劉家良師父だ、あー酔拳も映っているよ、なんだか見たことのある顔がたくさんいるよ!…と思っていたらば。

 エンドロールでご飯が何杯でも食べられた。

 すべて、ポスターもテレビも含めてぜーんぶ紹介されます。香港アクション映画への賛辞とともに。劇中は人が少ないのをいいことに手を振り続けていたのだが、エンドロールは音が出ないように拍手しっぱなしであった。
 金培達先生とかレイモンド・チョウとかも出ていて「文士劇かよ!」とも思ったけど。ああ、あのエンドロールは何回でも見たいぞ。
 最後の決戦はそんなところですか、どうやって撮影しているのか(公式動画でメイキングが上がっているようなのだが、そこのところはまだ見つけられていない)、そのメイキングつきの日本版ソフト、出るよね?
 …と期待しつつ、満足しながら帰ったのだった。
 ぎりぎりで観られてよかったな。

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『インド映画完全ガイド マサラムービーから新感覚インド映画へ』

 ここしばらく、繁忙期だったり、この連休は家庭の事情で忙しかったり。
 しかし、この本のことは紹介しなければなりますまい。
 ついに出ました。届くや否や、嘗め回すように読んだ。

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 こちらに書いた『インド映画娯楽玉手箱』(キネマ旬報社)から15年、本当に久々に出たインド映画の本である。
 編集のご苦労については、こちらでかいま見ることができるのだが、書かれた以外のご苦労もたくさんあったと思う。
 本当に労作である。

 目次は、序章:いま、インド映画が来てる!、第1章:インド映画のここに注目!、第2章:インド映画のスター、第3章見ておきたいインド映画ベストセレクション、第4章:インド映画の全貌、第5章:インド映画の多様な要素、第6章:インド映画を知るためのデータと資料。合間に、「この未公開作品がすごい!」というコラムや、監修の松岡環さんが撮ったインドの映画にまつわる写真のページも。
 執筆は、監修の松岡環さんはじめ、編集が佐野亨さん・夏目深雪さん、執筆がアルカカットさんこと高倉嘉男さんなど、錚々たる方々が書いている。次郎丸章さんがお元気そうでよかった。松岡環さんとグレゴリ青山さんと次郎丸章さんは、1998年の『旅行人』インド映画特集でインド映画のことを教えていただいた(そしてそのコピーを握りしめて重慶マンションに初めて行った)ので大恩人なのであった。

 序章では、『きっと、うまくいく』『マダム・イン・ニューヨーク』『めぐり逢わせのお弁当』『女神は二度微笑む』が評論つきで紹介され、第1章では、『オーム・シャンティ・オーム』が「ソング&ダンス」、『ダバング』が「スターシステム」のように、最近公開されたインド映画(『DDLJ』は国立民族学博物館で公開されたけど、一般公開またはソフト発売はないのだろうか?)とインド映画の様々な側面が関係づけられて紹介されている。第4章では、「新感覚のインド映画の誕生」に始まり、「ヒンディー語映画」「マラーティー語映画のいま」「テルグ語映画のいま」「タミル語映画のいま」「カンナダ語映画のいま」「マラヤーラム語映画のいま」が紹介されている。ヒンディー語映画以外の言語のインド映画がちゃんと紹介された書籍は初めてではないかと思う。
 『3 idiots』が日本公開される前だったと思うのだが、『ムトゥ』を見ていた(らしい)ある映画評論家の方が、「有名な俳優が出ていない(アーミルもカリーナも大スターなんですけど!)」「歌も踊りもない(ありますけど!)」と『ムトゥ』と比べる形で評論を書いていて、タミル映画もヒンディー映画もまぜこぜで、自分の見たものだけで「インド映画らしさ」を論じていたこともあった(こちらに書いたのだが、周防正行監督も『インド待ち』で同じような書き方をしていてがっかりしたことがある)ことを考えると隔世の感がある。

 特に勉強になったのは、監修の松岡環さんが書かれている第6章「インド映画を知るためのデータと資料」で、恥ずかしながら、私、インドの州の名前はなんとなく聞いたことがあっても場所がちゃんとわかっていませんでした。インド映画の歴史と年表もとてもありがたい。インド映画はインドの大衆演劇から演目や様式を取り入れていたのでサイレント時代からミュージカルの萌芽があった(167ページ)のか。
 アルカカットさんの書かれた「インド映画の映画法とCBFCによる検閲」で、いつもインド映画の最初にばーん!と出る書類の意味が初めてわかりました。「宗教」の項で『OMG Oh My God !』(日本公開希望!)が紹介されていたのも嬉しかった。
 索引もばっちりあるし、「日本で公開されたインド映画リスト」や「日本でソフト化されたインド映画リスト」も大助かりである。数えてみたら、うちにある「日本語字幕のついたインド映画」は20世紀末から買い集めたものとテレビ放送を録画したもの(VHS録画で今は見られない『ラジュー出世する』(再ソフト化熱烈希望)を含む)を合わせて50本に達することがわかった。2010年以降のインド映画の日本公開数はやっぱりすごい!と思う。今後もっと増えてくれることを切に願う。
 
 編集がむずかしかっただろうなあと特に思ったのは「第2章:インド映画のスター」である。ベテランもがんばっていて若手も台頭している今日このごろ、誰を選びどのような順番で載せるかを決めるのは大変だったと思う。
 しかし、そうは思うんですけど、うちのイルファン・カーンが入っていなかったのは、心の底から残念であった。あと、リシ・カプールとかボーマン・イラーニとか、おっさんな人々は載せてほしかった…と思う。ナワーズも。
 塩田時敏さん(札幌出身だったのか!ゆうばりファンタでジョニー・トー監督のトークイベントの司会をしていたのはファンタの最初から関わってらしたからなのか)がインド映画のアクションについて書いてらっしゃるのだが、古くから香港映画のアクションが取り入れられているとか(『RA.ONE』では『少林サッカー』が思いっきり引用されているし)など、いろいろなものを積極的に取り入れていることに触れていただけると、もっとよかった。写真が入っていた『ダバング』のシーンは『マトリックス』だと思うし。
 2000年に出た『インド映画娯楽玉手箱』には、俳優だけではなく監督やスタッフを事典のような形でまとめたページがあって大変重宝したので、いつか、監督やバックグラウンドシンガーなどの特集が入った書籍を出版してくださると大変嬉しい。

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雨傘革命から1年

 今回の香港でいただいて一番嬉しかったもの。

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 雨傘革命カレンダー。

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 9月。

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 今日は「87枚」の催涙弾が民衆に撃ち込まれた日だ。
 1年前の今ごろは、ずっとりんご新聞のライブストリームを見ていた。金鐘の道路に人が溢れだしていくのも、黒い警告幕が掲げられ催涙弾が発射されるのも、最後の学生が引きずり出されるのも、ネット越しに見た。
 あの日々が、香港が前に進む礎になることを信じる。

 今日の曲はこれ。
 見ると泣いてしまうのだけれど。

 RTHKによる「雨傘満月」。
 昨日は中秋の名月。今日はスーパームーン。
 香港の明るい未来を、心から心から祈る。
 我要真的民主。希望香港明天美好。

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裸のおっさんの店:百樂飯店

 この連休、香港に行ってきました。仕事で。
 仁川空港経由で、1日目と4日目は、ほとんど移動。2日目は朝から晩までびっしり仕事。3日目も打ち合わせがあったものの、買い出しもできたし、お友達とも遊べたし、グループで行ったので必然的にツアコンとなり中2日間の晩ご飯は行きたい店に行って大人数でおいしいものが食べられたし、充実した香港でした(しかし帰るなり大繁忙期で2日間びっちり働き、がっつり疲れた)。

 今回の最大の収穫はココ。百樂飯店という。

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 店頭に裸のおっさんが座っている。
 実は、ここ、同行者から「昼に入ろうと思ったら、裸のおやじがいっぱいで、とてもじゃないけど入れなかった」という報告があり、「それは絶対いい店に違いない!」と翌日の早餐に行ったのである。
 水街にあるのだが、暑かったこともあり上半身裸のおっさんが多い界隈であった。それだけ、地元密着型の場所と言うことだよね。
 実際に行ってみると、予想通り大変よい店であった。

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 叉焼腸粉16ドル、お茶(壽眉茶にした)4ドル。
 久々の腸粉は美味かった。
 左上のガラスのボウルは洗杯用。まず、これと取り分け用の碗仔とお茶用の茶碗が重なったものが、どん!と来る。店内は相席で、客層はほとんどおっさん、みんながんがん洗杯をしているので、見習って洗杯する。お箸にお茶を伝わらせて洗うのは難度が高かったので先だけちゃぷちゃぷしたけど、店内を見回したところ洗杯の方法には個人差があり「先だけちゃぷちゃぷ」も「あり」みたい。

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 メニューは点心が16ドル、具をのっけて蒸したご飯とお粥が20ドル。
 次は大包が食べたいな。

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 朝のためか、客のおっさん達は着衣だったけど、老板は上半身裸にゴム長というナイスなスタイル。店頭の元水槽が物入れになっているのも素敵。
 店の雰囲気は、なんとなく英發茶冰廳に似ている。
 ここに来るためだけに次回も水街界隈に泊まりたいぐらい好き。

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『風暴 ファイヤー・ストーム』

 たいへん長らくご無沙汰してしまいました。
 おそらく、無更新最長記録。心配してくださった方もいらして、ありがたいことです。なんとか無事生きております。
 週末など休めるときは休んでいたし、映画も家で見てはいたのだが、ここ数ヶ月睡眠最優先生活になってしまい(22時過ぎると起きているのが極めて辛い)、更新が滞ってしまいました。
 ツイッターもほとんど見ていなかったので、ネットって一度離れると戻ってきにくいのだなあと思う。

 先週、wowowで「火事映画特集」があって、1本目『救火英雄(ファイヤー・レスキュー)』2本目『逃出生天(「インフェルノ 大火災脱出」)』ときたので、これは3本目はどうしたって『十萬火急(ファイヤーライン)』だろう!と思ったら『バックドラフト』だったので、がっくり。

 『風暴 ファイヤー・ストーム』は、香港で上映しているときに見ようと思えば見られたのだが時間がとれず、日本版ソフトも買ったのに開けておらず、結局wowowで初見。まあ、テレビでやってくださるのはありがたいことである。

 日本版ソフトの予告編(劇場公開はされたっけ)。

 刑務所から出てきた林家棟が大変なことになり、最後には中環あたりも大変なことになる映画だった。
 なんだかストーリーが頭に入ってこなくて、「街もの」香港映画および銭嘉樂にいちゃんのカーアクションを堪能する映画として見てしまう。
 あのカラフルなビル、土瓜湾でロケしたんじゃないだろうか。
 中環があんなふうになるなんて、CGってすごいわー、『トランスフォーマー』なんか目じゃないわと思う。
 フー・ジュン(相変わらずいい声だ)とテレンス・インに、もっと活躍してほしかったなあ。

 実は、明日から、久々に香港なので、更新できたらしたいと思います。仕事だけど。おまけに、グループで行くので気がつくとツアコンやってるけど。

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『Kahaani(女神は二度微笑む)』3度目とタゴールの詩

 結局、札幌での『Kahaani(女神は二度微笑む)』は3回行けた。
 せっかく1週間延長してくれて夜上映になったので1度は行かなければ、と行ってみたらば、平日夜にもかかわらず、半分ぐらい埋まっていたようで何より。
 音楽もよかったので、iTunesでサントラを何曲か買った。
 しかし、この曲がどこで使われていたのかが、よくわからなかった。

 個人的「バックグラウンドシンガーの帝王」Sukhwinder Singhが歌っている(「chaiyya chaiyya」とか「ちゃっくでー・インディア♪」とか、たいていの映画で「ここぞ!」というときに歌っている気がする。「スラムドッグ・ミリオネア」の「じゃえほ!」も)。いい曲だなあ。音楽は『Om Shanti Om』などもやっているヴィシャール&シャンカールだしな。

 で、3回日本語字幕で見たら「いい男じゃん、ラナ!」と思うようになった。もともとは強面が好きなんですけどね。スリランカとインドに住んでいた知り合いによると、ラナの顔はスリランカあたりではイケメンで、典型的なベンガル顔なんだそうです。
 ラナが一度だけ思わずヴィデイヤを名前で呼ぶところは、ぐっとくる。
 いや、もちろん、ナワーズも強面で素敵なんですけど。それにしても、短編『Bypass』では怖いぐらい強面だったうちのイルファンとナワーズを登用した『The Lunchbox(巡りあわせのお弁当)』はやっぱりすごい。
 そして、何と言っても、大アミターブ・バッチャンが歌うEkla Cholo Reが素晴らしくて、ある意味エンドロールを見るために見ているようなところもあったのだが、この歌詞がタゴールであると知って、詩集を入手した。

 そうしたら、元の詩はこんなだった(山室静 訳)

  もし彼らがお前の呼びかけに応じなくても、
  お前はひとりで歩いて行け
  もし彼らが怖がって声なく壁の前に立ちすくむとしても
  おお、運の悪い男よ
  お前の胸をひらいてひとりで語るがいい
  もし彼らが背を向けて、荒野を横ぎる時にお前を見捨てるとも
  おお、運の悪い男よ
  足の下に茨を踏みつけ、ひとりで血のしたたった道を旅して行け

  夜が嵐でどよめている時
  もし彼らが光を高く掲げないとしても
  おお、運のわるい男よ
  苦悩の雷火でお前自身の胸に火を点じて
  それをただ一つ燃えさせるがいい。

 映画の方は短縮版だったのか。
 もちろん、元の詩もいいけれども、松岡環さんの訳も好きだ。
 日本版ソフトは出ると思うので、字幕付きで繰り返し聞けるのが楽しみ。

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日本公開希望!『Gunday』(2014)

 ずっと見ていなかったこともあり、インド映画強化中。『Kahaani(女神は二度微笑む)』に続き、ドゥルガ神のお祭り前後のコルカタが舞台。
 主演は、ランヴィール・シン、アルジュン・カプール、プリヤンカ・チョープラー、そして、うちのイルファン・カーン

 予告編。


 
 ナレーションはイルファンです!
 バングラデシュがインドから独立し、混乱の中取り残された孤児のビクラムとバラは、石炭横流しのアウトローとして生き延び、インドに渡ってコルカタでのし上がる。ドゥルガ神の祭りの3週間前、2人を捕らえるべく、コルカタの警察にイルファン・カーン演じる刑事がやってくる(このあたり、ちょっと『Kahaani』のナワーズっぽい)。一方、ビクラムとバラは、クラブ「カルカッタ」オープンのテープカットに招かれ、プリヤンカ様に一目惚れするのであった。
 子ども時代のビクラムとバラがインドに渡るまでが一渡り描かれ、おもむろにタイトルが出る(タイトルバックはこの曲)。展開はとってもわかりやすいのだが、どうなるのか目が離せない。
 そして、歌舞音曲シーンが「インド映画」らしい、と思う。
 色鮮やかなこれとか。

 ステージの踊りに妄想が混じるとかね。こちらは、かつてのインド映画に必ず1曲はあった感じ。目下、ソングチャプターをヘビロテ中である。
 バングラデシュ独立が背後にあり(「2つに引き裂かれる」というのがキーワードのひとつ)、「石炭が白く見えるほど」とか「石炭の中のダイヤモンド」とか、石炭も初めから終わりまで貫かれているテーマのひとつで、とても首尾一貫している。
 基本的にシリアスな話なんだけど、コミカルなところもきちんとあって、プリヤンカ様に初めて会ったときのランヴィールとアルジュンがぷるぷると首を振るところは大変かわいらしかった。あ、でも、シリアスというよりはアクション映画に分類されるかもしれない。鳩が出てくるところと爆薬の使いっぷりで「ジョン・ウーかよ!」と思った。そして何より、薄い本ができちゃいそうなバディものであるところが最大の売りであろう。
 子どものころは、バラは腕力派・ビクラムは頭脳派と描き分けられていたのだが、大人になってからは、ランヴィールとアルジュンのどっちがどっちか、ちょっと混乱した。最初は逆かと思ったわ。まあ、展開を考えるとそういう配役になるのであろう。
 そして、うちのイルファンは、今まで数々の警官・軍人役を演じてきた中でも屈指のかっこよさであります。出てくると手を振ってしまうのはもちろんだが、「隣に座っていた」シーンでは、思わず「きゃー!」と叫んでしまった(自宅なので問題なし)。
 「Law」か「Out of Law」かもテーマなんだろうなあ。
 邦題は『アウトロー』がいいと思う。日本公開されると大変嬉しい。

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