『中国茶と茶館の旅』改訂版
前にちょっと書いた平野久美子さんの『中国茶と茶館の旅』(新潮社)の改訂版が上梓された。東京出張中に神保町の三省堂で発見し、すぐ読みたくて購入する。
茶具、茶葉の紹介のところに昔の面影はあるが、ほとんど全面改訂といってよい。
変わったところは:
1 章立てが「中国茶を識る」「茶館を旅する」「中国茶を楽しむ」から、
「銘茶をめぐる天・地・人」「茶館を旅する」「中国茶に親しむ」に
変わっている。
2 1章「銘茶をめぐる天・地・人」では茶の産地を訪ねるページが大幅に増加。
お茶の種類についての記述は大幅減少。
以前は3章にあった「保存法」「淹れ方」も大幅減少。
3 2章「茶館を旅する」に登場する茶館がかなり変わっている。
以前は「台湾」「広州」「香港」という並びだったのが、
「香港」「台湾」「広州」に。お店がかなり入れ替わっている。
ちなみに、香港で追加になっているのは「博寮茶座」(個人的にはあまり大々的に紹介せず、ひっそり楽しんでいたかったのだが。まあ、香港公式ガイドにも載っているし、しょうがないんだけど)、香港公園の「楽茶軒」、新界の「端記」、上環の堯陽茶行、など。そのほかの写真も大幅に差し替えられている。香港公式ガイドブック夏号に掲載されていた香港の野外でお茶を楽しむ記事もコラム的に掲載。
4 3章「お茶に親しむ」では「茶葉料理」全面改稿して残され、
あとは「茶経」と「お茶と健康」が少し。
全体を通して思うのは、初版が発行された1996年から8年の間に、中国茶が浸透したのだなあということ。かなりの読者が、もう茶葉の解説を詳しくしなくてもお茶のこと知っているので、飲んでいる茶葉がどのように作られているのか、海外ではどこで楽しめばいいのか、という情報が重視されるようになったのだろう。
茶館のページの変化を見ても、業界の変遷が伺えるような気がする。
8年という歳月は長いのだなあ。しみじみ。
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