訃報
奥山貴宏さんが亡くなった。
奥山さんは、プロのライターで、左下のBlog Peopleのリンクリストにも入っている奥山貴宏 「32歳ガン漂流 エヴォリューション」と、さるさる日記の毎日更新!奥山のオルタナティヴ31歳ガン闘病記を書いていらした方である。「31歳ガン闘病記」は、途中まではライターさんのプロモーション日記(とご本人が書いておられた)だったのだが、ある日風邪をこじらせたかと思われた体の不調が肺癌であることが判明し、以後癌との戦いが綴られることになった。
「毎日更新!奥山のオルタナティヴ31歳ガン闘病記」の更新が2月26日で止まり、ずっと更新されていた「32歳ガン漂流 エヴォリューション」のコラムが更新されず、ホスピスも入院も拒んでいたのが4月7日に入院したとの記事を読むに及んで、もしや…と心配していたのだが、今朝、4月17日に亡くなり昨日告別式が行われた旨の告知が、日記を出版していた牧野出版の編集の方によってアップされた。念願の小説を上梓したものの、書店に並んでいる様を目にすることはできなかった、医師から告げられた余命2年を過ぎての死であった。
「毎日更新!奥山のオルタナティヴ31歳ガン闘病記」は、さるさる日記でたまたま見つけたものだ(常時訪問者数ベスト10に入っていたが、今日は2位になっている)。癌が発見されてからの怒濤のような展開と、とにかく生きていかなければならない日々の生活(癌になろうと何だろうと生活は続いていくのである)から目が離せなかった。読みながら、もし自分が癌になったら死が迫ったらということをいつもシミュレーションしていた気もする。体調が悪かろうと起きあがれなかろうと、壁に筆記具をぶら下げてでも書き続けたこと、泣き言や悲壮感を交えず淡々と書き続けたこと、本当に戦う日記だったと思う。
毎日更新されていた日記もblogも、もう更新されることはない。ログは残っている。死とはこういうことだ。
心からご冥福を祈る。
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コメント
いつも,きたきつねさんの所から奥山さんのところへ飛んでいたのでした。
今も奥山さんのところでみんなのコメントを読んできました。
ううむ。悲しいです。
投稿: an-an | 2005.04.21 00:27
an-anさん
そうだったんですか。何か少し役に立った気がして嬉しい。
さるさる日記のラストは「ブエノスアイレス絶対零度」の話だったんですよね。読み返しに行って、胸が詰まりました。
あちらのコメントでも誰かが書いていましたが、向こうで思いっきり好きなことをなさっていてほしい、いやきっとそうなのだと思っています。
投稿: きたきつね | 2005.04.21 01:04