「アポロ13」とディスカバリー
「NASAもの」に弱い。きわめて弱い。
本棚には1980・1981年に「宇宙大元帥」こと野田昌弘さんが出したNASA本が今も大事に並んでいる。1981年に出た『NASA宇宙船野郎たち』(早川書房)には、今は亡きコロンビアの飛行レポートとチャレンジャーに乗っていたエリソン・オニヅカ氏のインタビューが並んで載っていて、胸を突かれる。
映画でいうと、「ライト・スタッフ」はオールタイム・ベスト10に常駐している。話も俳優もみんな好き。劇場で見たときには3日ぐらい現実に戻れなかったなあ。
「アポロ13」も外せない。月に向かう途中で司令船が爆発事故を起こしたアポロ13号をNASAの総力をあげて帰還させた事実に基づく映画である。トム・ハンクスが主演だが、エド・ハリス(好き)も出ているし、ビル・パクストン(とても好き)も目立たないながら好演しているし、搭乗直前に風疹疑惑で降ろされたゲイリー・シニーズが、シミュレーターに籠もりっきりで電力確保の手段を見つけるところもよい。無事帰還し、パラシュートが開いて交信が再開するところはエド・ハリスと一緒に泣いてしまう。
この「アポロ13」の公開10周年を記念して「10thアニバーサリー・スペシャル・エディション」が出た。もともと、「アポロ13」のDVDはコメンタリーが2種類(ロン・ハワード監督とほんとの主人公ジム・ラベル夫妻!)とドキュメンタリーが特典についていて充実していたのだが、さらに2つドキュメンタリーがついて2枚組2625円(アマゾン価格)。安すぎ。買いました。
改めて見直してみると、やっぱりいいなあ。
チャレンジャーやコロンビアの事故のときは対応する間もなく一瞬だったが、このときは何日か時間があって、その限られた時間に皆が死力をふりしぼって、何とか危機を克服することができたのだな。
今日は宇宙からディスカバリーが帰ってくる。打ち上げ前から不備があると言われていたのを見切り発車で打ち上げ、打ち上げ後、案の定不備があり、今後の打ち上げ凍結が発表され(まだディスカバリーは宇宙にいるのに!)、宇宙空間で修理が行われ、大丈夫かどうかは帰ってくるまでわからない。
アポロ13号の時は司令船の酸素がほとんどなくなり、緊急避難措置として月着陸船で過ごしたので、それはそれは大変だったらしい。月着陸船は本来居住スペースではないわけだし、2人用のところに3人だし、電力がないので冷蔵庫なみに寒いし。それに対して今回は一見それほどシリアスには見えないのだが(宇宙空間にいる間はそれほど異状はないわけだし)、実はアポロ13号に匹敵する状況ではないのか。大気圏に突入するまで首尾がわからないなんて過酷すぎる。
どうか無事に帰還できますように。
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コメント
「ライト・スタッフ」、好い映画でしたね。 原作が、また、とって好かったです。
「アポロ13」は、何時か観てみたいと想いつつ未も、だに果たせないでいます。 その映画の原作とは違いますけれど、立花隆さんの翻訳した「アポロ13号 奇跡の生還」で語られる救出劇には感銘を受けました。
それにしても、スペースシャトル、なかなか帰って来れませんね。(ーー;)
投稿: もとよし | 2005.08.09 00:18
もとよしさん、いらっしゃいませ。
「ライト・スタッフ」は原作を先に読みました。
どちらもよいですね。
「アポロ13」は、「アポロ13号 奇跡の生還」に
かなり忠実なのではないかと思います。
是非、観てみてください。
ディスカバリーは今日帰還ですね。
パソコンで「NASA TV」を見ているのですが、
とにかく無事を祈ってやみません。
投稿: きたきつね | 2005.08.09 08:05