「非常突然(デッドポイント 黒社会捜査線)」
日本版DVDが出たので、やっと観た。ジョニー・トー監製の「暗黒三部作」その3である。
内容はKEIさんのDriftingclouds:『デッドポイント 黒社会捜査線(非常突然)』役柄チェックその17に詳しいのだが(KEIさん、いつもすみません)、映画の文法というかリズムがちょっと違うなあ、あんまり映画っぽくないなあ、という感じ。
映画が始まったところから不穏な空気が漂っているのだが(コーヒーショップの3人組が実にいやったらしい)、あれよあれよという間に事件が起こりエスカレート、気がついてみると、とんでもない事態になっている。一応かたがついて日常に戻ると、刑事さんの生活は妙にほのぼの。撃たれたことがもとで女癖の悪さが露呈する黄浩然、劉青雲と任達華と蒙嘉慧の恋模様(三角関係…かなあ)、奥さんが三つ子を懐妊し愛人が癌になる許紹雄(「暗戦」と違って今回は仕事ができる。出てきたときははらはらしたけど)。そしてまた起こる事件はあくまで暴力的。
考えてみれば、事件がシビアだったら、日頃は息を抜かないとやってられないよね。日常って、そんなものかもしれない。
そして「非常突然」な結末。…人生はこんなものかもしれない、うん。
ジョニー・トーの映画なので、林雪はつきもの。これが実質的なデビュー作らしい(香港電影迷宮 blog参照)のだが、最初から林雪は林雪だった。金の店に押し入ったときも、エレベーターでも、ああ林雪だあ、と微笑ましい。そりゃ林雪だもの、ケースはなかなか割れないよね。
で、とても好きなシーンが、
警察署で、茶餐庁の出前をとっても嬉しそうに食べる林雪と、人情刑事(「でか」と読んでほしい)劉青雲。日本:カツ丼=香港:茶餐庁の出前なんだなあ。
林雪が出てくると嬉しい一方、ここらで一発「予想を裏切って超クールな林雪」が観たい気もする。
観ていたのは昨晩なのだが、観終わったらテレビの画面に呉鎮宇と黄秋生とエリック・ツァンが登場。何事かと思ったら、WOWOWで「無間道2 無間序曲」をやっていたのだった。引き続き「無間道1」。「終極無間」も放映すれば完璧だったのだが、それはなし。思わず「無間序曲」を最後まで観てしまった(DVDあるのに)。黒社会と警察でお腹いっぱい。
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コメント
コメント&TBありがとうございます。
許紹雄、やっぱりハラハラしますよね。(笑)
そしてやはり林雪は林雪…けだし名言かと。もうじき撮影の始まる『放・逐』ではクールな林雪、期待してみたいです。
投稿: KEI | 2005.11.20 23:36
いつもお世話になっています。
許紹雄にはらはらするのは、これは仕方がないですね(笑)。
「愛しているともう一度」も早く観たいものです。
「放・逐」は、出演者が堅気に見えない
「やりび2」みたいなのですよね。楽しみ〜。
劉青雲が出てこないのが、つくづく惜しまれます。
投稿: きたきつね | 2005.11.20 23:52