「忘不了(忘れえぬ想い)」
香港版DVDを買ってあったのを、やっと観た。いいです。初めは広東語・英語字幕で、次は広東語・繁体字字幕で続けて2回も観てしまった。思い出すとまた観たい。
【おはなし】
小巴(ミニバス)の運転手をしていた婚約者の阿文(古天楽)を交通事故で失った小慧(張柏芝 セシリア・チャン)。阿文の連れ子の楽楽(原島大地)を引き取り、阿文の小巴を買い取り、生きていく決意をする。しかし、大変な小巴の世界、苦労を重ねる小慧を何くれとなく助ける大輝(劉青雲)。大輝は小巴の運転手で、阿文の事故に居合わせたのだった。大輝の助けを得て、なんとか頑張る小慧。楽楽を仲立ちに、二人の心は近づいていく。しかし、生活は苦しく、小慧はついに楽楽を手放す決意をするのだった…
【感想】
なんといっても、劉青雲演ずるところの大輝が「いい奴」なのだ。DVDのジャケットにも「性格率直善良」とある。ちなみに、「いい人」という言葉の評価は、日本も香港も同じようなものらしい。で、原島大地くんが上手くて上手くて、日本男子の誇りだよ、きみは、というぐらい健気。小慧の父親役のチョン・プイ(大好き。荒井注に似てるし)もいいのよ。意外なところでは、グラスホッパーのエドモンド・ソーが小巴の顔役(小巴の社会はいろいろ大変らしい)の甥っ子(けっこういい奴)を好演している。
役者もいいんだけれど、セシリアと劉青雲の心がだんだん近づいていくところ(手をつなぐだけで、どきどきしちゃうんだよね)、でも、お互いどうしても忘れられないことがあるところ、それを乗り越えていくところが、胸に迫る。そして、小巴は香港を走り回るので、映り込む香港の風景と人々がね、またいい。香港版DVDは勉強のために北京語で観るのだが、これは広東語でなければいけないと思ってしまう。
【好きなシーン】
何といっても、「いっぺん見ていろ(超訳)」と言って、劉青雲がセシリアを乗せて小巴を走らせるところ。車を運転する殿方は素敵に見えるものだが、小巴のノウハウを喋りつつ、香港の街をすっとばす劉青雲の頼りがいのあること、格好いいこと、惚れ惚れ。性格は率直善良、家事も得意そう、しかも子供&動物好き(一人バーベキューのシーンの巨大陸亀は彼が飼っていたのかな?その後出てこなかったけど)、とくれば、これは配偶者として理想的ではないか!娶我!などと思ってしまったことである。
それにしても、劉青雲、「鬼馬狂想曲(新世紀Mr.Boo!)」と同一人物とは思えない。上手すぎる。なんで金像奨がないのだ(「つきせぬ想い」のときは「人肉饅頭」の秋生さんにさらわれてしまったんだよなあ…今にして思えば、すごい選択だよ>審査員)。
このシーンを大きいスクリーンで観たいなあ、英語・中国語字幕ではニュアンスがわからないので、日本語字幕で観たいなあ、と思ったら、なんと来年新春、「忘れえぬ想い」のタイトルで日本公開が決定しているとのこと(くわしくは、もにかるさんのHongKong Addict Blogに)。ああ、札幌にも来てくれないかなあ。札幌公開熱烈希望。
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コメント
そうです。あのときは「つきせぬ想い」が主要部門ほぼ独占だったのに、主演男優だけ秋生さんに持ってかれてしまったのですよね。
思えばあの時から賞とは巡り合わせが悪い…
札幌でも上映されるよう、東京から札幌の映画館主さんへ念力送っときます。えい!
投稿: KEI | 2005.12.05 01:27
「つきせぬ想い」のときは、何で獲れなかったのかと思って調べたんですよ。そしたら秋生さんだったんですねえ。
なんだか「無冠の帝王」とか書かれちゃうと(「新世紀Mr.Boo!」の宣伝ページにあった)口惜しいんですよね。
念力、ありがとうございます!
映画館に念とメール送ってみます。えーい!
投稿: きたきつね | 2005.12.05 22:35