「無極」
西洋通菜街の旺角ブロードウェイで観た。
実は、この「無極」、12月15日に公開されて街中にポスターが張ってあるのに、上映している映画館がとても少ない。あっても、午前中に1回とか夜に1回とか、そんな感じ。やっと見つけて入ったのだが、狭い上映室で満席。
で、映画の出来なのだが、陳凱歌はがんばったと思う。力も入っている。ロケやCGも大変だったろう。風景も美しい。力作である。…と、なんだか奥歯にものがはさまったような言い方になるのは、たぶん香港で観たから。
香港で観ることには功罪がある。
「功」は、「真田広之、いいぞいいぞ」と思えたこと。冒頭から、かっこよく登場するのである、なにせ大将軍だから。神様にも会ってるし、主役は彼だと思う(主演筆頭はチャン・ドンゴンだけど)。アクションも、さすがジャパン・アクションクラブ!という感じ。海外にいると、がんばれ日本!と思ってしまうのね。兜が岡本太郎みたいだったが。
では「罪」は何かというと、それは、「笑いのツボ」。
以前から、香港人とは笑いのツボが合わないとは思っていたのだ。ぜったい泣けるはずなのに大爆笑というシーン、特に人死にのシーンであるんだよね(「雷艇戦警」で王力宏が死ぬところとか)。
ところが、今回は、自分もいっしょにツボにはまってしまい、シリアスな映画のはずなのに一緒に笑ってしまったのだった。
ネタばれになるので、あまり詳しくは書けないのだが。
(その1)
ニコラスは…かっこいいんだけど…。特に杖がまずい。出てくるたびに笑われていた。あれはギャグなのか?本気なのか?
(その2)
チャン・ドンゴン、運動能力高すぎ。「牛」のシーンでツボにはまってしまい、その後チャン・ドンゴンが走るたびに香港人と一緒に笑ってしまうように。どうしてくれる、香港人。(いや、人のせいにしてはいけない>自分)。
あと、「お前は凧か〜!」とか「お前は鳥か〜!」とか「お前、どこから入ってきた!」とか。
でも動作の演技がうまくて、ちゃんと奴隷っぽいのね。
なぜ気づかないのだ>セシリア。
(その3)
満神さま、意地悪すぎ。何を考えているのだ。
(その4)
途中まで、この映画のテーマは「逃げるのではなく走るのだ」だと思っていたのだが、最後のほうになって「食べ物の恨みは恐ろしい」かもしれないと思ってしまった。どうしてくれる。
いや、リウ・イエはポスターから予想外のいい役だったし(あの黒衣の意味・効能がよくわからないのだが)、いい映画なのよ。ほんとに。でも、日本でもう一度字幕で見たときに一人で笑ってしまったらどうしよう、と不安なの。
これからご覧になる皆さん、日本で観ると、きっとよい映画だと思います。ほんとです。
(フォローになってない…申し訳ない)
追記:札幌で日本語字幕版を観た感想はこちらに。
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コメント
いやぁ~満喫してますね!
見たんですか、これ?いいな!
私は今日実家(博多)から帰って来ました。
室内の暖房が半端なんで結構寒かった。
空から見ると岡山やら広島の(多分)山々には雪が沢山…日本列島、冷蔵庫ですよ。
札幌も今夜は一番の冷え込みだそう。
帰ってきたらつらいぞ!
香港からお返事してね!
投稿: hanatya | 2005.12.27 20:19
はーい、香港からお返事です。
街中からモバイル投稿だったのですが、
写真、ぼけぼけでしたね。
レポートはこれから書きます。
香港はあったかです。
日本は寒いのですね…(泣)
もう少しこちらに居たいですう。
投稿: きたきつね | 2005.12.27 23:03
やだ、レヴュー見なきゃよかったよ!
香港人って陳凱歌評価してないのぉ~?
大変だ、日本封切までにこれ忘れなきゃ。
又今日も雪です。それに寒いよ!
明日のフライトが快適でありますように。
気をつけてね!
投稿: hanatya | 2005.12.28 20:12
妙なレビューで申し訳ありません。
香港人は「陳凱歌を評価していない」、
のではなく、
「日本人の予想外のところで笑う」、
ということだろうと思います。
どんなにシリアスな名画でも、
予想がつかないところで笑っています。
日本で見たら評価は違っていたでしょう。
そちら寒いんですね…覚悟して帰ります。
投稿: きたきつね | 2005.12.28 22:54
「香港」で検索していて、あちらこちらをさまよってこちらにたどりつきました。
「無極」ちょうど先週観たところなので、思わず書き込んでしまいました。
ニコラス・・・ファンだったのに・・・あの杖ってば。
香港でも大笑いの対象だったんですね。
うう・・杖は現場で監督に却下して欲しかったです。
私は神戸在住ですがこちらの映画館ではドンちゃんのお肉に飛びつくシーンと、走るシーンのあからさまなCGに笑いがあったぐらいで、後は特になし。
みんな唖然としてたのかしら。
DVDが欲しいけど、香港に行って買いたいなあ。
お邪魔しました。
投稿: まうあ | 2006.03.06 22:05
まうあさん、いらっしゃいませ!
ニコラスは、香港では、出てくるたびに笑われてました。
登場シーンがGJ棒だったのが問題だったのか…
ドンちゃんも笑われてました。
しかし、繰り返して観てみると、
「笑いのツボ」に慣れるせいか、評価が変わって、
今ではけっこう好きです。
最近の感想はこちら↓です。ご参考までに。
http://north-fox.tea-nifty.com/test/2006/03/post_b494.html
また遊びに来てくださいね!
投稿: きたきつね | 2006.03.07 00:02
ありがとうございます!
お言葉に甘えてまたお邪魔しました。
こちらの膨大な記事や写真を拝見するのに必死な毎日です。
ところで神戸の元町には「南京町」という中華街があります。
勤め先はすぐ近所なので、帰りには中を通って駅まで行くようにして、ほのかな香港の香りを楽しんでいます。
でも大好きなポップちゃんことネギクラッカーは置いてないんですよね。
三ノ宮の輸入雑貨のお店にしかないのが不思議。
一つ質問していいですか?
香港で干した山芋をスライスしたものを買ったのですが、長い時間煮込んでもあんまりやわらかくならなかったんです。
おいしくいただくコツがあればご伝授ください。
投稿: まうあ | 2006.03.07 22:18
まうあさん、いらっしゃいませ。
神戸にお住まいなのですか…うらやましい!
数回しか行ったことがありませんが、とてもいいところですね。
近場に中華街があるなんて…。
Pop-panは、こちらでも輸入食材店扱いです。
准山(山芋の干したの)、
私は鍋物に入れていますが、長く煮るせいか柔らかくなります。
コツはわからないのですが、時間はかなりかかります。
投稿: きたきつね | 2006.03.07 23:25
やはり長く煮なければいけなかったんですね。
もう一度トライしてみます。
ワイサンっていうんですよね。
牛嶋直美さん著の「香港こだわり食材百貨」を
読んで思わず買ってしまったものです。
香港って帰ってくるとすぐにまた行きたくなるのはなぜなんでしょう。
とは言いつつも最近行ったのは2年前のちょうど今頃。
きたきつねさんのようにお仕事がらみでも行きたいです。
あ~書いてると本当に行きたくなる。
投稿: まうあ | 2006.03.07 23:32
まうあさん
牛嶋さんの本、私も愛読しています。
今度はうまくいきますように。
投稿: きたきつね | 2006.03.08 21:34