「如果・愛」
「無極」も上映館・上映回数が少なかったのだが、これも少なかった。「無極」よりは多いけれど。
何が多かったかというと、「ハリー・ポッター」と「KING KONG」と「情痴大聖」(ジェフ・ラウ監督の西遊記で、明報では「無厘頭」と評されていた)ばっかり。
幸い、旺角の「新寶(元の「金声」)」でたくさんやっていたので、「無極」の後はしごした。場内はがらがら。
のっけから、「チャングム」のミン・ジョンホじゃなくてチ・ジニが歌って踊ったので、びっくり。
上海が舞台で、「功夫」に似た感じのレトロな色彩(まさかセットは同じじゃないよなあ)。ミュージカルシーンは、なんとなく昔のフランスのような雰囲気がある。インドの振付家を呼んだせいか、ミュージカルシーンはとっても幸せ。一部はもろにインド映画のよう。帰りにサントラを買ってしまった。北京パートはクリストファー・ドイルが撮影に関わっているらしい。
ストーリーは、製作している人々の現実と映画がオーバーラップする、という作りなんだろうなあ。金城武くんと張学友、周迅が主演。
金城武くんが主演なのかな。しかし、そんなにすると女性に引かれないかなあ。ちょっとストーカーみたいよ。
学友は、暗い。でも歌が上手い。ほんとに上手い。
周迅は、いままで意識したことがなかったのだが、よい女優さんだと思う。一瞬、スー・チーに似ているかな、と思ったのだが、もっと甘さを抜いた感じ。他の映画も観たいなあ。
エリック・ツァンとサンドラ・ンがゲスト出演していて、出て来るとほっとする。
ただ、ストーリーを追っていて、これこれ君たち、あんまり公私混同してはいかんよ、などと思ったのだが、もうひとつ、映画そのものとは関係がないところで、「香港映画でこれはやってはいかんでしょう」と思ってしまったシーンがあった。詳しくは書けないのだが、ほかの事をどうしてもどうしても思い出してしまうのだ。未来永劫禁じ手にしてほしいと個人的には思う。
あと、チ・ジニは常時帽子を着用してほしい。ニットキャップでもシルクハットでも韓国のかぶりものでもいいので。ところで、字幕からいまひとつ読み取れなかったのだが、彼は俳優、麺屋、狂言回し、どれだったのだろう?
日本で公開されたら日本語字幕で大きいスクリーンで観たいし、DVDも欲しいな。できれば歌の字幕は北京語で、あとは日本語だと嬉しい。
今回は2本とも普通語の映画だったのだが、香港を舞台にした広東語の映画が見たかった。予告編があったアンドリュー・ラウの「情義我知心」とウァイ・カーファイの「最愛女人購物狂」(劉青雲主演のお正月映画)、観たかったなあ。
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コメント
きたきつねさん、初めまして。
前からブログの方は時折拝見していました。
たくさんのコンテンツ、旅先の美味しい物の記事
なども楽しいですね。
私も「如果・愛」を観て、きたきつねさんと同じ
事を感じた部分がありました。カフェで学友さん
演じる監督が口にする地名を聞いて、あ、やはり
そうなんだろうかと胸が詰まりました。
(違う箇所だったらごめんなさい)
映画館は週末にも関わらず3分の2位の入りで
香港映画が見直される日が来るといいのにな、と
少し寂しく感じる初日でした。
投稿: YUYA | 2006.11.18 00:00
YUYAさん、初めまして。コメントありがとうございます。
来てくださっていて、嬉しいです。
「ウィンター・ソング」、ご覧になったのですね。
私は行こう行こうと思いつつ、まだです。
3分の2の入りですか…。
しかし、地方だと5,6人ということもあるので、
かなり健闘しているような気がします。
さて、件の箇所ですが、
學友さんが言った地名、すぐには思い出せないのですが、
おそらく、思ったことは同じ事ではないかしら…。
直接そう思ったのは、大詰めのところなのですが。
投稿: きたきつね | 2006.11.18 22:13
ああ、そうですね。香港映画ファンの友人も
地方に掛からない、と嘆いています。
地名は「青島」だったと思います。
大詰めで映画全体が転調して、清しさも感じる
ラストへと流れ込むための大切な場面・・・。
そこで自分はふっと怒りが湧き、でも雪の上に
立ち上がる監督の姿を見て、この役は学友さん
でなくてはならなかったのかな等々思いました。
とんだ勘違いをしていたらごめんなさい。
どちらにせよ、香港映画を観る時にはいつも
胸の内にひとりの人の面影があります。
また寄らせて頂きます(^^
投稿: YUYA | 2006.11.21 21:52
YUYAさん
やはり、同じ場面で同じ人を思い出しているようです。
あのシーン、最初は頭に血が上りました。
だって、ねえ…。
「禁じ手」にしてほしいという気持ちは今も変わりません。
香港映画を観るたびに思い出し、
昔の姿を見ると胸が痛くなるというのに。
またのお越しをお待ちしております。
投稿: きたきつね | 2006.11.23 00:34