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「黒社会」

 最近、あまり余裕がないのだが、無理矢理観た。何か観ないとやってられないのである。観るならこれだ、と香港で買ってきたこれを開ける。ジョニー・トーの最新DVDである。

【おはなし】
 2年に一度行われる、黒社会の最大組織の会長選挙。候補は大B(レオン・カーファイ)と阿楽(サイモン・ヤム)。顔役たちは阿楽を推薦するのだが…という話だと思う。
 「 YesAsia.com」の解説を参考にしているのだが、現在「中国語の映画」トップページの「無極」の説明が「黒社会」のものになっていて、えもいわれぬ味わい(じきに直されると思う)。

【感想】
 黒社会の「選挙運動」って…お金と暴力なのね。怖いよう。息をするように自然に行われる暴力行為。
 背景は、どこかで見たことがあるような香港の日常風景なので、黒社会って日常生活のすぐそばにあるのだなあ、と思わされる。
 人物関係が複雑で、3回ぐらい見たのだが、まだよくわかっていない。
 レオン・カーファイもサイモン・ヤムもいいのだが、冒頭、いきなり「ちりれんげ」をばりばりと食べるニック・チョン、クールなルイス・クーなど、キャラが立っている。もちろん、林雪も出ていることは言うまでもない。女性はほとんど出てこず(大B太太のマギー・シュウぐらい)「女は乗せない駆逐艦」みたいな映画。
 一つおおっと思ったのは、儀式の文句の中に「反清朝の流れを汲む」とか「少林寺焼き討ちのあと生き残った5人の後を受け」というような(たぶん)文言がでてきたことで、つまり、黒社会って、反清朝の秘密結社とか少林寺と歴史的に関係があるということなのだろうか。反清朝の秘密結社って、たしか「七剣(セブンソード)」の武荘がそうだったよなあ。もしかして、黒社会・少林寺・反清朝は同じようなルーツなの?どれも香港映画の大ネタではないか。香港映画のネタ元には共通点があったのだろうか?
 ラストはけっこう衝撃的。あの猿山は香港にあるのかということと、あの子のその後が気になる。

20060203hongkong
 油麻地の野菜市場。
 ここは出てこないのだが、この南側のブロックにあるブロードウェイ電影中心のマクドナルド前と、その向かいにある油麻地警察が劇中に出てくるので、載せてみた(写真がなかったの)。背後のビルのふもとがロケ地。

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コメント

本の受け売りですけど、確か香港の黒社会は辿っていくと『紅花会』に辿り着くらしいです。
最初は互助会組織みたいだったのがだんだん…てのは日本も同じですね。

投稿: KEI | 2006.02.06 02:36

KEIさん、どうもです。
「紅花会」というと「書剣恩仇録」ですね。
…もろに武侠ものだ。
ということは、「黒社会」ものは、
ある意味現代の武侠ものであって、
「ベルベット・レイン」が「江湖」であるのは当然、
今は、「内攻を高める」代わりに武器をためこみ、
「点穴を突く」代わりに銃をぶっ放しているのか…ううむ

投稿: きたきつね | 2006.02.06 21:32

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