「姑獲鳥の夏」
wowowを録画したのを、何回かに分けて、やっと観る。
京極堂ものは、一応全部読んでいるのだが、好きなのは「狂骨の夢」あたりまでの初期。一番は「魍魎」だが、「姑獲鳥」は出たのが早いぶん、一番読んでいるかも。
実相寺昭雄監督は、「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」で監督した回がけっこう好きだった。「第四惑星の悪夢」は子供心に怖かったなあ。
というわけで、劇場で観ようと思っていたのだが、見逃してしまったので楽しみに見たのだった。
結果。
うーん。
そうやって、初めかっら一本道で説明してしまうのはなあ。しかも、説明がほとんど言葉だし。映像で見せるとネタを割っちゃうところもあるにはあるけど。原作は関口が語り手なのだが、映画では関口がほとんど喋らないのも敗因かなあ。最後は雨じゃなくて火事だしなあ。原作の醍醐味がなくなっていたような。
京極堂の家とか、バックはよかったんだけど。
音楽も池辺晋一郎だったし。
キャストは、中禅寺役の堤真一は、台詞は上手かったのだが、惜しむらくは「不機嫌な芥川龍之介」的ではなかった。着物も黒くなかったし。知世ちゃんはよかった。いしだあゆみは老けたなあ。
実は、登場人物で一番好きなのは榎さんなのだが、阿部寛はなかなかよかったと思う。原作では、シリーズが進むにつれ、どんどん素っ頓狂になっていくので、「姑獲鳥」が一番まともだし。
しかし、なんといっても一番よかったのは、
中禅寺家の猫、柘榴ちゃん。
君は白黒猫で、足袋はいて、鼻に筋が入っていたんだねえ。
出てくるたびに、猫なで声出しまくり。
それにしても、京極夏彦先生、そのコスチュームは似合わないと思います。出てくると笑ってしまいます。おまけに、おそれ多い人物設定だし。
| 固定リンク
« 週末はカレー | トップページ | 「旅する広東語」 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント