『岩茶のちから』
左能典代さんの『岩茶のちから』(文春文庫プラス)をやっと入手。1週間探した。
というのは、文春文庫は毎月10日前後に発売になるのだが、他の文春文庫新刊はあるのに、これだけ見つからない、という現象が、行きつけの本屋で軒並み続いていたのだった。本日やっと実用文庫のコーナーで発見。文庫新刊のところに置いてください>紀伊國屋書店さま。
とにかく見つかったので、一気に読む。左能さんが、どのように岩茶と出会い岩茶を仕事にするようになっていったかと、岩茶の効能について書かれている。
前半の、ふとしたことから岩茶と出会い関わっていく過程が圧巻である。「お茶がある」という囁きを聞き、中国で一度だけ出会った林氏に手紙を書き、企画書を携えて飛び、「あなたの夢は今から私たちの夢になりました」というくだりは、目頭が熱くなった。
また、左能さんが以前書かれた『中国名茶館』(高橋書店)以上に、どんなところに岩茶が生えているのかがわかる。岩茶は、飲むたびに「岩のエキスをいただいている」ような気がして、調子が悪いときについ手が伸びてしまうのだが、たしかに効能はあるだろうなあ、と思う。
しかし、だからこそ余計な心配もしてしまうのである。後半の「岩茶にはこんな効能がある」ことを記したくだり、こんなことを書いたら、ネタに飢えているマスコミが飛びつきはしないか。「○○には○○が効く!」のように取り上げられ、ブームになり、ハゲタカのように人が群がるようになったら(今でさえ経済開放のあおりを受けていて、一部の心ある人が守っているようであるのに)、それは岩茶にとっても、ひそかに岩茶を愛する人々にとっても、とても不幸なことではないだろうか。
その熱のこもった言葉が、武夷山の人々をも動かしたのだろうけれども。
と言いつつ、やっぱり岩茶を飲んでしまう。
これは香港で買った肉桂。
「小さい杯で飲まないと酔わない」とあるので、ほんと?と思いつつ、海風號で買ったちび茶杯で飲んでみる。味が濃いかな?
ちなみに、岩茶は、鉄瓶さまのお湯で淹れると、とても美味しい。ミネラル倍増?
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コメント
こんにちは!
きたきつねさんもお読みになったのですね。
私も前半は読んでいて鳥肌がたつ思いがしました。
確かに後半の効能を上げた項はミスリードとなる可能性もありますね。
でも、実物の左能さんは、よからぬ人たちがいたら、自ら怒鳴り込んでいっちゃいそうな雰囲気がありますから、大丈夫かも?(^^)
投稿: ちょし | 2006.11.18 16:03
ちょしさん
左能さん、そのような方なのですね。
やはり、一度お会いしてみたいような。
「岩茶房」、今度上京したら、是非行ってみなければ!
と思いつつ、今日も岩茶を飲んでしまいました。
投稿: きたきつね | 2006.11.18 22:15
「小さい杯で飲まないと酔わない」ってことは
「小さな杯で飲むと酔う」ってことですよね。
否定の否定で意味が良くわからないのです^^;
きたきつねさんは酔おうと思って小さな杯で飲んだってこと?変な質問ですみません。
投稿: 桂花 | 2006.11.19 22:13
「小さい茶杯で飲まないと酔わない」というのは
原文にあった表現なのですが、論理的には
「酔うときは小さい茶杯で飲む」ということですね。
それで、小さい茶杯で飲んでみたのでした。
わかりにくくて、すみません。
それは別としても、小さい茶杯の方が、
大事に味わえるのかなあという気がします。
投稿: きたきつね | 2006.11.19 23:53
大きなマグカップでがぶ飲みしたほうが酔うような気もしたのですが、そうではないのですね。小さな茶杯の方がじっくり味わえるので酔うってことなのかしら。。。
私は飲みすぎると胃に来ます。そして何かボリュームのあるものを食べないと収まらなくなります。お茶請けではだめで、ご飯物とかをしっかり食べないといけなくなるのです。頭もくらくらするし。。だからできることならお茶酔いはしたくないです。でもこれは本当のお茶酔いではないのかも。
投稿: 桂花 | 2006.11.20 00:11
これは記事にしようかと思っているのですが、
大きい茶杯で飲むのと、小さい茶杯で飲むのは、
違うような気がするのです。
がぶっと飲むお茶と、ちびっと飲むお茶があるような。
量が多くてお茶酔いするのは、カフェイン負けでの悪酔い、
小さい茶杯でふわっと、というのは、
別の要因での良い酔い(?)というか。
投稿: きたきつね | 2006.11.20 01:33
私は「悪酔い」を体験していたのね。
何事もほどほどに(笑)ですね。
「お茶酔い」の記事、楽しみにしています。
投稿: 桂花 | 2006.11.20 10:01
うーん、よくわからないのですが、『岩茶のちから』で書かれているのは悪酔いではないような気がします。
記事は、どちらかというと、お茶酔いというより茶杯の大小についてになると思います。
投稿: きたきつね | 2006.11.21 00:12