「和昌茶荘」で喋りたおす
せっかく台湾に来たのだから、お茶やさんに行ってみよう、と思っていて、ちょうど通り道なので、ガイドブックを見て「和昌茶荘」へ行ってみた。行くのは初めて。日本語が通じるらしいし、楽かな、と思った。楽どころじゃなかった。
入ってみると、先客が3名、2人は日本人らしく、1人は地元の常連さんらしい。
にこやかに日本語で椅子を勧められ、お茶のリストも見せていただいたので、「濃香が好きなんですけど…」とまずは鉄観音の試飲をお願いする。「安渓」と名前がついているが、台湾の木柵鉄観音だとのこと。「そうなんですかあ」「お茶好きですか?」「はい、好きです。毎日飲んでます」とか何とか話をするうちに、常連さん(近所の会計士さんらしい)も交えて、気がついてみると延々と話していた。若旦那は中国語と日本語、常連さんは中国語と英語、こちらは日本語とちょぼちょぼの中国語と英語で、何とか話は通じるのである。何とか中国語でやろうとがんばってはみたのだが、結局は、若旦那が通訳してくれて助かる。
なぜか、「日本の詩で何が好きか」という話になり、えええー、と困る。常連さんが蘇東坡の漢詩が好きだというので、こちらは芭蕉で対抗してみた。長いのは説明できないしねえ。いやあ、日本人として、こういうこと、考えておくべきだわあ。筆談ができてよかった。後は、故宮の展示の話とか。昨日見た「大観」は「一生見られない」ような組み合わせらしい。汝窯や北宋の書画が一同に会することはめったにないのだそうだ。
そろそろ帰ろうかと思うころになって、大旦那が帰っていらっしゃる。日本語完璧。というか、まんま教養のある日本の方なんですけど。植民地だったというのはこういうことなのか、と目から鱗が落ちる。親戚の方が日本語で書いた本も見せていただいたのだが、なんというか、申し訳ないような気持ちになった。だってねえ、こちらの言葉を有無を言わさず母語として叩き込んだわけでしょう。悪感情は持たれていないとは思うのだけれど、英語圏やフランス語圏ではあることなんだろうけど、何ともいえない気持ちになる。
大旦那とは、故宮の話とか、「翡翠の白菜」のいわれとか、イアホンガイドは使ったほうが便利とかいうようなお話をしたのだが、日本語が楽なんだって。そうなんですか…。
お茶をいろいろ飲ませていただきつつ、2時間以上おじゃましてしまった。先客の日本人の方には、申し訳ないことをしたと思う。おいしい鉄観音と陳年茶を買って帰ってきました。
店頭のオウム。
朝は喋るらしいが、行ったときには無口だった。
奥に店内と若旦那が見える。
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コメント
昨日のニュースによると、地震のために電話の海底ケーブルが2本切断されてしまったそうで、国際電話(携帯も)、ネットが繋がりにくくなっているとの事です。
どんなことになっているか、心配しつつ今朝アクセスします。
大丈夫のようですね。
しっかりと休養とって(きわめて日本人的言い方です・・笑)お元気でお帰りくださいね。
投稿: びばいのゴーシュ | 2006.12.28 08:09
ゴーシェさん
ありがとうございます。
ネットは問題なくつながるようになったのですが、
携帯から国際電話がかかりにくくなっているようです。
香港はもっと大変なようですが。
今日は最終日なので、
ゆったり過ごしたいと思っています。
投稿: きたきつね | 2006.12.28 09:07
検索エンジンでこの記事を見つけました。
和昌茶荘さんを記事にしたブログのなかで最も私の感覚と合うページでしたので、トラックバックしてしまいました。
今年はまだ張さんに会えていないので、この3ヶ月の間に何とかしたいものです。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: やおよろづ | 2007.10.05 08:29
やおよろづさん
初めまして。ようこそいらっしゃいませ!
ありがとうございます。
和昌茶荘は居心地がいいところですよね。
台湾にはよくいらっしゃるのでしょうか。
早く行けるといいですね。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: きたきつね | 2007.10.05 23:49