「かもめ食堂」
今年いちばん最初に観た映画は「かもめ食堂」。以前来たときに見逃していたのだが、お正月からシアターキノでアンコール上映されたので、走って観に行ったのだった。混んでいた。
とある夏、ヘルシンキにサチエ(小林聡美)が開いた「かもめ食堂」。最初はお客が来ず、ずーっと一人きりだったのが、日本かぶれのトンミくんが来、ガッチャマンの歌(歌えるのでループして困った)が縁でミドリ(片桐はいり)が来、マサコ(もたいまさこ)が来、だんだんお客が増えていき…という顛末が、フィンランドの明るい夏を背景に虚実おりまぜて(「マサコさんの鞄」や「猫」は虚だと思う)淡々と描かれる。
群ようこの原作には登場人物の背景が書かれているのだが、映画では必要最小限しか語られない。4人ともみんな何かを背負っていそうで、とっても幸せ、というふうには見えない。その最たるものが「コスケンコルヴァおばさん」だろう。ミドリも辛そうだ。それが、だんだん繋がって、満たされていく、という話だと思う。
主要3名以外はフィンランド人なのだが、みんないい味を出している。「コーヒーおじさん」はカウリスマキ監督の「過去のない男」の主演の人。「コスケンコルヴァおばさん」も有名な人らしい。そして、もたいまさこの「タダモノでなさ」加減は突出している。小林聡美が予想以上に美人でびっくり。さすが最強有名人夫婦の一だ(ちなみに、個人的な「有名人夫婦四天王」は、小林聡美・三谷幸喜、平野レミ・和田誠、南伸坊・南文子、竹内まりや・山下達郎)。
で、出てくる食べ物がとてもおいしそう。空腹で観ることはお薦めしない。終わるころにはお腹すいてるし。
だんだんフィンランド人のお客が増えてくると、がんばれトンカツ、がんばれ生姜焼き、がんばれおにぎり、という気持ちになる。コーヒーおじさんの胸元にご飯がついているくだりは、「そのご飯粒、捨てたら承知しないぞ」と固唾を呑んでしまう。ソウルフードだなあ。
帰って食べたのは、炊き立てご飯に葱・かつおぶし・お醤油を和えたものを乗せて海苔でくるんだ手巻きご飯と、
ほっけの飯寿司(いずし)。「いずし」は馴れ寿司の一種で、はたはた、紅鮭、鰊などでも作る。これも北海道の海岸育ちとしてはソウルフードなんである。
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コメント
「かもめ食堂」,公開された当時プレビューが良かったのでDVDを買ったのですが,実はまだ未開封。
落ち着いた時に観たいなぁと思いながら,なかなかそういう時間がないのですが,やはり良さそうですね。早く観たい・・・
さて,私のお気に入り(?)有名人夫婦は,三谷さん&小林さん(結婚会見のとき報道陣に「腕を組んでください」と言われて二人並んで腕組みポーズをしたとき以来のファンです。笑)と陳可辛&呉君如夫妻です。
なんとなく似てませんか?この二組(^^)
投稿: an-an | 2007.01.19 13:50
記者会見は見ていないのですが、
「腕を組む」はさすがです。
陳可辛&呉君如、たしかに似ているかも…。
平野レミ&和田誠も似たテイストだと思います。
「かもめ食堂」、とくに疲れたときにお薦めです。
時間があいたら是非どうぞ。
おにぎり(せめてご飯でも)も忘れずに。
投稿: きたきつね | 2007.01.20 23:43