香港の壷
明茶房のカウンターでお茶を飲んでいたとき、気になる茶壺があった。
写真右下手前の子。
洗ってあったので店用かと思い、見せてもらおうかどうしようか、お茶を飲みながら、ずーっと考えていたのだった。そうしたら、お店のお兄さんが、おもむろにタグをつけ始めたので、こりゃ売り物かと思い、見せて!とお願い。
お兄さんは六角壷がお薦めだったようなのだが、「いや、私はこっちが好きだ」と突っ張り、お兄さんが「ほら、蓋の穴を塞ぐと水が止まるでしょう」と、やってみるよう勧めるので、そういう茶壺は多いわなあと思いつつ、勧められるとおり水を注いだり止めたりしていたところ、お店のビビアンさんが「茶壺、使ってるでしょう」と話しかけてきたので、それがきっかけで話が盛り上がってしまったのだった。
タグを見ると、この子は、文革壷で土もよいらしい。黄4号井というようなことが書いてあったような気がするのだが記憶はあやふや。つけてくれた証明書には文革としか書いていなかった。しかし、つやつやして、見るからに土はよさげ。100ccちょっとぐらいの小振りな紫砂の倣古壷で、形がとてもよいと思う。
値段を聞いたら、さすがに高い。しかし、買えない値段ではなかったのだなあ。
盛り上がって話をしつつも横目で茶壺を見、頭の片隅でずーっと考え続け。
結局、連れて帰ってきた。
今は、香港から遠く離れた札幌で単叢などを淹れている。他の茶壺には悪いが、何かあったら、持って逃げるのはこいつになるかもしれない。
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