札幌で「黒社会」を観る
気がついたら、札幌に「黒社会(エレクション)」が来ていた。ちょっと一段落したし、レディースデーだったので、走って観に行く。しかし、客は最初は1人。結局4〜5人ぐらい。まあ、これぐらいレディースデーにふさわしくない映画もないもんなあ。しかし、久々に映画館で映画を観られて嬉しい。「龍虎門(邦題はいかがなものかと思うので記さず)」の予告編も見られたし。
DVDで何度か観ているのだが(感想はこちらに)、あらためてわかっていなかったんだなあと痛感。スクリーン&日本語字幕でさえ、人間関係や人の顔がわからなくなるんだもの。曲者ぞろいだし、暗い画面が多いし。パンフレットの人間関係図でやっと腑に落ちた次第。尤勇が潜入捜査官だったと知り驚いた。
香港の「和連勝会」の2年に1度の会長選挙。商売は上手いが切れやすいディー(梁家輝)と温厚で上を立てるロク(任達華=サイモン・ヤム)、陰では札束や思惑が飛び交うが、幹部会はロクを選ぶ。しかし、納得しないディーは、会長の証である龍頭棍を渡せと現会長のチョイガイを脅す。チョイガイは龍頭棍を広州に隠すよう指示、龍頭棍とボスの座を巡って争いが起こる。すったもんだの末、龍頭棍はロクの手に渡り、契りを交わす儀式が行われるのだが…というお話。
もう誰が誰の味方かわからないし。痛いシーンは多いし。さすが色気なしの三級片だ。トー先生、人を木箱に詰めるのはやめてください(「PTU」でもやってたよな)。今回は山の上から繰り返し転がすし。龍頭棍の奪い合いのシークエンス(「リレー」みたいで可笑しいといえば可笑しいのだが)は痛さ爆発だし。最後はやっぱり衝撃的だし(あの子は将来どうなってしまうんだろ…)。
その中で一服の清涼剤はやはり林雪であって、林家棟にぼこぼこにされつつも会の掟を繰り返し唱えて龍頭棍を守っているところ、ぼこぼこにされている最中にボスが寝返ってしまい「それ、助けに来た奴だから」と言われるところ(林家棟は最初から「これ仕事だから」とぼこぼこにし、味方になったとわかるや「ごめん」とあっさり謝りクールである)が唯一の笑いどころであった。ラストの猿山は笑えない。なぜ逃げない?>猿。
あ、王天林も清涼剤だな。幹部会でずーっと蓋碗でお茶を淹れて振る舞っているし。いい茶盤使ってるし。
梁家輝は切れやすいキャラクターではあるのだが結局は人がよく、怖いのは何をするかわからないニック・チョンであり、終始クールなルイス・クーである。結末を知っているだけに、ヤムヤムも怖い。
あと気がついたのは、特に前半、食べるシーンが多いこと。ニック・チョンがばりばりと蓮華を食べ、続いてヤムヤムが鶏を食べ、警察が外売の何か(たぶん油鶏飯だと思うのだが)を食べ、ヤムヤムが息子と鍋を食べる。見ているこちらも、香港の白切鶏か油鶏飯か焼鵞飯を食べたい気持ちでいっぱいになった。すぐ食欲はなくなるんだけどね。
「黒社会2 以和為貴」はどこかが買ったのかな。公開してくれないと、前編だけで終わりということになっちゃうんだけどな。たぶん人間関係が全然わかってないので、日本語字幕で観たいのだが。札幌公開熱烈希望。
香港映画の参考書。講談社新書のリニューアルに伴い品切れになってしまい残念。講談社新書、昔のカバーデザインやラインアップがよかったのになあ。
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コメント
そうなんですよ。
気付いたら・・・たったの2週間の上映ですが、札幌でも公開してたんですよね。
上映時間がお昼すぎ(仕事中だから無理よね)と20時半(疲れてススキノまでは行けないよ~)なので諦めてしまいました。。。
英語と中国語字幕のDVDは持っているのですが、イマイチ理解し難いので日本語字幕を期待してたのですが・・・。
投稿: みらこ | 2007.04.23 12:21
札幌公開って全然宣伝してなかったよねー。
私も危うく見落とすところでした。
ああ、もったいない。
「プロジェクトBB」も今週いっぱいなのよね。
昨日気づいてショック。何時行けと…。
「黒社会」は、たぶん日本語字幕じゃないと
辛いかもです。
日本語版DVDは出ると思うんだけど。
投稿: きたきつね | 2007.04.23 21:43