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暗譜。

20070720hand

 左手。指が右手より5ミリ以上長く、指先の角質の厚さが1ミリ以上ある。楽器を弾いているためである。
 マンドリンの弦はスチールで2本ずつ4対あるので、指先に食い込む。角質が厚くないと痛くて弾けない。さぼると薄くなるのだが、長年弾き続けているだけあって、弾き始めるとあっというまに厚くなる。たぶん細胞にプログラム済みなのであろう。ある程度厚くなると上から少しずつ古い角質が剥がれ落ちるさまは、まるで紅茶キノコのよう(マイナーな例えですみません)。
 で、この角質がいやでも厚くなる今日このごろ。なぜなら、明後日7月22日は教室の発表会だから。一応書いておくと、白石区本通り16丁目南4-6「札幌国際交流館ライラックホール」にて14:00〜18:30の長丁場である。合奏だのトリオだの独奏だの、いろいろ弾くのだが、独奏は暗譜で弾かなければならないのであった。
 青柳いずみこさんの『ピアニストは指先で考える』(中央公論新社)に「初見と暗譜」という章があって面白く読んだのだが、暗譜には「聴覚型」と「運動型」と「視覚型」があるという(もうひとつあったかも)。自分の場合を考えてみると、まず、音楽を耳から覚え、次に指の動きで覚えるので、聴覚と運動を使っているらしい。で、もう一つの「視覚」が駄目で、視覚で覚えるのはポジションと指の位置で、譜面はからっきし覚えられない。何度も譜面を見るのだが、あとで思い浮かべるとぼーっとしか浮かばない。近眼の人が裸眼で見たよう。音符の位置は音名を覚えて、それを使って譜面を何とか思い浮かべているような気がする。言語に関しては、圧倒的に聴覚より視覚が強いのに、不思議。
 運動中心で覚えていると、緊張状態での安定性がきわめて悪いのね。譜面を視覚で記憶しておけると、本番で記憶が飛んだときでも復旧が楽そうなんだけどなあ。まあ、気の持ちようで、平常心を保って集中していればいいといえばいいのだけれど。
 ああ、暗譜。「暗譜!」でも「暗譜…」でもなく、「暗譜。」。精神修養やら記憶のスキルやら歌う気持ちやら演奏技術やら、いろいろなことの結晶のよう。
 あとは精神修養と練習あるのみ…かな。嗚呼。 

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コメント

うわー、弦楽器の方は指紋がなくなっちゃう、とよく聞きますがきたきつねさんの指も「演奏家の手」という感じですね!!私もチェンバロを弾くので普通の人よりかは硬いですが、いやいやスゴイですね。
マンドリンを始められた時は、やっぱりものすごく痛かったのでしょうか…><
演奏会、ご盛会お祈りしています!頑張ってください♪♪
暗譜のお話、興味深かったです。暗譜って大変ですよね…チェンバロはなぜか試験でも演奏会でも譜面を見て弾けるのでチョット助かっています、、
でも、結局は暗譜するまで練習しないと弾けませんよね(^^;) 

投稿: ちぃ | 2007.07.20 23:49

ちぃさん
チェンバロはタッチが柔らかいような気もするのですが、
やはり硬くなるんですね。
弦は鍵盤と違って食い込むので、初心者は辛いと思います。
といってもアマチュアなので、もっと凄い方はいるかと。
明日は「演奏会」ではなく「発表会」なんです。
毎年暗譜が飛ぶので、そろそろなんとかしたいのですが。
チェンバロは暗譜しなくていいんですね。
分野によって違うのかしら。

投稿: きたきつね | 2007.07.21 08:44

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