おとん、加油!
祥華のおとんががっくりきているという。
祥華のおとんとは、このお茶を作っている人。30年間、鉄観音を研究し続け、天然野生を見分けることができ、伝統的な製法で美味しい美味しい鉄観音を作る。
ところが。
今年は、ほとんどのお茶が空調茶。空調茶とはエアコンを使ったお茶。ほんのちょっと使っただけで、お茶の風味ががらっと変わってしまう。伝統茶と味が全然違うことは、研究セットでしみじみとわかった。伝統茶のほうが美味しいのだ。
しかし、お客さんのほとんどが空調茶の方が美味しいというのだという。お茶の工人たちも空調茶のほうがおいしいのだという。
『なにこの匂い?何の香り?これ加工しにくい、時間かかる。こっち(空調茶)がいい、好香、清香、加工しやすい、早く終わる。』
おとん、首を振る、ため息。
これは愛子さんの一昨日の記事から。
一昨年は100%、昨年は9割が伝統茶だったものが、今年は、我々(愛子さんたちと、おとんと、心の隊員ほか日本の茶友)のぶんだけが伝統茶で、それ以外は空調茶らしい。しかも、空調茶に人手をとられてしまい、伝統茶は愛子さんがいなければ作れなくなってしまった。
あまりにも急激な変化。
おそらく、なのだが、これは、中国のお茶市場が成熟していないためなのだろうと思う。だって、ちょっと前までは、中国国内で飲まれていたのは緑茶ばかりだったわけでしょう。青茶を飲むのはごく一部で、それが最近の経済発展にともない、たぶん日本など外国の影響を受けて飲むようになったのでは。消費者もお茶屋さんも、それほど青茶に詳しくはなく、「鉄観音というお茶」を飲みたがるのではないだろうか。その味や香りがどうかはともかく。だって、中国茶が広がり始めたときの日本もそうだったもの(と、我がことを振り返って思う)。
お茶屋さんがいいといっているから、有名なお茶だから、これがおいしいという味なのね、ということなのだと思う。お茶屋さんも、最近になって増えてきたはずで、そんなに詳しいわけではなく、わかりやすい味や香りを好むので、畢竟消費者もそうなってしまうような気がする。
おとんのお茶の素晴らしさがわかるのは、さんざんお茶を飲んできた日本人の方なのではないだろうか。
気候が違うので、揺青違う。
揺青時の香気違う。
気候と揺青違うので、醗酵違う。
醗酵時の香気違う。
気候と醗酵が違うので、炒茶違う。
炒茶時の香気違う。
醗酵と炒茶が違うので、その後の行程違う。
同原料、一日違いでまったく違うタイプになった!!
あぁ、おとん最高だよ~♪
こんなお茶、ほかにない。
繰り返しになるけれど、今年、愛子さんが行けて、本当によかった。でなければ、おとんは、伝統茶が作れなかったのではないかと思う。「心の隊員」がいなければ、地上の宝のようなおとんのお茶は存続できなかったろう。
今日は、昨年の春の鉄観音熟香型「桂香」を淹れた。
(追記:このときは陶器の茶壺を使ってしまいましたが、磁器を使った方が、おとんのお茶の香りをよりよく感じることができます)
一昨日は、どうしたらいいんだ、と思っていたのだが、惜しまずに飲むことに決めた。
おとんに、これからも伝統茶を作ってもらいたいもの。
おとん、日本の私たちは、おとんのお茶が大好きです。世界で一番美味しい鉄観音だと思います。どうかどうか、気を落とさずに、これからも美味しい伝統茶を作り続けてください。楽しみに待っていますから。加油(がんばれ)!
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