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「心の隊員」であるということ

 まだまだ仕事が終わらないのだけれど、どうしても気になるので、ちょっと中断。
 昨日は、帰ってきて、そのまま疲れて寝てしまったので更新できなかったのだが、アクセス解析を見たところ、一昨日からアクセス数が急増。リンク元はミクシィで、こちらのエントリを中国茶コミュにリンクしてくださった方がいらっしゃったのだった。 
 リンクしてくださって、ありがとうございます。少しでも広くお知らせできて嬉しいです。ただ、書き込みの中に、ちょっと気になる記述があったので、こちらで追記をさせていただきたいと思うのです。mixi、アカウントはあるのですが、勝手があまりよくわかっていないので。

 実は、私は、愛子さんのところで、お茶を「買う」という表現がどうしても使えません。使うとすれば「分けていただく」。それはどうしてかというと、愛子さんのなさっていることは、どう考えても「ビジネス」ではないから。
 前のエントリにも書いたのだけれど、今の中国は、ものすごい勢いで変わっていて、商業主義が跳梁跋扈しています。手間のかかる商売にならないことがどんどん淘汰されていき、儲けになりそうなことが急激に増殖しています。
 愛子さんの「07夏天茉莉花茶旅日記」を読んでいて心痛んだのは、かつては村いっぱいに広がっていた茉莉花茶の香りが、今は感じられなくなっていること。手のかかる昔風の作り方はどんどん減っていて、売れるものが大量生産されるようになってきていること。鉄観音の関連では、外地からやってきた茶園開発業者によって、山が焼き払われ、天然野生の鉄観音が運命をともにしたこと。残った根も、漢方薬として根こそぎ持っていかれ、もう再生のめどがないこと。同じようなことは、中国のあちこちで起こっているのでしょう。
 そんな中にも、古いやり方でよいものを作りたい作り手さんたちはいるはずで、しかし、世の中の趨勢には勝てなくなっていることはきっとあるだろうと思うのです。愛子さんが「おいしいお茶が飲みたい!」と単身で産地に飛び込んでいったことは、そんな作り手さんたちにとってどんなに嬉しいことだろうとも思います。だって、碧羅春を作っている東山のおとんも、花茶を作っている「がははオーナー」も、鉄観音を作っている祥華のおとんも、本当に嬉しそうだから。外国からやってきて、自分たちの伝統に心から賛同し参加してくれる愛子さんがいてこそ、伝統的なお茶が残っているのだと思うのです。
 おそらく、愛子さんが行けなくなったら、東山のおとんも、がははオーナーも、祥華のおとんも、昔ながらのお茶は作れなくなる。あのお茶は、この地上から永久に失われてしまう。愛子さんの情熱がお茶の伝統を支えている。
 私は、茶縁があって、そのお茶を飲むことができました。そして、そのお茶は、決して決して失われることがあってはならないと強く強く思います。
 「心の隊員」は、「お茶を買う」ためにお金を出すのではないのだと思うのです。自分は産地に行けないから、せめて、お金で参加・支援させていただくという感じ。そして、「お店」では絶対に飲むことができない素晴らしいお茶をいただくことができる。こんな幸せなことはありません。
 はっきり言って、金額はけっして安くはないと感じられるかもしれません。経済発展で中国の物価は上がっているし、円は弱くなっている。でも、これは、おそらく、中国の普通の人にはできないことで。嗜好品にある程度お金の出せる日本人だからこそできることで。ブランドに走る中国のお金持ちには絶対にできないことで。
 矛盾する言い方ではあるけれど、お金で買えないものが、お金で解決するんだったら、出せるものは出したい!と個人的に思います。自分ができることはしたい。他の方に強制はしたくないけれど、理解してくださる方には、できる限りお知らせしたい。
 ですから、重ねてお願いです。志を理解して賛同してくださる方、どうか「心の隊員」になってください。
 「地上の宝」を一緒に守って楽しんでいきましょう。
 期限はあと3日、10月12日まで。もう製茶は始まっています。機会を逃すと、今年はおとんの鉄観音は飲めません。そうしたら、もう作れないかもしれない。永久に。
 どうかどうかどうか、よろしくお願い申し上げます。

 愛子さんのブログは→こちら
  (随時更新あり)
 「07秋鉄観音 心の隊員」については→こちら
 祥華のおとんのお茶については→こちら
 昨年秋の鉄観音については→こちら
 愛子さんの親サイトは→こちら
  (昔からのいろいろな記事があります)

 こちらのブログもぜひ!
  smashさん→こちらこちらこちら 
  KIMIKOさん→こちら
  猫さん、ご紹介ありがとうございました!

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コメント

いいことを書いてくださいました!
全く、わたしもそのとおりだと思います!
自分ではうまく表現できなかったのですけど、
きたきつねさんにわかりやすい日本語で書いていただいたおかげで、
もやもやしていたものがすーっと通った思いがします!
ありがとう♪

投稿: smash | 2007.10.09 23:36

こんばんは。
おっしゃる事、スゴくよく分かります。
確かに「買う」ではないんですよね。「分けてもらう」だと私も思います。
ですので、愛子さんのお茶を飲まれた事の無い方が心の隊員の事を紹介されていて、「お店」とおっしゃっている事に非常に違和感を感じてしまいました。

心の隊員は、愛子さんのお茶作りの姿勢に賛同して、例えお茶作りが万が一失敗したとしても共倒れになる覚悟で参加するものだと思っています。
私も秋の心の隊員、参加しましたよ〜。
心中する隊員ですね♪

投稿: | 2007.10.09 23:47

お返事が遅くなって、ごめんなさい。
smashさん、恵さん、ありがとうございます。
そうなんです、「お店」で「買う」のではない、
ということを言いたかったのでした。
中国茶は、珍しいもの、価値があるものを
お店で買うことが多いので、
そう思ってしまうのでしょうけれど。
「心の隊員」は心意気なんですよね。

投稿: きたきつね | 2007.10.11 22:31

 愛子さん祥華に旅立ちましたね。
これでおとんの秋茶が飲める第一段階が
達成されました、うれしいことです。
 私が愛子さんのお茶が凄いなと思うのは、
いつ、どこで、誰が、どのように作ったか、
この味になるのはこんな理由だと明確に
また楽しそうに話してくれるからです。 
こんなことが出来るお茶・人は今まで会ったことが
ありません。それにそれに愛子さんに会うと、
とても元気になりますね。
 そんな愛子さんのお茶を飲みたい、愛子さんと
お茶が飲みたい。が、私の「心の隊員」です。
 今回もたくさんの心が集まったのは、愛子さんと
愛子さんのお茶の魅力だと思いませんか。

投稿: 紅 三五郎 | 2007.10.17 14:35

紅 三五郎さん
ようこそいらっしゃいませ。
お名前はかねがね拝見しておりました。
実は、愛子さんには直接お会いしたことはないのです。
が、情熱、お人柄には深く打たれるものがあります。
直接お会いすると、それはそれは元気が出るでしょうね。
いつかお会いしたい…(そのうちかなうでしょう)
あれだけの「心」が短期間で集まったのは、本当に
愛子さんと愛子さんのお茶の魅力ゆえと思います。
あんな方、いませんもの。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: きたきつね | 2007.10.17 18:30

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