もうちょっと、香港話におつきあいをば。
香港に行くときは、キャセイ・パシフィックの札幌—香港の直行便を愛用している。行きは5時間弱、帰りは4時間弱で、映画が2本ぐらい見られる。キャセイはパーソナルテレビがついているので、搭乗すると機内誌で映画をチェックするのがきまり。
今回は、行きが「ナイトミュージアム」「世界最速のインディアン」「ボビー」「マリー・アントワネット」など、帰りが「BB計画」「バベル」「ドリームガールズ」「カジノ・ロワイヤル」など(ほかにもある)で、いったいどれを見ろというのか、しかも香港映画でめぼしいのが少ないではないか、という状態。
とりあえず、行きは「ナイトミュージアム」「世界最速のインディアン」を見る。
「ナイト ミュージアム」
子供向けなのだろうと思いつつ、予告編をテレビで見ていたので、見たかったの。博物館好きだし。
ベン・スティラー演じる主人公が、自然史博物館の夜警になるという話である。しかし、この博物館、夜になると展示物が一斉に活性化するというとんでもない場所だったのであった。一晩目は肝をつぶした主人公だが、ほどなく順応、そこである事件が起こる…。
なんといっても見所は、夜中に活性化する展示物のみなさんである。ライターに驚喜する原始人、ローマ兵士と友情を結ぶ小さいカウボーイ、後半のキーパーソンとなる「ケンブリッジで英語を覚えた(展示されていたから)」エジプトの王様などなど。この王様、なぜかフン族の言葉ができるので、アッティラ大王の通訳をしたりする。ロビン・ウィリアムスがセオドア・ルーズベルト(の蝋人形)役でおいしいところを演じている。自分が蝋人形であると自覚しているところがミソだな。そして、もっとも萌え萌えなのはティラノザウルスちゃん。爬虫類(しかも骨)なのに。ポチとか呼んでやりたい。
数少ない人間の登場人物もいい味を出していて、先輩警備員にミッキー・ルーニーがいて驚いた。
他愛ない話ではあるのだが、けっこう好き。劇場でもう一回見たいかも。博物館、行きたいな。
「世界最速のインディアン 」
「インディアン」とは主人公自作のオートバイの名前。ニュージーランドでこつこつオートバイを作っていた主人公がアメリカへ出かけ、世界最速記録を達成するという実話である。
主人公を演じているのはアンソニー・ホプキンスなのだが、しばらくレクター博士と同一人物だということを忘れていた。ある意味、他人に有無を言わせないところは似ているんだけどね。とってもチャーミングな人で、行く先々で大変な目に遭いつつも必ず助けが現れるのは、その人柄ゆえであろうと思う。たぶん65歳ぐらいなのだけれど、もてまくりなのも頷ける。
見どころは、その人柄と出てくる人々との出会い、にこにこしながら好きなことをやっていくところかなあ。ホテルのフロントのお姉ちゃんと、荒野の真ん中に住んでいる人にお世話になるエピソードが好き。
帰りは何をおいても「BB計画」と思っていたのだが、なぜかプログラムと実際の番組が全然ちがうの。で、「BB計画」の替わりにやっていたのが、
「夜宴(邦題は「 女帝[エンペラー] 」か)」
中国の古代王朝(たぶん)のお話。皇帝が亡くなり、その弟が皇帝となる。彼は兄の妻を娶るのだが、皇后は先の皇帝の息子と愛し合っていたのだった。しかし、その皇太子は歌ってばかりのうつけ者とされている。皇太子の幼なじみである忠臣の娘もまた彼を愛していたのだった…。
皇帝の妻をチャン・ツイイーが、皇太子を呉彦祖が、幼なじみを周迅が演じている。
なんというか、ハムレットと「黄金甲」を足して2で割ったよう。中国の宮廷を舞台にした人間関係のごたごたが主題。結局はツイイーちゃんが諸悪の根元という話なのかなあ(まあ似合いの役柄ではある)。ダニエルと周迅はよくやっているとは思うのだが、ストーリー的にはあまりぴんとこなかった。美術と衣装は「黄金甲」より遙かによくできているので、大きいスクリーンでみると綺麗なのだろうという気はするのだけれども。
最近のコメント