追悼アーサー・C・クラーク
最近は比較的ゆとりがあるはずなのだが、気がつくと、結構いっぱいいっぱい。ブログも、ネタはたくさんあるのに、どんどん取りこぼしている感じ。香港話もまだあるのに。
といいつつ、古くなるとまずいものから優先的に。
いささか旧聞に属するのだが、3月18日にアーサー・C・クラークが亡くなったのだった。
それほど熱心な読者ではなかったのだが、むかしはSF者であったので(今も思想的な背骨はSFであると思っている)、ずっしりくるものがあった。90歳か…。
心情的には、スターチャイルドになったと思いたい。
スリランカに行ったときは、「アーサー・C・クラークはどこに住んでいるのだろう」と思った。コロンボに住んでいて、ゴールに研究所か何かをもっていたらしい。もちろん会えなかったけどね。
追悼に「2010」を観た。
ロイ・シャイダーの追悼も兼ねている。くりかえすが、断じてこれはB級映画ではない。
そして、個人的「泣ける映画」ベスト3に入る。
どこで泣けるかというと、木星に異常が発生し退去するためにディスカバリーをブースターに使いHALがその制御をしなければならないのだが、HALが納得しないところ。みんながHALを疑ってかかっているところで、「なぜ木星に観測すべき事象があるのに発進するのか。自分はどうなるのか」をチャンドラ博士に尋ね、「危険が迫っており退去しなければならない。おそらく君は破壊される」と博士が答えると、平静に「わかりました」と答える。「私は残る」という博士に「いいえ、博士は行ってください」と答え、冷静にカウントダウンをして「点火」というのね。あの声で。何度見ても泣いてしまう。健気さに弱いのだ。私は。
ボーマンが現れるところも好きなのだが、
一番好きなシーンは、
このシーンのちょっと前、
木星の黒点を望遠鏡で見たら、実はこの黒点はモノリスが増殖してぎっしりになっているものであることが判明する場面。視界一面に乱舞するモノリスが何とも言えない。
モノリスほど「何を考えているかわからない」ものはないのだが、妙に楽しそうで。
「2001」で、老いたボーマンのベッドの足下に「お見舞い」にきたり、「2010」では、緑が生い茂るエウロパにもっそり立っていたり。HALが健気なら、モノリスは変で可愛いやつだ。
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