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「色・戒」を読む

 東京に出張中のため、香港話は一時中断。
 東京の最高気温は18度、しかし天候は雨。ざあざあ降る雨は今年初めての体験(週末は札幌も雨らしいけど)。冬の香港と同じぐらいの感じだけれど、空港は暖房が入っていたようで暑く、しかし、街中や室内はむしろ寒く、何を着ていいかわかりませんという気候。街をゆく人々の服装もダウンありジャケットあり、いろいろ。

 移動中に「色・戒(ラスト・コーション)」の原作を読んだ。
 アイリーン・チャンの短編の邦訳。
 佳芝ちゃんと易先生が指輪を買いに行く前の奥様マージャンのシーンから始まる。基本的に佳芝ちゃんの視点だが、最後がいきなり易先生の視点になるところが、映画と違う。
 先に映画を観たせいもあるのだが、どうしても頭の中での人物は、トニーさんであり湯唯ちゃんでありリーホンである。が、登場人物に対する印象は、映画と原作ではずいぶん違う。特にトニーさん。
 映画ではトニーさんの独白はなく、その心情は言動から推し量るしかない。しかし、原作ではとても明らか。
 どちらかといえば、映画のほうが好きだ。
 映画だと、もしかして、易先生は佳芝ちゃんの正体に当たりがついていたのかも(特務機関だし)、とか、最後は苦渋の選択だったのでは(そういう演出だったと思う)など、いろいろ慮る余地があるのだが、原作ではその余地がなく、易先生の人格にも深みがないような気がする。
 アン・リーは、たぶん、易先生のキャラクターの解釈が原作と異なっている。そして、そちらのほうが深みがあるし、トニーさんを起用した甲斐があると思う。
 それにしても、原作でも易先生は小柄で(ハイヒールを履くと佳芝ちゃんが頭半分背が高い)、そして、「ねずみ顔」なのね。「ねずみ顔」は出世の相なのね。
 なんだか、頭の中のトニーさんの写真に耳とひげと尻尾を描いてしまいそうである。
 帰ったら、買ってきたVCDを観ようかな。

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