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訃報相次ぐ

 今日はお腹を壊してしまい、外出できず。
 おまけに、訃報が相次ぎ、がっくりである。6月6日に氷室冴子さんと野田昌宏さんが亡くなったのだった。

 氷室冴子さんは、あまりたくさんは読んでいなかったのだが、なんたって『クララ白書』と『アグネス白書』の人だ。
 実は、舞台になった寮に私は6年暮らしたのである。もちろん、小説みたいにドラマチックでも可愛らしくもなかったけどね。中学生は6時起床、6時半お掃除、7時朝ご飯、門限17時、消灯21時45分。8畳に中学3年生1人+2年生1人+1年生2人(本人に選択権なし)というのが基本。ハードといえばハードだが、当時からの友達は姉妹のようになった。『クララ白書』の後書きに、「自分は寮ではなかったのだが、たまに遊びに行くと、中高生が『いらっしゃいませ』などと挨拶してくれた」ということが書いてあって、そういえば言ってたよ「いらっしゃいませ」、と思い出す。
 51歳、肺ガンとのこと。早いよなあ。

 野田昌宏さんは、「宇宙大元帥」であった。「キャプテン・フューチャー」シリーズなど、たくさんのスペース・オペラの翻訳をし、海外SFの紹介をし、小説を書き、NASAのレポートをした方だ。
 どれも、頭の柔らかいころに沢山読んだ。海外SFの紹介も小説もNASAのレポートも大好きだった。
 本業は、日本テレワークの取締役でらしたのだが、このテレワークを舞台にした小説のシリーズがあって、『あけましておめでとう計画』として本にまとまっているのだが、このシリーズが好きでねえ、「ランドサット、愛をこめて」とか。ガチャピン(生みの親は野田さんらしい)の中に宇宙人が入ったりしてね。『スター・ウォーズ』の翻訳もしてらして、未だに自分の頭の中では、どうしても、オビ・ワン・ケノービのR2D2へかける言葉は「出ておいで、ちびさんや」だし、ハン・ソロのルークへの呼びかけは「小僧」なのだが、これは野田さんの翻訳なのであった。
 追悼に、「スター・ウォーズ」のDVD(当然エピソード4の劇場初公開版)をかけているのだが、野田さんを知ったのは、初公開のもっともっと前であったと思うと、年月の速さが心に沁みる。74歳、心不全とのこと。先日は、今日泊亜蘭翁も亡くなったしなあ。SF界の星がどんどん墜ちていく。

20080607nasajunemoon_claro
 NASAのイメージ・ギャラリーより「本日の1枚」。
 
 お二人のご冥福を心から祈る。

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コメント

お二人の訃報にがっくりですよねえ。
野田さんのNASAレポート、なつかしい。
そして氷室冴子さんなんてまだ若いのに。
私もたくさんは読んでいませんが、そう、何と言っても『クララ白書』と『アグネス白書』の人ですよ!

当時は同級生と「こういう寮に住みたい!」「なぜうちの学校には寮がないのか(→それは都内の普通の公立だからである)」と言っていたものですが、なんとそんな寮に実際に暮らしていた方がここに!とそれもまた驚きました。

「いらっしゃいませ」って言うんですね。

投稿: rivarisaia | 2008.06.07 22:40

自分でも意外なほど、がっくりでした。
野田さんの本は処分していないので、
NASAレポートやら『あけましておめでとう計画』やら『銀河乞食軍団』などで追悼したことです。
寮生活ですが、
現実は小説ほどドラマチックではないので、
憧れるほどのものではありません。
まあ、得難い経験ではありました。
消灯後に廊下でシスターに遭うと怖いんですよ…。

投稿: きたきつね | 2008.06.08 14:11

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