『狸の夫婦』
不見転(「みずてん」がこういう漢字だということを今日知った。花札用語なのね)で本を買うことは、あまりなくなったのだが、南伸坊さんの本は今でも速攻で買う。
南さんの肩書きは何なんだろう…と思って本の後ろを見ると、「イラストレーター」「装丁家」「エッセイスト」などと書いてある。
装丁については、
『装丁』という本も出してらっしゃる。
どれも品のよい装丁である。
『李白の月』のような中国の志怪もののマンガもいいし、エッセイも大好き。肩の力が抜けていて、見方が面白くて、品がよい。凄い人だ。
顔まねもすごくて、何冊か本を出していらっしゃるのだが、特に好きなのは『歴史上の本人』。歴史上の人物の格好をして、ゆかりの場所に行き、写真を撮って本人になりきって文章を書くというもの。写真撮影は奥様の文子さんなのだが、最初は一緒にいるのを恥ずかしがっていたのに、最後には、織田信長になって城の天守閣に登った夫君に「アッパレー!アッパレー!」というリクエストを出す(当然夫君は天守閣から顔を出して「アッパレ!」となさったわけです)というエピソードがとても好きだ。
で、エッセイの中に、『対岸の家事』『笑う茶碗』など「夫婦もの」とでもいうべきジャンルがあるのだが、このたび新刊『狸の夫婦』が出たので、これまた不見転で買ったのだった。
あいかわらず、あったかくて、のんびりしていて、おかしくて、よい。憧れのご夫婦である。
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