『バルバラ異界』
連休中日。
そろそろ仕事などもしなければならないのだが、外はお天気なのだが、予定していたDVDと本の蟻塚征伐がなかなか終わらず。途中で読んでしまったりして、作業進まず。
全4巻、まとめて買ってあって、ちゃんと読んでいなかった『バルバラ異界』。萩尾望都先生の最新長編にして日本SF大賞受賞作である。
萩尾先生は、言わずとしれた「24年組」の最右翼。『ポーの一族』が20代前半で書かれたことを考えると目がくらみそうだが、いまだに新作を書き続けチャレンジを続けている。凄い。
やっと手をつけたら、何度も何度も繰り返して読むことになってしまった。気に入った本は何度も繰り返して読む癖があるんである。
夢に潜る仕事をしている渡会時夫が主人公(だと思う)。両親の心臓を食べてこんこんと眠り続ける少女アオバの夢の中にあるバルバラという場所。そのバルバラはなぜか時夫の息子キリヤが考えた島にあり、話がどんどんシンクロしていくのだが、読み終わったときの感想は、
「これ、『銀の三角』だ」というものだった。
『銀の三角』は「SFマガジン」に連載されていた長編で、時間物の大傑作だと思う(絶版らしいのだけれど)。連載中に全部読み、早川書房から出た単行本を買い、全集を買い、文庫を買った。まあ、この本に限らず、萩尾先生の本は相当持っているのだけれども。
アオバちゃんは、未来のラグトーリンなのかなあ。
火星、入れ替わる主人公、夢、何度も作られる未来、再生、親子の関係などなど、萩尾先生の作品によく登場するモチーフが出てくるのだが、過去の焼き直しではなく、新しいチャレンジが必ず入ってくるところが、上にも書いたけど凄いと思う。「親子関係を親の視点から」とか「老い」について書くようになったのはわりと最近だよなあ。
『銀の三角』だけではなく、『スター・レッド』『半神』『マージナル』など名作の数々も読み返したくなる。実は『残酷な神が支配する』をまだ読んでいないのだが(本はある)、読み始めるとえらいことになりそうで(17巻あるのよ)、まだ手を出していない。
それなのに、その後、ふと「攻殻機動隊Stand Alone Comprex」に手を出してネットで続けて見てしまい、蟻塚はまだ解消されていないのだった。
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