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「毎當變幻時」

 「街もの」香港映画が見たくなってかけた。
 「街市もの」映画である。「街市を舞台に香港返還後の10年を描いた映画」と知って、香港で購入。街市は香港を体現するものの一つだよねえ。

20090823hongkong

 これは、中国冰室近くの広東道の街市。

 買ってから知ったのだが、ジョニー・トー先生プロデュース、監督は羅永昌(「文雀の女装の人」とつい思ってしまうが)という、堂々の銀河映像作品だった。いつもの白髪の人も、林家棟もホイ・シウホンも出てくる。
 「富貴墟」という建物になっている街市が主な舞台。親子で魚を商うミリアム・ヨンとライバル店(たぶん)のイーソン・チャンが主人公。1997年から10年間を街市の変化を通して描く…という話だと思う。
 「思う」と書いたのは、途中で街市の営業ができなくなってしまうから。スーパーマーケットとの競争があったり、いろいろな苦難を街市の人々が一丸となって街市を守ろうとするのだけれど、結局、営業はできなくなってしまう。建物は2006年まで残るのだけれど。
 ミリアム・ヨンとイーソン・チャンが街市を離れるまでが長く、そのあとの6年間は駆け足で、あれよあれよといろいろなことが起こるので(「ええ〜」ということもあり)、ややバランスを欠いた感じ。
 ジョニー・トー&羅永昌というと、つい警察ものを連想してしまうのだけれど、こちらはどちらかというと、恋愛ものテイスト(そういえば、トー先生にはそういう路線もあった)。でも、恋愛ものとも言い切れず、最近の「文雀」や「アイ・イン・ザ・スカイ」や「機動系列」シリーズのような「香港の香港らしい部分を映像に残す」色合いが強かったように思う。結果的に世間の期待からちょっと外れたか。
 あまり評判を聞かなかったのは(聞きそびれたのかもしれないけれど)、そういう理由かもしれない。
 でも、街市は、香港の最も香港らしいところの一つで、あまり映画が撮られなかったのが嘘のようで。前半の街市の日々のシーンやミリアムのアパートは、香港の市井の生活を覗いているようで、とても楽しかった。街市がなくなる…というのは、最近の香港の風潮(嘉咸街!)を考えると、とても平静には見られない。街市は地域住民の心のよりどころだよねえ。街市を離れた後半の展開も、別の意味で香港人の歴史なんだろう。ミリアムとイーソンのそれぞれの幸せを祈るばかりである。
 実は、今まで、イーソン・チャンって、アレックス・マンに似ていると思っていたせいか、あまり好き好きという感じではなかったのだが、これを見て、いいと思った。遅くてごめんよ。ホイ・シウホンはやっぱり警察だね。出てくると反射的に心配になるけど、今回はこれでいいんだよね。
 トー先生たちには、できるかぎり、香港「街もの」映画を撮り続けてほしい。そして、「街もの」映画をとり続けることができる香港であり続けてほしいと思ったのだった。

 予告編。
 ロケをしたのは、大角咀のあたりかなあ。

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コメント

私はEasonの歌も演技も大好きです!
このときのヘアスタイルはいかがかと思いますが…。
楊千華も個人的に演技が好きなので、楽しめた映画でした。

映画をみながら街も楽しむって、いいですよね~。
私も数少ない大連撮影映画を楽しんでいるところです。

投稿: Changdai | 2009.08.24 20:37

イーソン、いいですよねー、と言えるようになりました。新作のCD(髪型がすごいやつ)、買ってくればよかったです。
大連撮影映画もあるのですね。好きな街が映っている映画は幸せです。その点、香港映画好きは恵まれていると思います。

投稿: きたきつね | 2009.08.24 20:52

おかげんいかがですか?あのカレーなら、きっと効果があったのでは。

さて、私も実はイーソンは上手だと思うけどちょっと引いてしまうんです。『神経侠侶』とかよかったけれど。ちなみにアレックス・マンはわりと好きです。
この映画がそういう内容とは知りませんでした。てっきり単なるラブコメかと。
そういうことなら見てみたい。
ところで、商場と街市はどう違うのでしょうか。食べ物素材や日常雑貨を売っていて簡易外食屋があるのが街市で、商店の扱い内容が広いのが商場?でしょうか?
大角咀も一度行ってみたいところです。

投稿: ゆずきり | 2009.08.25 22:48

カレーは効果がありました。決め手は胡椒です。
イーソンは、そう思ってみるといいです。歌も上手いし。ちょっと癖があるのでしょうか。
DVD、例のブツ(遅くなって申し訳ありません)と一緒にお送りしましょうか。
商場と街市ですが、考えてみると、「街市」は屋外屋内問わずに使っていました。イメージとしては、生鮮食品を扱っていて毎日行くのが街市、ビルの中なんかにあるお店の集まりが商場という気がします。旺角あたりにたくさんあるような。重慶マンションには「商場」という看板が出ていたかも。

投稿: きたきつね | 2009.08.25 23:14

お返事おそくなりました。
街市と商場の違い、前者は食べ物関係が中心で、より日常生活に密着しているイメージですね。そして街市の建物は、高くても2・3階程度ですね。でも、中心街尖沙咀のビルの商場でも、星座冰室みたいな店があるのが、香港魂を感じます。
そういえば、香港は、街市とスーパーはどちらが多いんだろう?などという疑問もわいてきました。
とにかく、商業の街ですね、香港は。
(それが重建にもつながって、よしあしなんですけど)

例のブツ、ゆっくりで大丈夫ですよ。
そして、毎當變幻時、見てみたいです!
いそぎませんのでよろしくお願いします。

投稿: ゆずきり | 2009.08.29 15:34

街市の建物は単体でなければならないという気がするので(最上階には熟食中心でしょう、やっぱり)、どうしても低層の建物になっちゃいますね。油麻地や西営盤は新築しているので、新築でも低層かも(だったら、なぜ旧湾仔街市を直して使わないのか。構造的に無理だったのか…)。
星座冰室のあるビルは確かに1階は商場ですが、あの地下は商場といってもいいのでしょうか。そういえば、重慶マンションも商場でした。街市とスーパーだと、スーパーの方が多いかもしれませんね。街市は町内に一つという感じですし。そういえば、BPの近所に恵康が増えてました。
例のブツ、9月中には必ずや。一緒にお送りします。

投稿: きたきつね | 2009.08.30 00:00

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