「宇宙へ。」
明日までなので急いで見に行った。
原題は「Rocketmen」。NASAの有人宇宙飛行史である。BBCのテレビシリーズをまとめたものらしい。こちらのカテゴリに何度か書いたように、NASAものにはきわめて弱いんである。NASAの記録映像満載。
「HACHI」よりずっと泣ける。
紹介されるのは、マーキュリー計画、ジェミニ計画、アポロ計画、スペースシャトル。
冒頭、ディスカバリーのリフトオフで背筋が伸び、目頭が熱くなり、ついで、マーキュリーセブンの本物が出てきたところで居住まいを正す。リアル「ライトスタッフ」である。エド・ハリスって、ジョン・グレンに似てたんだなあ。船外カメラの映像で既に泣く。マーキュリーセブンの見た地球だあ。「宇宙ホタル」、見たかったな。グリソムの件の公式見解はカプセルの浸水だったのか。グリソムってジェミニ計画の1番機に乗ったのか。「初めて人類は」って言っているけど、そのまえにスプートニク・ショックがあったんだよね(頭の中ではジェフ・ゴールドブラムが「ガガーリンです!」と言っていた)。
グリソム、ホワイト(最初に宇宙遊泳をした人)、チャフィが火災で亡くなったアポロ1号については、かなり丁寧に詳しく取り上げていて、事故直前までのにこやかな情景で号泣。アポロ8号、アポロ11号、アポロ12号、最後のアポロ17号は出てきたのだが、13号はスルー。でも、実験を重ねて月着陸まで持っていくところとか(ランデブーとドッキングって違うんだなあ)、月面車から撮った映像とか、打ち上げシーンとか、その他のミッションの記録映像とか、なにせ全部本物なので見入ってしまう。月面の中継映像ではない鮮明な映像ってもっとないのかな。
昔CGを扱ったテレビ番組で「アポロ13」を紹介していて、宇宙飛行士が「あんな映像あったんだ」と言ったエピソードが紹介されていたのだが、アポロ8号の打ち上げ映像の方がすごいぞ。よくカメラがもったもんだ。アポロ11号の管制室にジーン・クランツ(「アポロ13」におけるエド・ハリス)がいたような気がするんだけど、気のせいだろうか。
スペースシャトルは、実験機エンタープライズ(宇宙へ行く船にこの名前を使ってほしかった)が出てきて、コロンビアの初打ち上げが出てきて(その後のことを考えると泣ける)、ミッションが紹介されて、チャレンジャーが出てきて、最後はコロンビア。
チャレンジャーは、ニュースで見たけど、大画面で、搭乗前の乗組員も出てくるし、やっぱり号泣。爆発の瞬間の管制室の呆然とした表情が何ともいえなかった。その後のレーガンの演説みたいなの、日本の政治家には無理だろうなあ。コロンビアもねえ…、空中分解直前のキャビンの映像が出てきて驚く。まだ異常に気づく前。通信が途絶えて、管制室で警報がいろいろ検出されて、結局通信が回復せず、空中分解の映像が出るところで、やっぱり泣く。
それにしても、コロンビア、23年も使ったわけでしょ、ディスカバリーだって20年ぐらい飛んでいるわけでしょう。いくらなんでも、耐久年数というものがあるのではないかと思う。新しく作りなさい!と言いたい気持ちでいっぱいである。
ミッションとしてはハッブルが出てきて、とても嬉しかった。写真、もっと見たかったな。それだけで映画1本でもいいな。できれば、ハッブル・ディープ・フィールド(もっとも遠い深宇宙の写真)をスクリーンで見たかったな。
これは、NASAギャラリーの本日の1枚。
修理なったハッブル宇宙望遠鏡の最新画像である。
一時は廃棄と言われていたのだが、よかったよかった。
こちらは映画の予告編。
公開はナレーションを日本語に吹き替えた版のみ。
ナレーションは思ったほど悪くなく(京極堂シリーズの木場は許し難いが)、吹き替えはナレーションのみでインタビューなどはすべて原語だったし、字幕を読まなくていいぶん画面が見られてよかったといえばよかったのだが(クレジットには英語ナレーションの人がいたので、そっちのほうがいいけど)、最後に日本語の歌がかかるのは、やっぱり耐えられない。最後まで見る主義ではあるのだが、本来のエンディングであろうインストゥルメンタルが終わったところで中途退場。
動画のコメントを見ると、その歌手のファンが行くという効果はあるのかもしれないが、映画そのものが好きな客はどうでもいいのか!と、毎度のことながら思う。最後が日本語の歌になっていると見たくないこともあるもんなあ。宣伝部は映画そのものを好きな客を粗末にしすぎなのではないか。
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