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「少林子弟(新・嵐を呼ぶドラゴン)」

 まだ続いている繁忙期。
 やめられない止まらない張徹映画。
 次はこれだ。
 (【追記】写真が間違っていたので差し替えました)

20091031cinema_2

 「続・少林寺列伝」「洪家拳対詠春拳」は、少林寺焼き討ち後の、それほど有名ではない少林寺の弟子に焦点を当てていると思うのだが、これは、実在した超有名な少林子弟である方世玉・胡惠乾・洪熙官が主人公。方世玉をフー・シェン君が、胡惠乾をチー・クアンチュンが、洪熙官をチェン・カンタイが演じている。
 張徹監督、力入っています。
 88分の映画が、「方世玉編」「胡惠乾編」「洪熙官編」「少林子弟編」に分かれ、それぞれ、冒頭に主演と配役がばーん!と出る。最初の1時間弱が「方世玉編」「胡惠乾編」「洪熙官編」で、戦いに至るまでのそれぞれの事情が描かれるのだった。少林寺映画につきものの修行シーンがあまりなく、戦いの連続なのだが、パートを分けているせいか、一気に見てしまう。ああっ、おもしろいッ。
 もうね、冒頭から出てくるフー・シェン君がチャーミングでね、前に見た映画ほど末っ子っぽくはなく、しかし明るいキャラクター。デヴィッド・チャンとは違った意味でびかぴかである。28歳で交通事故死しちゃったんだよなあ、神様に連れて行かれちゃったのかなあ。
 チー・クアンチュン演じる胡惠乾は一生懸命親の敵を討ち、洪熙官は満を持して登場する感じ。チェン・カンタイは、いかにも頼れる兄貴という感じである。最後の「少林子弟編」は、胡惠乾のシークエンスを白黒にしたり、やられるシーンは画面が真っ赤になったり、張徹監督はいろいろやってみているんだなあと思う。それにしても「腹をやられる」「急所をやられる」というのが好きなんですか?監督?もう驚かなくなったけど(いいのか?)。
 続けて見ていると、登場人物が見たことある人ばっかりで、いいものと悪者が微妙に入れ替わっていたりして、デジャブ感もあり新鮮な感じもあり。師父、今度は悪役ですか、とか。いっつも悪役の人もいるけどね(江島…)。こちらに少し書いたのだが、考えてみれば、これは香港映画の醍醐味のひとつだった。
 あと、張徹映画って音楽が独特だと思う。これは、ちょっとホルストの惑星っぽいところがあったし(火星ね)、「洪家拳対詠春拳」では、何でそんなところで(チー・クアンチュンが箸を使うとか)盛り上げるかなあという使い方だったし。ジャズっぽいこともあるよね。

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コメント

このあたりの張徹映画は、俳優もほとんど重複してるし、原題と邦題と中身を間違えそうで、思わず自分の感想を見直してしまいました。ついでにトラックバックさせてください。
フーシェンの明るさはほんとにそれだけで宝ですね。白い扇をひらひらさせてても似合っちゃうし。彼の弟及びきたきつねさんごヒイキの劉家輝も出ている「カンフートレジャー」はごらんになりましたか?
この作品、3人の見せ場の按配がうまいですね。陳観泰も、よくお下げを首に巻いてますね。確かに邪魔かもしれないけど、さぞ暑かったろうと思います。彼は独特の動き(舞うような?)をすると思うのですが、その動きの魅力と彼自身のキャラクターが生かされてて(それは、一番ぴったりなのは「馬永貞」だけど)彼の良さを味わえる作品だと思います。

投稿: ゆずきり | 2009.10.30 01:28

コメント、トラバ、ありがとうございました!
考えてみれば、同じ年に作られた張徹攻夫映画をたてつづけに見てしまったのでした。原題と邦題と中身、それはそれは混じります。
フーシェンくん、弟がいたのですが!「カンフートレジャー」まだ見ていないんですよ。それは見なければ!
陳観泰も動きがきれいですよね。最初に見たのが「馬永貞」だったので印象が強烈なのですが、いい奴だと思います。この映画、扱いとしては主役はフーシェンくんだと思うのですが、最終的には陳観泰ということになるんでしょうか。

投稿: きたきつね | 2009.10.31 10:47

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» 新・嵐を呼ぶドラゴン [ときどき映画館日記]
監督 張徹 脚本 張徹&倪匡 動作 劉家良&唐佳 出演 陳観泰(チェン・クアンタイ) 傅聲(アレグザンダー・フー・シェン) 戚冠軍(チー・クアンチュン) 唐炎燦 伍雪燕 1974年香港ショウブラザーズ なかなか充実した内容でおもしろかった。 この年に公開になった少林..... [続きを読む]

受信: 2009.10.30 01:31

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