道民食
北海道で生まれ育ったので、ジンギスカンはあって当たり前である。子供の頃は家の裏で(脂が飛ぶので外でするのがベター)、炊事遠足(材料を持って行き現地で炊事をする遠足。北海道独特の学校行事)で、花見で、何度食べたかわからない。
羊の肉とジンギスカンのたれはお店で売られていて当然で、「東京では滅多に売っていない」というのが信じられなかったのだが、東京出張のときにスーパーマーケットに入り、なるほど売っていないのね、と思った。その昔。『ブルータス』で「日本のソウルフード」という特集があったときにも、北海道のソウルフードはジンギスカンだったっけ。
ところで、ジンギスカンのたれにはベルとソラチの二大ブランドがある。長年、ジンギスカンはあって当たり前だったので、ソウルフードなどと思ったこともなかったのだが、それを実感したのは「ジンギスカンのたれはベルかソラチか」と尋ねられたときだった。これまでの人生において、そんなことは一瞬たりとも考えたことがなかったのだが、間髪をいれず「ベル!」と答えていたのである。ジンギスカンのたれはベルに決まっているじゃないの。ねえ。
今は、外で鍋を囲むのは年に1、2度になってしまったのだが、月に1度ぐらいは炒めて食べる。ジンギスカンには、たれに漬けておいて焼く派(松尾ジンギスカンなどブランド指定いろいろあり)、生ラムを焼いて後でたれに漬ける派、野菜を先に焼き肉を乗せて焼く派焼かない派などいろいろあるが、うちは生ラム派。
先に肉をさっと焼いて取り出しておき、野菜を炒めて火が通ったら肉を戻し、たれをかける。
写真は、シンプルにピーマンと茄子にしてみました。どちらも夏風味。冬はもやしと茸かなあ。ピーマンは入れるな。ディフォルトは、もやし・たまねぎ・ピーマンだと思う。
料理を作る気力があまりないけど、しかし、力をつけたい!というときに、とりあえず、大抵のスーパーに売っているラム肉と野菜を買ってきて、炒めて、味を付けて(たれは常備してある)ご飯に乗っけるのは定番である。
当然、たれはベル。りんご酢を入れると尚うまし。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
炊事遠足って素敵な行事ですね!
お弁当=食事は遠足の楽しみだけど、それが堂々の主要目的っていうのがすばらしい。自然がすぐそこにある(というイメージなのですが)北海道ならではですね。
子どもにとっても、楽しみながらいい経験ができてとても良いと思います。
投稿: ゆずきり | 2009.12.01 00:18
炊事遠足!なんて懐かしい響き~。
最近は「なんじゃいそれ?」でチュー坊に言っても通じやしません…
近年は現地学習とか体験学習って言うらしいです。しかもメニューはカレーが多し。
豚汁もトン汁って言い方が多い気がします。道産子色は年々薄れつつあるのかしら?
ジンギスカン→ベルでしょう。ソラチは豚丼、焼き肉のたれのイメージです自分。
投稿: 好杰 | 2009.12.01 12:25
コメントありがとうございます。
炊事遠足って、やっぱり北海道のものだったのか、最近は炊事遠足って言わないのか、など、感慨深いです。炊事遠足が全国共通の行事と思っている道産子は多いと思うのですが。
ゆずきりさん
やはり、炊事遠足は自然がそこにあるからなのだろうか、と考えてしまいました。故郷は海岸地方だったので、浜までリヤカーを引いたものですが、札幌は豊平川という大きな川の上流が多いようです。
好杰さん
えっ、最近は炊事遠足って言わないんですか…。「炊事」が何かのコードに引っかかるのかしら。まさか。
メニューは、小学校のときはジンギスカン一択でしたが、中学・高校では、ジンギスカンでは芸がないと、カレーや豚汁が増えたような記憶があります。
「豚汁」は「ぶたじる」、ジンギスカンのたれはベルですよね!
投稿: きたきつね | 2009.12.01 21:37