ポンペイ展
先ほど東京から帰宅。眠い。
なぜ遅く帰ってきたかというと、ここに行ったから。
横浜美術館に「ポンペイ展」を見にいったのだった。
実は、少し前に、こんな本を入手、
これがとても面白くて熟読していたのである。
「テルマエ・ロマエ」とか「Rome」の世界なんですもの。ルシウス技師やルキウス隊長はこんな生活をしていたのか。
見た瞬間、脳裏に流れる「Rome」のオープニング。ポンペイの発掘成果って、かなり使われているんじゃないだろうか。「ポンペイ展」を見ている間中、頭の中に「Rome」のテーマ曲が流れていた。
展示は、まず概要的な説明があり、石膏で型取りした遺体がひとつ(奴隷だったらしい。かわいそうに)。その後、彫像や、宗教、壁画、生活など、ナポリ国立考古学博物館かららしき展示物が続々と。
今回実物を見てみると、たしかに壁画は当時の生活をほうふつとさせるのだけれども、これがヴェスビオス火山の噴火で埋まったんだなあ…などと考えてしまい、むしろ生活調度が興味深かった。おお、ストリジル(「テルマエ・ロマエ」に出てきた垢こすり)!とか。アスリート用の「ストリジル・香油壺・ひしゃく三点セット」もあった。
圧巻だったのは、個人宅の浴室(高温浴室)の一部再現で、まず水をくんでタンクにいれ、それを金属パイプにボイラーで送り、水と混ぜてパイプで大理石の浴槽に送り、浴槽には追い炊き用の炉がついていて、さらに床下暖房用の穴が開いている。お客さん(日曜なのでけっこう混んでいた)からは「すげえ…」の声が多数。こちらの動画の3分すぎに見られます(Youtubeに上げてくれればよかったのに)。「テルマエ・ロマエ」のマルクスのお師匠さんのお風呂を思い出した。
あとは、解放奴隷がご主人のために作ったらしい胸像にそんなものがついているのか、とか。「テルマエ・ロマエ」連載第1回がアレだったのは納得である。子供がたくさんいたけど、誰も騒いでなかったな。別の展示で、カップルの男子が「膝までなんてありえねー」とは言っていたけど。
しかし、何と言っても一番は、「ヤマネの飼育壺」。
ヤマネはローマ時代ごちそうだったらしいのだが(詳しくはrevarisaiaさんのこちらなどを)、直径・高さとも30センチぐらいの素焼きの壺で飼育していたらしいのですね。壺には10センチおきぐらいに空気穴があいていて、内側の壁に運動用の幅5センチぐらいの棚が何段かあり、一番上にえさ入れが2つついてました。この中でヤマネがきゅうきゅう言っていたのか、とか、何匹ぐらい入っていたんだろう、とか、台所に置いておいたんだろうか、とか、膨らむ想像力。
生活中心の展示がもっと見たいなあ。
【追記】
「ヤマネの飼育壺」についてはこちらにも書きました。
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コメント
何ですとー!「ヤマネの飼育壺」が展示されているですとー!?
「ポンペイ展か…どうしよーかなー」などと思ってましたが、是非行かねばならない気分になってきました。行きたくなるポイントが「ヤマネの飼育壺」というのも、どうかしてるよ自分、という感じですが、「飼育壺」は図版しかみたことないので見てみたい。
何匹くらい入るものなんでしょうね。そして個人宅にもあったのだろうか...。謎ですね。
投稿: 春巻 | 2010.03.29 01:20
「ヤマネの飼育壺」、運動用の棚が3段ぐらいになっていて、10匹ぐらいは入りそうでした。雰囲気的に、業務用に養殖していたのではなく、個人宅にあったような感じ。アンデスでモルモットを飼っているようなものだったのかも。
いやしかし、壁画みたいな大物より、こういう「実物を見なければわからない」生活の細部がわかるもののほうが、展示としては面白いと思います。
投稿: きたきつね | 2010.03.29 10:11