「そして、私たちは愛に帰る」
wowowを録画しておいたのを見た。最近、このパターンばっかりだな。
見たいと思っていたトルコ映画。たしかドイツと合作だったと思う。ドイツに移民したトルコ人とドイツ人の親子の物語である。父子が1組と母子が2組。
主人公のひとりであるネジャッドは、ブレーメンに父親と住むトルコ人。大学教授であるということは成功しているのだと思う。父親は悠々自適の女好き。街で会ったトルコ人の娼婦を家に住まわせる。彼女は27歳の娘がいて、靴屋で働いていると偽って娘に学費を送金しているとネジャッドに語る。ところが、はずみで父親が彼女を殺してしまい服役。ネジャッドはイスタンブールに移り住み、娘を探す。実は、その娘アイテンはトルコでテロリストとして追われており、ドイツに不法入国していた。大学でドイツ人のシャーロッテに拾われるのだが…という話。
なんの気なしに見始めたのだが、ついつい最後まで見てしまった。まったく予備知識なしだったのだが、話がどう展開するかまったく読めなかったのである。いったいどうするんだ、これ、という感じ。途中でかなり驚いた。世間がかなり狭くて、一歩間違うとあっという間につながってしまうのだが、大団円にはならない最後にもちょっとびっくり。あの終わり方は嫌いじゃないけどね。エンドロールは最後まで見てしまう。
時間の経過のしかたも、2度目を見てやっとわかった。そういうことだったのか。ほとんど無駄足だったけど、それが無駄じゃなかったんだな。ネジャッドとロッテは、いい人だなあ。でも、残りの主人公たちの心の変化の方が興味深い。人は、ちょっとしためぐりあわせで、あっけなく死ぬんだな。
ドイツはトランジットしかしたことがないし、トルコは1週間いたきりで、ドイツに住むトルコ人のことは知らないのだが、ブレーメンには「音楽隊」の銅像があるのね、とか、ドイツでのトルコ人の生活とか、イスタンブールとか、トルコの田舎とか、音楽とか、ちょっとだけ出てくるトルコ料理とか、刑務所の様子とか、いろいろ興味深い。トルコ語がごくたまにわかると嬉しい。トルコ語とドイツ語がお互い通じないときには英語になるんだな。
あとから予告編を見つけた。
映画を見てからでよかった。そういうことは、映画を見る前に明らかにしないほうがいいと思うんだけど。見直してみると、3部構成になっていて、サブタイトルでわかるといえばわかるんだけど。第3部の「天国のほとりで」は、いいタイトルだと思う。
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コメント
この映画、私も話がどう転ぶのかまったくわからなくて、そこが逆に楽しめたので、予備知識なしで見たほうがおもしろい気がします(それにしても、予告編はなんというか、ダイジェスト版のように映画の流れがそのまんまですね。いいのかこれ)。
エンドロールがとてもとても好きです。これは最後まで見ちゃいますよね。あのあとどうなったのかなあと、たまに思い出したりします。
投稿: 春巻 | 2010.05.15 01:37
あのエンドロールはよかったですよね。おそらくアンハッピーエンドにはならないだろうとは思うのですが、含みをもたせて予定調和にしていないところが○。
予告編はねえ、あれはよくないでしょう。予測がつかない展開が面白いだけに余計に。もうちょっと、工夫とか含みとか何かしろよ!と思いました。
投稿: きたきつね | 2010.05.15 23:22