愛子さんのお茶について2010年春に思うこと
これは愛子さんのところの去年の春の鉄観音「9号」。うまうま。いや、最近は疲れ気味なのか何なのか、とにかくお茶が飲みたくて、毎晩のように愛子さんのところの鉄観音を飲み、いいかげん飲むと、翌日それをタンブラーに入れてお湯を注いで連れ歩き、最後のエキスまで飲み干している。
これは、自分にとっては薬である。薬は「くすり」と読む(でも「やく」でもいいかも)。もしかすると、お酒を飲む人が1日の終わりにお酒を楽しみに飲むのに近いかもしれないけど、頭はぼけないし、たぶん健康にもいい。ワインを飲むことを考えたら、お茶は安いと思う(ということは「お茶は高いか」という記事で書いたことがある)。
しかし、特に2007年あたりからこっち、中国のお茶をめぐる状況は激しく変わった。経済発展に伴い、お茶が高く売れるということが知られるようになり、山奥まで切り開かれて茶園が作られ、高く売れる見栄えのいいお茶が望まれるようになり、手間がかかって見栄えの悪いお茶は作られなくなるか、ものすごく値段が上がって手が出ないようになった。そのあたりのことは、お茶カテゴリのこのあたりの記事から書いてある。
今にして思えば、2007年が分かれ目だった気がする。中国の経済発展によってお茶をめぐる状況が変わり、祥華のおとんががっくりきていたこともあった。もし、あの年愛子さんが行けなかったら、おとんのお茶は飲めなくなっていたかもしれない、あのお茶(今飲んでいる「このお茶」なんだけど)は絶えてしまったかもしれないと本気で思う。
しかし、その後、おとんは腹をくくり、なんと我々「心の隊員」のためにだけお茶を作る!ということに決めてしまい(その記事を読んだときには涙が出た)システムを整えてくださり、その後は研究に研究を重ねて、今年の春も愛子さんは祥華に行って、今もお茶を作っている。
そして、一時は絶えたかと思われた「2歳2代」のお茶が、今年は母樹が見つかり、また飲めることになった(詳しくはこちらを)!!!自然環境は悪化する一方だから来年のことは言えないけど。でも。
祥華の鉄観音が生き延びているのは、おとんと愛子さんの情熱の賜である。「心の隊員」もそれに貢献しているのだと思う(自分もその一員なので、あまり口幅ったいことは書けないのだが)。そして、それは、商業ベースには乗りようのない活動なのだと思う。支えているのは、金銭とかビジネスとはおよそかけ離れた(たぶんビジネスになったら消えてしまう)愛と情熱だから。
そのあたりの考えは、「心の隊員であること」という記事に昔書いたことと、今も変わらない。
実は、今年、春の龍井茶と碧羅春の「心の隊員」募集はなかった。理由は、ざっくりいうと、龍井が中国であまりにも有名になって価格が高騰したことと、碧羅春については「心の隊員」を維持するためのシステムの難しさだと思われる。鉄観音については、おとんがシステムを作ってくれたから存続可能になったが、碧羅春は難しい。
しかし、愛子さんは、碧羅春については、なんとか存続させたいと強く強く願っている(詳しくはこちらを)。
そこで、今年は「宝茶箱」という方法になった。
今までの「茶友」には先行して募集告知がこちらに出ている。新規の方はもうちょっと後になるらしい。
実は、おいしいおいしい龍井は今年が最後になり、来年はない。値段が上がりすぎたから。それは、しかたがないことだ。今年はとても寒くて気候がよくなかったし。碧羅春も、このシステムがうまくいかなかったら、来年以降は飲めなくなるかもしれない。
値段は、はっきり言って安くはない。
でも、同じ嗜好品として考えるなら、その手間と作る過程と込められているものを考えれば、安い。それに、これは、今後も「地球の宝」のようなお茶を存続させていくためにぜったいに必要だ。製茶の過程を見たら、飲まずにはいられない。このぷりぷりの龍井は今年限りなんだ…。
なので、「宝船」(「宝箱」なんだけど、そう呼びたい)には率先して乗るつもり。そして、美味しいお茶をこの先も一緒に飲ませていただけたら、とてもとても幸せである。
実は、今、碧羅春と春の鉄観音(出がらしに近い)を代わりばんこに飲みながら書いているのだが、やっぱり美味ーい。
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