2010うずしおカルテットコンサートに行ってきました
こちらに書いた「うずしおカルテット」の札幌コンサートに行ってきました。
開演前。
今回の札幌コンサートは、いろいろあって労音・札幌音鑑の例会として開かれたとのこと。札幌で実現して何よりであったが、できれば、もうちょっと音楽に向いたホールでできるとよかったかなあと思う。本当は今日のアルテピアッツァのコンサートにも行きたかったのだが、16時半まで用事が入っていたうえに、その用事も風邪による体調不良で途中退場してしまい、結局行くことができず、まことに残念であった。
なぜ残念だったかというと、特に、1曲目の「グレゴリオ聖歌:モンセラートの歌曲集より《おお、輝く聖処女よ》の冒頭の「ちりーん」をアルテで聴きたかったんだよね。モンセラートの歌曲集は14世紀に作られたスペインの巡礼の曲らしい。2曲目のパヴァーヌも16世紀の曲で、この頃からバッハ(18世紀半ばか)ぐらいまでの音楽って、神様に捧げる単純な歌がだんだん音楽になる過程を見ているようで、実は好きなのであった。打楽器が入る世俗的な舞曲もよいなあ。
今回のコンサートのコンセプトは「3度目の欧州旅行」で、旅行も三度目になると裏道に行きたくなる、というお話が座長(ついバンマスとお呼びしてしまう)の福島さんからあり、主に15世紀ぐらいからのスペインがフィーチャーされていた。二部の「ラ・フォリア三態」も17世紀の舞曲(イベリア半島発祥)で、打楽器(ソロ)、マリンバ+ピアノ、ヴァイオリン+ピアノの3バージョンで聞ける。
楽器紹介としては、奥山さんからピアノの歴史と構造のお話があったり(スカルラッティ、いいよねえ)、カスタネットのお話が福島さんからあって、おもしろかった。カスタネットってスペイン語の「栗(カスターネ)」から来ているのだそうだ。トルコ語のケスターネと語源は一緒なのだなあ。よく知られている赤と青のカスタネットは教育用に発売されたもので、本来のカスタネットではないとのこと。でも、それも楽器として機能する。そして、スプーンでもおしゃもじでもステンレスの台所用ボールでも楽器になるし(ボールはカルメンで活躍していた。けっこう使い道があるとのこと)、物がなくても身体が楽器になるのであった。
マリンバの演奏をちゃんと見たのは初めてだったのだが、旋律楽器なのに打楽器で、固さの違うマレット(撥)を使い分けて、片手で2本持って間隔を変えつつ音を違えず弾いていくのがすごいと思った。ちなみに、マリンバは解体して運ぶのだそうだが、鍵盤は木の巻き寿司のよう、部品がむちゃくちゃ重かったりして、解体ショーは見物(みもの)らしい。
交流会という名の打ち上げに出られて、メンバーの方とお話しする機会があったのはラッキーであった(「きたきつねさん」として認識していただいているのだった。ありがたいことである)。ほんとにいろいろ考えられているのだなあ。やっぱり、こんなクレバーな楽団はないと思う。知識ではなく虚心坦懐に音楽を聴くことは大事だな。
前回の来道は3年前だと思うのですが、また近いうちに是非いらしてくださいね!あと余談ですが、日フィルが来年の3月18・19日に香港で演奏会とのこと、19日会場のシティホールの3階にある飲茶は高めだけどおいしいので、機会があれば是非おいでください>福島さん、佐々木さん。
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コメント
きたきつねさま、
遅ればせながら、先日は本当にどうもありがとうございました。
演奏会の宣伝、感想などとてもありがたく読ませていただきました。
こちらの日記は、すぐにバンマスに転送(すみません、無断転送してしまいました・・・)したところ、感激のご様子でした。
「ここまでこちらの意図したところを汲み取って聴いていただけるのが信じられない」とのことでした!
打ち上げでもとても楽しかったですね!
でも、アルテの響きはやっぱりぜひ聴いていただきたかった!! 残念でした。
また、うずしおは北海道で広がりつつあります。ぜひ、この先もずーっと聴いてくださいマセ。
お忙しいと思いますが、くれぐれもお身体大切にお過ごしくださいね。
投稿: yukie | 2010.11.23 17:38
うわあ、yukieちゃん、こちらにもありがとうございます。
アルテ、行けなくて残念でした(泣)。
バンマスにお知らせ、ありがとうございます。
福島さんも九谷さんも読んでくださっているようで、ありがたいことです。
うずしお、ほんとに北海道のたくさんの方に聴いていただきたいですね。
これで一段落でしょうか。どうぞ風邪など引きませぬよう。
投稿: きたきつね | 2010.11.23 22:51