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「重慶森林(恋する惑星)」

 下書き記事。前の繁忙期に気分転換に見直した。
 これは、たしか1994年公開だったと思うのだが、最初は『ザ・香港ムービー』で情報だけ知っていて、見たくて見たくて、考えてみれば1990年から香港には行っているのでソフトを買ってくればよかったのに当時はその頭もなく、結局見たのは日本で劇場公開されたときだった。今でもあの時の見たかった気持ちが後を引いているように思う。
 というのは、どうも王家衛の映画が好きだという気があまりしないから。映画というより、その場面が好きなんだろうと思う。ストーリーはかなりどうでもいい。
 場面場面を追うとか、ながらでかけておくにはすごくいいんだけどね。香港「街もの」映画としても上等。香港が恋しくなったときの薬用とか。返還前の、今ではなくなってしまった風景もたくさん。影の主人公とも言える啓徳空港には胸を締め付けられる。
 見直してみると、評価が変わっているところがあって面白い。たとえば、タイトル通り重慶マンションはよく出てくるのだが、たぶん王家衛はインド人にはそんなに好感をもっていないような気がするのよね。後半のパートでは従業員のインド人はわけのわからない人という扱いだし。前半でも重慶マンションは怪しい場所だ。
 だけど、前半パートでブリジット・リンが、あんな初対面のインド人に大金をだしてブツをあずけるのはどう考えても無謀だよね。よく知らない信頼関係もない人間から高額換金できるブツを預かったら、それは逃げられるだろう。
 むしろ、今となっては、興味深いのは、重慶マンションのディテール。どうも出てくるのはタミル人が多いように思うのだが、ご飯を食べているときのテーブルの上に並んでいる料理とか(あまり映らない。ブリジットがすぐにお勘定と言っちゃうし)、重慶マンションの中にある感じのこぎれいな飲食店(人質にした女の子にアイスクリームを食べさせるとこ)はどこだろう、とか。インド人ばっかりのコンビニは、あれは外かなあ。
 金城くんはとっても若い。パイン缶とかホテルのルームサービスをむしゃむしゃ食べ続けるのがチャーミング。後半パートのトニーさんも若くてとっぽくて可愛い。フェイ・ウォンはむちゃくちゃキュート。ああ、15年以上前なんだなあ。

 貼り付けようと思って予告編を検索したら面白かった。バージョンによって全然違うんだもの。

 これはなかなか好き。

 これは全然違う映画のようだ。

 たぶんアメリカ公開版。

 日本版も健闘している。

 そして、これは年末大掃除のBGVにぴったりではないだろうか。

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