ゆうばりで「Robot」を見た!
個人的ゆうばりファンタは2日目。今朝は4時10分まで映画を見ていて寝たのが5時だったので、さすがに今日は眠い。寒いし眠いし体調もよろしくないので、ストーブパーティーは断念。他に用もあったので夕張を離れるという選択肢もあったのだが、映画が終わってみるとバスがなかったのであった。今日は温泉に入って早く寝る所存。
なんで5時に寝たかというと、1時からで4時10分までインド映画「Robot」(関連記事はこちらとこちらに。音が出る公式サイトはこちら。cinetamaさんに教えていただきました)を見ていたから。ジャパンプレミアで、大スクリーンで。ゆうばりファンタさん本当にありがとうございます。3ヶ月間交渉して、許可が出たのが2月23日だったとのこと。
いわゆる「マサラムービー」を劇場で初めて見たのは、ご多分に漏れず「ムトゥ」だったのだが、それよりはるかに大きいスクリーン。DVDだったようなのだが(画面にクレジットが出てた)、英語字幕だったが無問題。
見たのはタミル語版(ということはタイトルは「Robot」というより「Endhiran」か)だった。
予告編別バージョン。
ストーリーは、ラジニカント演じるロボット工学の博士が、とても精巧なヒューマノイド型ロボットを開発するというもの。ロボット「チッティ」は、素顔は妙に平たくてなんだが、踊れるし、頭はいいし、強いし、速いし、本は一瞬で読めるし、忠実で、掃除も料理もヘアカットもできる(うちに一台ほしい)。時間がない博士の代わりに恋人アイシュのお守りをまかされるのだが、アイシュもすっかりめろめろ。しかし、博士にライバル心を燃やす博士の元指導教官ガロ博士(東洋顔なのだがネパール系なんだろか)。ガロ博士と張り合ったラジニはチッティに感情をもたせるのだが、その結果、チッティはアイシュに恋してしまう。そして、いろいろあった結果(なんでラジニはあの助手を速攻でクビにしなかったんだろ)、チッティは悪のロボとなってしまうのであった。
全編を見て思ったのは、動画で見ていたダイジェスト版はほんの一部であったということ。全体を通してみると哲学的ですらある。感情はやっかいで、嫉妬は人生を狂わすのだなあ。いや死ぬほど笑ったけどさ。
タイトルバックがまるで「攻殻機動隊(押井版)」みたいだったとか、ラジニがものすごく若作りとか、おそらくチッティも悪のロボもラジニがやってると思うんだけども、恋するチッティが「にせシャールク」だったとか、悪のロボは雰囲気が「にせウルトラマン」みたいだったとか(しかし何で同じ形じゃないのかというのは子供の頃からの疑問)、ガロ博士の作るロボットの顔が悪党面とか、アイシェそれは拙いだろう退学モノだとか(アイシュはどうしてもお利口に見えない、医学部の院生ってほんとか)、いくらなんでもソレをゴミ箱に捨てちゃいかんだろラジニとか、もうもう突っ込みどころも山のよう。インド映画でモザイクを見たのも初めてかも。
CGに巨額を投じているに相違ない「アイシュを刺した蚊に謝らせる」シーンが霞むぐらい内容が濃い(あそこには行きたくない〜と思ったら、案の定蚊が「マラリアやデング熱にしてやる」と言ってた。チッティは蚊語もできるのだ)。
これが再び大スクリーンで日本語字幕で見られたら本当に幸せ。関係各位に心からお願い申し上げる次第。
(【2011年9月17日追記】日本公開が決まったとのことです。やった=!関連記事はこちらに)
ダイジェスト版は映画の本質を表していないものだと悟ったので、歌舞音曲シーンを。A.R.Rahmanは相変わらず素晴らしい。
何でもできちゃうチッティの巻。サビが「♪ぶーんぶーん ロボが ロボが ロボが♪」に聞こえる。
ロケはマチュピチュだけど、曲のタイトルは「キリマンジャロ」らしい(笑)。ラマがかわいいぞ。
こちらのレンソイスといい、ロケ費用は莫大じゃないだろか。たしかこの映画は、インド映画史上空前の制作費だったと思うのだが、費用は、CGはもちろん(インドとハリウッドと中国でものすごい規模でやってた)、ロケにもけっこうかかってると思う。
歌っているのは、やっぱりシュレヤ・ゴーシャルだったのね。
そういえば、これが最初の歌舞音曲シーンだったのだが、会場の皆さんが笑うわけです。照れくさかったのかなあ。ここは笑うところじゃなくうっとりするところだろう!と思った自分はインド化したか。
恋に落ちるチッティ。機械に花が咲きます。
歌詞にアイザック・アシモフが出てきて感動したのは、たしかこの曲だったと思う。いや、ロボット三原則は確かに必要だと思うよ。
ラジニはどうみても悪役のほうが楽しそうだった。
そのライオンには、ぜったい人が入っていると思う。
【2012年5月20日追記】
スクリーンで日本語字幕版を見ました。カットありのヒンディー語版だけど、感激!詳細はこちらに。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ああ、あらすじを読んだら、ますます観たくなりました。
ダイジェスト版では、これまでとはちょっと違う雰囲気のインド映画なのかなと思ったけど、いつものインド映画だった!(単に歌舞音曲シーンをみてなかったからそう感じただけかも…)
いやあ、インド映画って毎回必ずどこか哲学的な気がするのは気のせいでしょうか。チッティの運命に、あらすじ読んだだけで泣けてきましたよ。
それにしても「蚊語」ってなんですか。そして「蚊に謝らせる」?? やっぱり観たい〜!
投稿: 春巻 | 2011.02.28 12:19
そうなんですよ、チッティはかわいそうなんですよ。彼は悪くなくて、悪いのは人の欲。書かなかったのですが、他にも泣けるところが。
インド映画には時々どうしようもなくばかばかしいものもあるのですが、いいインド映画にはどこか哲学があるような気がします。
「蚊」のシーンですが、アイシュを刺した蚊をチッティが追いかけていって探し出して謝らせるというシークエンスがCGを駆使して描かれています。ダイジェスト動画のパート1(前のどこかに貼ってあります)で見られるはず。ちなみに件の蚊の名前はラングスキー(笑)。
歌舞音曲シーンといい突き抜け方といい、これは紛れもなくインド映画です。ほんとに、日本語字幕がついて、ちゃんと日本全国で公開することを心から願います。
投稿: きたきつね | 2011.03.01 00:07