「錦衣衛(処刑剣 14 BLADES)」日本語字幕版
ゆうばりファンタで見た。
日本版予告編(追記:前に張ったのが削除されたので差し替えた。しかし、サモ・ハンは今になっても「五福星」なのか?)。公式サイトはこちら。
前に一度見ているのだが(記事はこちら)、飛行機の中だったし、たしか中国語字幕だったので、日本語字幕だと印象が変わるかなあと思ったのだが。
やっぱりダニエル・リー(李仁港)監督とは合わないことを確信した。「猛龍(ドラゴン・スクワッド)」の時も思ったのだが、どうしてもだめだ。
お話は、公式サイトによると、「4世紀後半から200 年以上続いた明王朝の背景には、ある秘密警察の存在があった――。その名は「錦衣衛(きんいえい)」。法を執行する一方、反体制派を抹殺する暗殺集団でもある彼らの指揮官には、"青龍(チンロン)" の称号が与えられると同時に、一撃必殺の14 本の剣<大明十四刀>が授けられた。しかし、絶対的な力を持ったはずの青龍は何者かの陰謀により、逆に部下たちから追われる立場となってしまう。己のプライドを取り戻すため、青龍は"処刑剣" を手に立ち上がる!」というものらしい。
もう少し補足すると、「錦衣衛」は皇帝直属なのだが、皇帝にほとんど力がなく奸臣につけこまれており、玉爾を手にして権力を我が物にしようとする奸臣の企みを、午馬率いる「正義護送屋」の手を借りてドニーさんが阻む。それに盗賊「砂漠の判事」呉尊と、皇帝の叔父であるサモハンおよび娘の徐子珊がからむのだと思う。
たしかに、ドニーさんはかっこいい。午馬はしみじみといい顔をしておりスクリーンで見られて幸せ。奸臣役は羅家英で、相変わらず演技は達者だし、癌を患っていたそうだけど元気でなによりと思う。
しかし、ストーリー上「なんでそうなるの?」と思うことが多すぎる。たとえば、タイトルの「処刑剣」は公式サイトによると「映画オリジナルで、天・地・将・法・智・信・仁・勇と名付けられた8本の尋問用の剣とともに、6本の処刑剣から成り立つ。皇帝に背く者、政治を乱す者、法を曲げる者、国を売る者、同士討ちする者に対する剣。そして、14 本目の柄には「奉天成仁」と彫られ、これは彼が任務を果たせなかったときに、自決するためのものである」とのことだが、なんでこんなに剣が必要なの?と思う。剣の名前が八犬伝みたいだし。仰々しく役割がついているわりには生きていない。
その他にも、ストーリーが展開していく毎に「え?なんで?」と思ってしまうことが多すぎ。考えてみると、伏線らしい伏線が引かれていない感じ。かっこいいシーンを撮りたいというのはわかるけど、話が有機的に繋がっていない。
せっかくキャストがよくて、予算もふんだんに使っているであろうに、もったいない限りである。
ただ、一箇所だけ、目が覚めるようなシーンがあって、途中でドニーさんが襲われるのだけど、戦いのシーンがむちゃくちゃかっこいい。何事かと思ったら、なんと相手は陳観泰兄貴ではないか!思わず正座した。ああ、やっぱり本物は素敵だ。
こちらで少しだけ見られる。
翻って考えてみると、ラストの戦いは、役柄的にもストーリー的にもサモ・ハンが相手であるべきだと思うのよ。「葉問2」までは要求しないから。どんなにワイヤーやCGを駆使しても、相手が素人ではドニーさんにもったいない。せっかくドニーさんを採用してるんだもの。呉尊も呉京であったらと思う。そもそも、ドニーさんにあんなに仰々しい剣は不要である。板前じゃないんだからさ。
でも、きっと、監督は基本的にアクションをあまり重視してないんだろうなあ。なら、わざわざドニーさんを使ってアクション映画を撮るべきではないと思うんだが。ああ、もったいない。
ところで、その後、動画を拾った。
ショウブラザーズの「錦衣衛」らしい。ということはリメイクだったのか、もしかして。ショウブラ版がどんな話か見当がつかないのだが、こちらの方がむしろ見たい気がする。
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