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2011年3月

多謝!香港人!!

 台湾の「相信希望」についてはこちらに書いたのだが、やっぱり香港も負けずに熱かった。毎日泣けてしまう。詳しくは毎度お世話になっているりえさんのこちらの記事をご覧ください。

【その1】
 香港の街頭で仮面ライダーが募金を。
 義援金総額80,757.6香港ドル(約84万円)!

 その模様はこちら。

 りえさんも映っている(記事はこちら)。
 香港人のみなさん、ライダーのみなさん、多謝!

【その2】

 4月1日に香港で香港芸能界主催のチャリティーコンサート「愛心無國界 311燭光晚會 Artistes 311 Love Beyond Borders」が開かれる。

 公式サイトはこちら。 
 ボランティアの方々が日本語ページも作ってくださったとのこと。ありがとうございます!

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「悲情城市」をスクリーンで

 これはほぼ1ヶ月前に書きはじめた記事のつづき。

 「悲情城市」をスクリーンで見ることができた。地元の映画館が「シネマと鉄道〜アジア映画に見る駅の風景〜」という企画で旧作を上映したのである。「午前十時の映画祭」などもそうだけど、旧作をスクリーンで見られるという企画、どんどんやってほしい。シネマフロンティアさんGJでした。DVDじゃだめなのよう。

 予告編があった。

 今さらご紹介するまでもない名作だけど、1945年の第二次大戦終結から1949年の国民党政府樹立までの台湾の話。中心になるのは林家。玉音放送の流れる中、長男の妾が出産するところから始まる。二男は南洋から帰ってこず、三男は上海から戻ってきたものの悪い仲間(成家班の太保がいる)につけこまれ、四男の文清は8歳の時に耳が聞こえなくなり口もきけないながら写真館を営んでいる。51年に渡る日本の支配も終わったのも束の間、中国政府がやってきて不満が高まる。そして、本省人と外省人の衝突「二.二八事件」が起こる。
 いろいろな意味で胸が詰まる。お話も、人も景色も。
 まず、やっぱり「これは過ぎた日の物語ではないのだ」と思う。体制に逆らうことによって家族が帰ってこないというのは、今でも世界で起こっていることなのだ。
 この映画が作られた1989年は戒厳令が解除になって2年後ということなので、作るのは勇気が要ったろうなあ。
 戦争が終わったあとの台湾の情景にも胸がつまる。日本語が当たり前に通じてしまうんだもんなあ。「にいさん」「とうさん」などの日本語の単語が台湾語に混じっているし。台湾人は台湾語で話しているし他にもいろいろな言葉が混じっている。大陸やくざと話すときには台湾語→広東語→北京語という通訳が必要だった。
 お話は、台湾の風景の中で日々の暮らしが淡々と描かれていくのだが、おうちが日本様式と折衷なのね。今でも台湾に行くとあちらこちらに残っているけれど、色ガラスのはまった窓とか、インテリアや調度がいいなあと思ってしまう。
 あと、お茶映画でもあって、林家の長男は朝起きるやお湯をわかし、茶壺をきゅきゅきゅと磨いてお茶を淹れる。さすが台湾である。
 しかし、何より、トニーさんこと梁朝偉!出てきた瞬間、「若い!かわいい!」とくぎ付け。笑顔がぴかぴか。侯孝賢監督がどうしても出てほしくて、台湾語ができないので聾唖の役になったという話を聞いたことがあるのだが、台詞がなくてかえって大正解。よけいに気持ちが伝わってくる。うまいなあ。

 実は、「二二八事件」のことは、グレゴリ青山の『グ印亜細亜商会』で知った。
 「二二八事件」は、この中の「電信柱の画家の街」で、陳澄波という画家の絵に魅せられたグレゴリさんが嘉義に行く話(「台湾人」というかき氷屋さんに行ってからが圧巻。神様はいると思える)に出てくる。陳澄波は日本に留学して絵を学んだのだが、二二八事件で殺害された。
 「二二八事件」は、第二次大戦後に台湾に入ってきた中国本土からの外省人が元々台湾にいる本省人を支配下におく過程で起こった。きっかけは台北の迪化街で闇煙草を商う本省人への暴行で本省人の外省人に対する抗議が台湾全土に拡がり大陸から軍隊が投入され特に日本統治下で教育を受けた知識層を中心に数万人(正確な数は不明)が殺された。1988年に本省人が初めて総統となり事件について公に語ることができるようになった(こちらを参考にしました)。
 すなわち、「悲情城市」は情報解禁になってほとんどすぐに作られたということになる。 

 3月11日の震災のあと、台湾では「相信希望」というチャリティー番組が民放を横断して作られ、人口も所得水準も違うのにもかかわらず、約21億円もの義援金が集まった(詳しくはこちらに)。この映画を見ると、そんな台湾の人たちの気持ちや背負っているものが少しではあるがわかるような気がする。
 お礼を兼ねて台湾に、特に今度こそ九份に行きたい。

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「イップ・マン(葉問2日本語字幕版)」

 ついに 「イップ・マン(葉問2日本語字幕版)」が札幌にやってきた。職場の引っ越し準備も一段落したので、走って見に行った。こんなご時世ではあるが、被災地でもないのに経済活動を自粛してどうする。
 エレベーターを降りると。

20110324cinema

 「春のドニーまつり」。
 ディノスシネマズ札幌劇場では、ドニーさんの映画を続けて上映してくれるのである。なんと3月26日からは1週間だけではあるが「イップ・マン序章(葉問1日本語字幕版)」も!同系列の白石のディノスでも香港映画をけっこう上映してくれていたのだが、もしかして担当さんは同じ方だろうか。ありがとうございます。「夏のドニーまつり」とかもあると嬉しいです。
 さて、「葉問2」はDVDで何回も見ているのだが(記事はこちらに)、スクリーンで見るのは初めて。しかも日本語字幕版だ。カウンターに「フィルムの途中に傷が入っている」旨のお詫びが入っていたのだが、晴れて日本公開ができて日本中を回ったフィルムが来ていると思えば、感無量で無問題というものである。

 日本版予告編。

 スクリーンで見ると、師父が住む屋上とか「円卓の戦い」がある得男茶楼とか、美術がやっぱり美しい。戦いのシーンも迫力。日本語字幕のおかげで映像に集中できて、最後はやっぱり目頭が熱くなる。
 なんたって主題は香港映画の王道「誇りを取り戻す」だもんなあ。「葉問1」よりはっきりと。特に、サモハンが異種格闘技に敗れて後の香港人の団結ぶりときたら。ケント・チェンは前作でいえば林家棟に当たる役どころなんだろう。いや家棟もうまかったけど新聞社での豹変ぶりは笑った。また、主要キャストの西洋人は前作の日本人にも増してそろいもそろって品性が欠けていて、「葉問1」の池内博之のほうがまだましだったような気がする。
 しかし、帰ってから香港版DVDの特典ディスクを見たら、主要キャストのインタビューがあってボクサーのツイスター役の人も話していたのだが、しごくまっとうな人で(当たり前か)、ハリウッドと比べて香港映画の水準が高く迷わず出演を決めたこと、撮影の合間にリングでサモ・ハンと「燃えよドラゴンごっこ」(冒頭サモ・ハンとブルース・リーが戦うあのシーン)をして楽しかったことなど話していた。サモ・ハンのことをちゃんと「タイコー(大兄貴)」と呼んでて偉いぞ。演技うまいのね。
 それにしても、ツイスターといい、葉問師父の弟子といいサモ・ハンの弟子といい、脳みそまで筋肉か君たちは!と思ったのだが、その中で葉問師父の穏やかさとか真の強さが際立つのだろうなあ。にしても、稽古代はちゃんともらったほうがいいぞ師父。太太の苦労を見るにつけ「男って…」と思ったぞ。弟子もちゃんと払いなさい。
 あと、スクリーンで見てよかったのは細かいところが見えるところで、師父たちが拘留された警察署って「尖沙咀警署」なのね。ということは、舞台は九龍側で、あの魚市場は佐敦あたりだったのだろうか(追記:DVDを見直したら「官涌魚市場」と書いてあった。あそこか!)、とか、師父はどのあたりに住んでいたんだろう、とか膨らむ想像。50年代の香港の街並みもスクリーンで見ると一際よかったねえ。
 あと、よく見るとこれは「お茶映画」であって、「円卓の戦い」の得男茶楼はもちろん、サモ・ハンが仕事をしている部屋もよく見ると茶缶が並んでいてテーブルもしつらえてあって茶館のようで、他の場面でも蓋碗でお茶を飲んでいるシーンがけっこうあるし、葉問師父はガラスのコップに茶葉を入れて竹で覆われた魔法瓶からお湯を注し注し飲んでるし(その後引っ越した先では魔法瓶にお茶が入ってたように見えた)。これは家で中国茶を飲みつつDVDを見るのも楽しかろう。

 ともあれ、3月26日〜4月1日までの1週間は札幌でも「イップ・マン序章(葉問1日本語字幕版)」が見られるのでディノスシネマズ札幌劇場にゴー!である。

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向福島50人致意

 タイトルは、いつもお世話になっているりえさんのブログからそっくりお借りしました。拡散希望です。
 あの地震から10日がたって、余震はおさまらず、被災地のあちらこちらで生活が始まっているけど道は険しく、そして福島では大変なことになっている。
 政府や東電やマスコミのやり方にはいろいろ言いたいことがありますけどね。放射線量の公開とか出荷制限とか、風評被害を抑えるといいつつ不安を煽ってばかりに見える。責任を持って安全性と本当に気をつけるべき事を全世界に広報していただきたいと思う。
 しかし、現地では現場の人々ががんばっている。
 実は私、今回東京消防庁の人の会見を全部見たいがためにニコニコ動画のアカウントを取った。
 そして、命を賭けて原発と戦う人々は、香港でも「尊敬と驚きと称賛を持って報じられて(byりえさん)」いるのである。
 
 たぶん、最初に報じたのはりんご動新聞。

 最初から、おなじみ「見てきたような再現CG」全開で、その空気中に飛んでいるものは何だよとも思うけど、「50 最後武士 視死如歸救地球」というタイトルがりんご新聞の心意気であろう。

 そして、

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元気が出るインドの動画

 疲れてちょっとお休み中。
 さきほど、twitterで、入江敦彦さん(実はご著書は全部買って読んでおります)に教えていただいた「元気の出る動画」。

 すごい!天才的なシンクロ率。
 元の曲はこれらしいのだが(知らない映画だ)、

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ありがとう台湾!(相信希望)

 地震から1週間。1週間前の今頃は「ER」の最終回を見て余韻をかみしめていた。今日はネットで台湾の民間放送が総力をあげた日本のためのチャリティー番組「相信希望 Fight & Smile」を見て号泣。
 だって、有名人が電話番をして(アーメイとか)、義援金を集めてですよ、予定では4時間の番組を延長して、画面に映る募金額がどんどん増えていって、最終的に集まった金額が

 788,546,555台湾ドル!
 約21億円!!

 物価水準が日本とちがうのに…。
 
 よその国のためにここまでしてくれるなんて。日本じゃ考えられない。今だって、香港なら今ごろ大チャリティーが繰り広げられているころだろうに、日本の民放は視聴率をとるためにセンセーショナルな放送を優先しているように見えるではないか。この国難に国民に希望を与えようという姿勢があまり見られないではないか。
 台湾のみなさん、本当にありがとうございます。このご恩は一生忘れません。今は日本は大変ですが、もし台湾になにかあったら、できることは何でもします。とりあえず、今年はぜったい台湾に行こう(観光振興のために東北にも行かなくちゃならないけど)。

 テーマ曲の動画を発見した。台湾の@snow_dreamさんからも教えていただきました。ありがとう!

 やっぱり泣けます。
 関連動画を見ると、いろいろバージョンがあるらしい。

【追記】当日の模様がこちらから少し見られます。電話番をしているジェリー・イン、駆けつけたビビアン・スー、メッセージをくれたアンディ・ラウ、リン・チーリンも見られます。

 実は、先週来ずっと思い出していたのが、こちらで紹介した四川大地震の時に香港明星が結集した「承諾」だった。

 ショートバージョン。イーソンが指揮してる。
 こちらのメイキングでは、テディ・ロビン師父が指揮をとっておられます。
 
 繰り返して見るほどに泣ける。
 今になって思う。四川の人たちは嬉しかったろうなあ。今聞くと、そっくり今回被災された方々のための歌に聞こえる。香港では今北京にいるエリック・ツァン兄貴が何か考えているらしいとのことだが(ソースはくま某さんに教えていただいたこちら)、とりあえず、この歌を捧げたい。
 被災されたみなさんが1日も1刻も早く暖かく快適な生活と安寧と平安を取り戻すことができることをお祈りしています。被災しなかった私たちもがんばる。
 その後の情報では「相信希望」はフジテレビで放送されるらしいのだが、番組もこの曲も被災地に届けばいいな。

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震災報道

 今回の大地震の名前が「東日本大震災」なのか「東北関東大震災」なのか「東北地方太平洋沖地震」なのか、媒体によって揺れているようなのだが。
 節電と言いつつ、テレビを見てしまう。今は電気にちょっと余裕があるらしく節電要請は出ていないけれども、北電からも1日最大60万kw東北に電気を送っているのだが。
 今日は、関東地方の輪番停電が大きな話題。それで結局仕事関連の集まりが一つ中止になった。

 けっこうTwitterに溺れてしまったのだが、そんな中で心に触れた報道をいくつか。

 まず、本日の関東地方の節電の結果。すごい!戦いはこれからまだまだ続くのだろうけれど、でもすごい>関東の皆さま。
 その陰には、こんなにすごい技術と苦労があるとのこと。

 つぎに、原発事故について。とてもわかりやすい

 MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説

 自衛隊すごい!と思う(原発事故でも命を張っている)

 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(3月14日17時現在)

 海外の報道では、

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東北地方太平洋沖地震

 3月11日14時46分に地震が来た。
 といっても札幌は震度3で、ゆらゆらした揺れがずっと続き、地震が来て部屋を出るほどには揺れた(初めてだ)が被害は何もない。しかし、とっさにテレビをつけたら、すでにえらいことになっていた。
 大津波警報が出て「宮城で6メートル!」などと言っていたのだが、16時過ぎるころにはそれどころではない状態に。宮城県の名取川の河口に津波が上ってきて、きれいに整えられた畑やビニールハウスや家が泥水に飲み込まれ、その先の道路には車が走っていて人もいた。
 今日は朝から仕事で、夜も用事があって出かけたのだが、帰るとついテレビをつけてしまう。波に飲み込まれた家は誰かが住んでいた家で、折り重なっている車は誰かが乗っていた車だ。人口の半分の消息がわからない町もある。壊滅という動詞がこんなに簡単に使われるなんて思わなかった。実家が原子力発電所の近くにあり(福島ではないけど)他人事ではない。立て続けに警報が流れる緊急地震速報は心臓に悪い。被災した方のインタビューを見て泣いてしまう(なるべくそっとしてあげてほしい)。各国から救援の申し入れがというニュースを聞いても涙が出る始末。全然被害者じゃないのに、こんなことでどうする。

 現在、郵便局や宅配便では北海道外あての荷物は受け入れが見合わされており、道外から北海道に入ってくる荷物も受け入れ見合わせらしいので(東北地方を通ってくるので陸路では運べないのだ)そろそろ物流に障害が出るだろう。雑誌も来なくなるかもしれない。アマゾンも発送停止になっているし。
 しかし、電気は来ているし、ガスも水も出るし、ネットも使えるし、暖かい部屋であったかいものが食べられて、自分の布団で寝られる。

 もう何を祈っていいものやら途方にくれてしまうのだが。

 行方不明の方々、消息不明の方々がどうかどうか無事でありますように。
 助けを待つ方々が一刻も早く救出されますように。
 被災した方が、少しでも暖かく快適に暮らせますように。そして早く家に帰れますように。心が少しでも平安でありますように。
 被災地のライフラインが早く復旧しますように。
 早く余震がおさまりますように。
 これ以上被害が広がりませんように。

 救援に当たってくださっている方ありがとうございます。
 できることは、これから考えよう。
 
 被害に遭われた方のご無事を心から祈っています。

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「錦衣衛(処刑剣 14 BLADES)」日本語字幕版

 ゆうばりファンタで見た。

 日本版予告編(追記:前に張ったのが削除されたので差し替えた。しかし、サモ・ハンは今になっても「五福星」なのか?)。公式サイトはこちら
 前に一度見ているのだが(記事はこちら)、飛行機の中だったし、たしか中国語字幕だったので、日本語字幕だと印象が変わるかなあと思ったのだが。
 やっぱりダニエル・リー(李仁港)監督とは合わないことを確信した。「猛龍(ドラゴン・スクワッド)」の時も思ったのだが、どうしてもだめだ。

 お話は、公式サイトによると、「4世紀後半から200 年以上続いた明王朝の背景には、ある秘密警察の存在があった――。その名は「錦衣衛(きんいえい)」。法を執行する一方、反体制派を抹殺する暗殺集団でもある彼らの指揮官には、"青龍(チンロン)" の称号が与えられると同時に、一撃必殺の14 本の剣<大明十四刀>が授けられた。しかし、絶対的な力を持ったはずの青龍は何者かの陰謀により、逆に部下たちから追われる立場となってしまう。己のプライドを取り戻すため、青龍は"処刑剣" を手に立ち上がる!」というものらしい。
 もう少し補足すると、「錦衣衛」は皇帝直属なのだが、皇帝にほとんど力がなく奸臣につけこまれており、玉爾を手にして権力を我が物にしようとする奸臣の企みを、午馬率いる「正義護送屋」の手を借りてドニーさんが阻む。それに盗賊「砂漠の判事」呉尊と、皇帝の叔父であるサモハンおよび娘の徐子珊がからむのだと思う。
 たしかに、ドニーさんはかっこいい。午馬はしみじみといい顔をしておりスクリーンで見られて幸せ。奸臣役は羅家英で、相変わらず演技は達者だし、癌を患っていたそうだけど元気でなによりと思う。
 しかし、ストーリー上「なんでそうなるの?」と思うことが多すぎる。たとえば、タイトルの「処刑剣」は公式サイトによると「映画オリジナルで、天・地・将・法・智・信・仁・勇と名付けられた8本の尋問用の剣とともに、6本の処刑剣から成り立つ。皇帝に背く者、政治を乱す者、法を曲げる者、国を売る者、同士討ちする者に対する剣。そして、14 本目の柄には「奉天成仁」と彫られ、これは彼が任務を果たせなかったときに、自決するためのものである」とのことだが、なんでこんなに剣が必要なの?と思う。剣の名前が八犬伝みたいだし。仰々しく役割がついているわりには生きていない。
 その他にも、ストーリーが展開していく毎に「え?なんで?」と思ってしまうことが多すぎ。考えてみると、伏線らしい伏線が引かれていない感じ。かっこいいシーンを撮りたいというのはわかるけど、話が有機的に繋がっていない。
 せっかくキャストがよくて、予算もふんだんに使っているであろうに、もったいない限りである。

 ただ、一箇所だけ、目が覚めるようなシーンがあって、途中でドニーさんが襲われるのだけど、戦いのシーンがむちゃくちゃかっこいい。何事かと思ったら、なんと相手は陳観泰兄貴ではないか!思わず正座した。ああ、やっぱり本物は素敵だ。

 こちらで少しだけ見られる。

 翻って考えてみると、ラストの戦いは、役柄的にもストーリー的にもサモ・ハンが相手であるべきだと思うのよ。「葉問2」までは要求しないから。どんなにワイヤーやCGを駆使しても、相手が素人ではドニーさんにもったいない。せっかくドニーさんを採用してるんだもの。呉尊も呉京であったらと思う。そもそも、ドニーさんにあんなに仰々しい剣は不要である。板前じゃないんだからさ。
 でも、きっと、監督は基本的にアクションをあまり重視してないんだろうなあ。なら、わざわざドニーさんを使ってアクション映画を撮るべきではないと思うんだが。ああ、もったいない。

 ところで、その後、動画を拾った。

 ショウブラザーズの「錦衣衛」らしい。ということはリメイクだったのか、もしかして。ショウブラ版がどんな話か見当がつかないのだが、こちらの方がむしろ見たい気がする。

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「維多利亜壹號(ドリーム・ホーム)」

 ゆうばりファンタの1日目に見た映画。
 スプラッタとかホラーとかには弱いのだが、イーソンが出るし、彭浩翔だし。心頭滅却して見ることにした。
 そしたら、思ったより気持ち悪くならなかったのだった。
 お話は、要するに「香港の住宅は高い!家を手に入れるのは大変!!」ということだと思う。ほんとに大変である。

 余談だが、またもやりえさんに教えていただいた。

  香港RTHKの番組「窮富翁大作戰」。
 誰もが納得の裕福な人が、数日間最低層の生活を体験する密着ドキュメンタリー「show」。議員さんがゴミ収集(あの香港の街中にあるゴミ箱からゴミを回収する仕事)の仕事をしちゃったり。一人押し入れ1間分のスペースしかない「籠屋」の単位面積あたりの住宅費はお屋敷より高い。詳しいことは、上記のりえさんの記事を是非ごらんください。旅行者としてのほほんと滞在している香港だけど、こういう人たちに支えられているのだと思う。

 話は映画に戻って、パンフレットには「悪に染まっていく」と書いてあったけど、ジョシー的には悪に染まってるつもりはないと思う。子供の頃から海の見える家に住むのが夢で一生懸命働いただけだ。まあ、「そこで電話に出るなよ!」とか「もうちょっと計画的にやってはどうか」とは思ったけどね。
 昼は銀行の電話セールスで、夜はバッグ屋さんで一生懸命働くジョシー・ホーの物語。ジョシーは海の見える家に住むのが夢で、病気のお父ちゃんをかかえつつ一生懸命働いてお金を貯める。しかし、香港の不動産はとほうもなく高い。ついに手に入るかと思ったら、家主に値段をつり上げられる。
 そのマンションというのが、どーんと全面海景。タイトルの「維多利亜壹號」はマンションの名前なんだけど、ビクトリア湾に面していて向かいが湾仔なんだよね。あんなマンションあるのかしら。
 また余談だが、香港のBPインターナショナルの隣にマンションがあって、九龍公園越しに海と香港島が見えて、しかも公園だから景観が保証されているのよ。1階にも向かいにもスーパーマーケットがあるし、交通はめちゃくちゃ便利だし(バスはばんばん走ってるし、真ん前に尖沙咀行きのミニバスは止まるし、すぐ近くに西鐵の駅はできたし)、1本道を渡れば食の楽園。もしくれるなら(誰もくれないけど)あそこがほしい。

 見る前に映画の担当者のお話があって「〜人死にますが、全員死に方が違います!」とのこと。おかげで、ああこれで〜人死んだからあと〜人だと数えていたので、気が紛れた。事前にああいう事を言うのはいいのか悪いのか。私は助かったけど。

 それより何より、これってパン・ホーチョン流の「集體回憶」映画じゃないか。タイトルバックがずーっと香港の団地(文字の入り方と撮り方がアーティスティックだ)なのだが、最後から4番目は間違いなく牛頭角下邨。映画の中に、ジェシーが子供の頃の団地の思い出が差し挟まれるのだが、最後は取り壊しで立ち退きで、まるで利東街みたいだった。

20110307hongkong1

 なつかしの牛頭角下邨(詳細はこちらに)。

 あと、香港映画を見ていて「車にはねられようが、銃で撃たれようが、剣で切られようが、香港人はなかなか死なないものである」と、かねがね思ってはいたのだが、やっぱりそうだったのかという思いを新たにしましたね。生命力強すぎだよ、ホンコンヤン。

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三度目のミールス

 今日(もう昨日)は東京出張。先ほど帰還。
 
 今日のお昼はこれ。

20110305a1

 店頭に並ぶ本日の材料。

20110305b

 またもやケララの風のミールスである。三度目。
 前回前々回とまたメニューが違うのね。お店のサイトの「menu→lunch」のページから最新のランチメニューが見られる模様。

 今日のメニューは(右から反時計回りに)、

  サンバル
  ラッサム
  アヴィヤル
  からし菜のクートゥ
  キャベツのトーレン
  ビーツのパチャディ
  ケララ・パパダム
  ご飯(ダールがかかっている)
  チャイ(写真になし)

 メニューの説明(拡大可)↓

20110305c

 今回はビーツのパチャディ(ビーツのマスタード風味ヨーグルト和え)が目当てだった。トーレンと混ぜるとうまうま。アヴィヤルとクートゥもうまうま。例によって、がっつりお代わりする。
 オプションで、ヨーグルト、ピクルス(カボス)、カードチリがそれぞれ100円なのを知り(前回はなかった)、ヨーグルトを追加オーダー。他の料理と混ぜ混ぜしたり、最後に〆のヨーグルトご飯(南インドでは最後のお茶漬けさらさら的存在らしい)を美味しくいただいた。

 前回、店内に手洗い場があって、手で食べてもまったく大丈夫(こんな店、寡聞ではあるが日本ではあまりないと思う)ということを知ったので、最初から手でおいしく食べる。ミールスは、手で食べないと混ざらなくておいしくないんだよね。
 12時を回るとほとんど満席で、「テレビで見た」というインド人のご夫婦がいらしたのだがスプーンで食べてた。そうか手で食べないインド人もいるんだなあと思いつつ、手で食べてた日本人であった。というか、既にミールスはスプーンで食べられなくなっているのだった。

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「十月圍城」日本語字幕版

 「十月圍城(孫文の義士団)」を日本語字幕版で見た。ゆうばりファンタで。
 香港で公開時に見ているのだが(記事はこちらに)、日本語字幕版で見て、号泣。いやあ、いい映画だ。香港金像奨をとりまくったのもうなずける。

 この予告編がとても好きだったのだが、山の形がねえ、今と同じで、中環の港から獅子山が見えるのよね。で、皇后大道や結志街やポッティンジャー・ストリートの昔の姿が、そのまんま(今をほうふつとする姿で)再現されているのよね。
 ゲストで武術監督の谷垣健治さんが来ていたのだが、オープンセットはやっぱり気持ちがいいんだそうです。ついでに書くと、アクションシーンの最後は倉庫や工場など屋内のことが多いのだが(今回もドニーさんの締めのアクションは倉庫だった)、これは屋外だと天候や時間に左右されず、ほかのストーリーとの絡みで最後に突貫で撮ることが多いからなんだとか。で、谷垣くんは最後の屋内シーンのために呼ばれて行ったのだが(ドニーさんは「明日来い」と呼び出すらしい)、ピーター・チャンが回廊の追いかけっこシーンを気に入り、回廊が8割ということになったとのこと。さらについでに書くと、敵方は格闘技のプロで、軽くやっているように見えるのは加減を知っているからだとのこと。

 それにしても、泣けた。もにかるさんこと水田菜穂さんによると、今回のギャガの字幕はとてもいいんだそうです(映画祭の字幕は伝説的らしいけれど)。もう、王學圻が新聞社で演説をするシーンで号泣。特に昨今の世界情勢を考えると、これは過去の話ではなく、現代に通じる話なんだよね。
 それにしても、王學圻、うまかった。金像奨の主演男優賞あげたかったなあ(獲ったのは「歳月神愉」のヤムヤム)。ニコが助演男優賞を撮れたのはほんとによかった。作品賞も監督賞も大納得。
 ほかの役者さんもよくて、梁家輝はやっぱりうまいし、ゲストの學友はすぐいなくなっちゃうけど、王學圻をはじめ、ニコ、ドニーさん、胡軍(こわいけど)、友情出演のヤムヤム(かっこいいけど途中退場)みんなよかった。臭豆腐こと王複明を演じた巴特爾はバスケットボール選手というのを生かした役作りでやっぱりとてもよかったし、王柏傑もがんばってたねえ。ヤムヤムの娘役の李宇春は主題歌も歌っていたのか。一度見て結末を知っていると、よけい泣けるんだよなあ。
 しかし、見ていると、なぜか「葉問」と登場人物がだぶるのであった。あれ、ファン・ビンビンはドニーさんの妻ではなかったのか(タイプが同じだ)、そうか離婚して葉問師父は博打に溺れるようになったのか(違)とか。ヤムヤムは劇団じゃなく社長じゃなかったのか(違)とか。考えてみるとキャストがだぶっているのね。敵方には行宇さんもいたし。ルイス・ファンがどこかにいるような気がしてしかたがなかった。
 レオン・ライを見ると、最後にきめきめで登場したシーンで香港で笑われていたことが思い出されるのだが、何で笑われてたかなあ。「物乞いがいる」って言われてたからかなあ。

 劇場公開になったら、また行こう。

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「Johnnie Got His Gun !(ジョニー・トーは戦場に行った=監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて)」

 ゆうばりファンタで最初に見たのがこれ。これを見るために金曜日は年休をとったといっても過言ではない。
 フランスのイブ・モンマユー(Yves Montmayeur)監督が撮ったドキュメンタリーである。撮影は2003年ぐらいから数ヶ月前ぐらいまでの長きにわたったらしい。トー監督のインタビューに映画のシーン、キャスト・スタッフのインタビューが差し挟まれる。ヤムヤムこと任達華による「銀河映像ビル案内」もある。
 出てきた映画は「大事件」「PTU」「鎗火」「文雀」「黒社会」「放・逐」「奪命金」(順序はちょっと不同)。インタビューがあったのは、撮影の鄭兆強、リッチー・レン、ヤムヤム、秋生さん、梁家輝、古天楽。中国冰室でインタビューを受けていた金髪にサングラスのスタッフは誰だろう。
 映画は好きなシーンが多くて思わずにこにこしてしまう。
 たしか最初は「大事件」から始まった。文華新村のアパートの廊下の撮影シーン。あの廊下は、狭くて曲がりくねっていて、ギャングには有利だが警察には大変、だから撮影に使ったとのこと。撮影も大変そうだったなあ。冒頭の銃撃戦長回しも出てきて(全部見たかったけどさすがにそれは無理か)鄭兆強が苦労を語っていた。
 「PTU」は尖沙咀の通利琴行の前とか中国冰室とか。「鎗火」は楽口福酒家のネズミが殺されるシーンとジャスコのシーン。リッチーは「大事件」の出番待ちと思われれる茶餐廳の店頭のテーブルでインタビューを受けていた。あの茶餐廳は貸切なんだろうか。
 トー先生の会社のビルはたしか大角咀だったと思うのだが(【訂正】觀塘でした。行ったときの記事はこちらに)、ビルの隙間から高速道路ごしにちょっとだけ海が見える。もしかして、空港バスからちょっとだけ見えるのかしら。
 「放・逐」のマカオのホテルのセットは、会社のビルの屋上に作られていた。ヤムヤムが言うには「撮影で壊したり汚したりするから、どこのホテルも貸してくれない」とのこと。ヤムヤムは「監督と一緒に仕事ができて幸せ」と言っていた。電話で「すぐ来い」と言われたりするらしいけど。
 監督のインタビューで印象的だったのは「ヒーローは法の下で任務を全うする者。任務(法だったかも)とは、理想・正義・友情(たぶん)。だから、ギャングにもヒーローはいる」という話。あと、80年代の香港映画は決まり切った形で、それで銀河映像を作ったとか、香港返還のときに歴史の転換点にいると感じて「黒社会」を撮ったとか、むかしのコッポラやスコセッシが好きだったが90年代以降は何もないとか、その他にもいろいろあったのだが、全部思い出せない。もういっぺん見たいなあ。
 昨年のトー先生のトークイベントと呼応する話もあって面白かった。「映画監督じゃなかったら、電話会社の仕事か警察だったかもしれない」とか。秋生さんが言っていたのは、「照明がついてカメラがセットされたときには、役者はすべてをわかっていなければならない。監督を理解していることが必要。さもなければ、俳優は物でしかない」ということ。監督が「わかってやってくれる役者が必要」と言っていたのと見事に対応していた。秋生さんやヤムヤムや梁家輝や林雪はトー先生とわかりあっているんだなあ。
 終わってから、モンマユー監督のインタビューがあった。監督は三池崇史や日本のピンク映画のドキュメンタリーを撮っていて、映画についてのインタビューを撮っている人らしい(IMdbのページはこちら)。
 撮るにあたっては、なるべくトー先生の映画に溶け込むこと、たとえば、映画とドキュメンタリーの映像が区別がつかないよう心がけたとのこと。なるほど、それはよく撮れていたと思う。撮影は香港に行くたびに少しずつ行ったとのこと。

 トー監督は、香港映画をもっと広げるために、外国と仕事をしたいらしい。香港と香港映画への愛が伝わってくる。モンマユー監督によるとドキュメンタリー撮影は二つ返事でオーケーだったらしいのだが、理由はこのあたりにあるのかも。

 こちらは「奪命金」についてのインタビュー。

 字幕は、下に英語字幕、右側に日本語字幕だった。日本語字幕は、ゆうばりのスタッフがつけてくださったものらしいのだが、惜しむらくは、時々日本語がおかしかったり意味が通らなかったりして(英語字幕の方がわかりやすいこともあった)、あまりよくなかった。最初は日本国外でつけたのかと思ってしまったぐらい。せめて出てきた映画の場面ぐらいは見ておいておいてほしかったような(「ギョロ目」が「アイボール」じゃわかりませんて。あと林雪はラム・スエットじゃないし)。大坂アジアン映画祭ではどうなるんだろう。

 ドキュメンタリーは権利関係がむずかしいらしいのだが、「Johnnie Got His Gun !」は海外でDVDが出る(「出ている」のか「出た」のかは不明)とのこと。日本でも「いいディストリビューターがいれば」とのことなので、ちゃんとした字幕をつけて、どこかで是非とも出してほしい。その前にどこかで輸入盤を買えたら買ってしまうかもしれないけど。

【2013年2月追記】
 2013年2月16日に「監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて」のタイトルで全国公開されることになりました!公式サイトはこちら
【2013年3月追記】
 東京出張のついでに見てきました。字幕はまともになっていました。よかった!記事はこちらに。

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