「維多利亜壹號(ドリーム・ホーム)」
ゆうばりファンタの1日目に見た映画。
スプラッタとかホラーとかには弱いのだが、イーソンが出るし、彭浩翔だし。心頭滅却して見ることにした。
そしたら、思ったより気持ち悪くならなかったのだった。
お話は、要するに「香港の住宅は高い!家を手に入れるのは大変!!」ということだと思う。ほんとに大変である。
余談だが、またもやりえさんに教えていただいた。
香港RTHKの番組「窮富翁大作戰」。
誰もが納得の裕福な人が、数日間最低層の生活を体験する密着ドキュメンタリー「show」。議員さんがゴミ収集(あの香港の街中にあるゴミ箱からゴミを回収する仕事)の仕事をしちゃったり。一人押し入れ1間分のスペースしかない「籠屋」の単位面積あたりの住宅費はお屋敷より高い。詳しいことは、上記のりえさんの記事を是非ごらんください。旅行者としてのほほんと滞在している香港だけど、こういう人たちに支えられているのだと思う。
話は映画に戻って、パンフレットには「悪に染まっていく」と書いてあったけど、ジョシー的には悪に染まってるつもりはないと思う。子供の頃から海の見える家に住むのが夢で一生懸命働いただけだ。まあ、「そこで電話に出るなよ!」とか「もうちょっと計画的にやってはどうか」とは思ったけどね。
昼は銀行の電話セールスで、夜はバッグ屋さんで一生懸命働くジョシー・ホーの物語。ジョシーは海の見える家に住むのが夢で、病気のお父ちゃんをかかえつつ一生懸命働いてお金を貯める。しかし、香港の不動産はとほうもなく高い。ついに手に入るかと思ったら、家主に値段をつり上げられる。
そのマンションというのが、どーんと全面海景。タイトルの「維多利亜壹號」はマンションの名前なんだけど、ビクトリア湾に面していて向かいが湾仔なんだよね。あんなマンションあるのかしら。
また余談だが、香港のBPインターナショナルの隣にマンションがあって、九龍公園越しに海と香港島が見えて、しかも公園だから景観が保証されているのよ。1階にも向かいにもスーパーマーケットがあるし、交通はめちゃくちゃ便利だし(バスはばんばん走ってるし、真ん前に尖沙咀行きのミニバスは止まるし、すぐ近くに西鐵の駅はできたし)、1本道を渡れば食の楽園。もしくれるなら(誰もくれないけど)あそこがほしい。
見る前に映画の担当者のお話があって「〜人死にますが、全員死に方が違います!」とのこと。おかげで、ああこれで〜人死んだからあと〜人だと数えていたので、気が紛れた。事前にああいう事を言うのはいいのか悪いのか。私は助かったけど。
それより何より、これってパン・ホーチョン流の「集體回憶」映画じゃないか。タイトルバックがずーっと香港の団地(文字の入り方と撮り方がアーティスティックだ)なのだが、最後から4番目は間違いなく牛頭角下邨。映画の中に、ジェシーが子供の頃の団地の思い出が差し挟まれるのだが、最後は取り壊しで立ち退きで、まるで利東街みたいだった。
なつかしの牛頭角下邨(詳細はこちらに)。
あと、香港映画を見ていて「車にはねられようが、銃で撃たれようが、剣で切られようが、香港人はなかなか死なないものである」と、かねがね思ってはいたのだが、やっぱりそうだったのかという思いを新たにしましたね。生命力強すぎだよ、ホンコンヤン。
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