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九龍皇帝的文字楽園

 (タイトルを訂正し加筆しました)

 太古城で開催中の九龍皇帝的文字樂園に行ってきた。香港の街頭に文字を書き続けた九龍皇帝こと曾灶財の展覧会である。
 バスで行ったのだが、会場の康和大廈が最初わからずちょっとうろうろ。太古坊の中の方。地下鉄の鰂魚涌站A出口かバスなら太古坊か新威園がもよりの停留所だと思う。

九龍皇帝文字的楽園

 入り口。

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 入るとこんな垂れ幕が。
 会場はいくつかに分かれていて、まず、街頭に書かれたものの写真展示。街頭に書かれたものは残っていないものも多く写真で紹介。

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 どこにあるかを示したもの。

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 これは本人が映っているけど、どちらかというと、文字が書かれた香港の風景写真を見る感じ。

 次は、本人が使ったもののコーナー。

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 晩年は養老院に入っていて、そこではマジックで紙に文字を書いていたとのこと。足が悪くて紅花油を使っていたのだが、養老院に入ってからは白花油で代用していたとのこと。

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 養老院で紙に書かれたものがパネル10枚ぐらいあった。

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 自分の血統や清王朝や孫文など自分をとりまく歴史について、とにかく書き続けたらしい。何と言うか、ことばを味わうというものではなく、いい文字だからというわけでもなく、文字を書き続けずにはいられなかった精神を見るという展示だった。うちに飾っておきたいという芸術ではないんだよなあ。その内面はいかばかりであったのか、考えると眩暈がするようだ。
 続いて、新聞の報道とか、Tシャツなど商業化されたものとか、インスパイアされた作品の展示。最後に、文字が書かれた配電盤らしきもの(たぶん本物)や自由に文字を書く壁面があった。
 メインは、文字のある香港の風景と、実際に書かれた文字だったと思う。おそらく街頭で目にしているのだが当時は風景の一部だったし、刻々と変わりつつある香港の「集體回憶」的な側面もあるだろう。自分と歴史について取り憑かれたように書き続けた精神は実際に見ると凄まじいものがある。
 太っ腹にも入場無料(しかもけっこう立派なパンフレットつき)で、家族連れ、フラッシュは禁止だというのに焚きまくって記念写真を撮る人など、客層はさまざまだったのだが、香港人のみなさんはどんなふうに感じたのだろうか。

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コメント

こんばんは。
九龍皇帝の展覧会、丁度いいタイミングでしたね!
私も香港ナビで見て、「行きたーい」と思っていたのでしたが、思い立つことはできず。。。
100%香港製造でその存在を知ってから、尖沙咀のスターフェリー乗り場の柱を注目したりするだけだったのですが、こんなにたくさんの作品が残っていたのですね~。(ま、「作品」と言っても彼にとってはただの主張文なのでしょうけど。)

どうぞ、良い旅を♪

投稿: KIMIKO | 2011.05.02 21:17

「打擂台」といい「九龍皇帝」といい
うらやましいです!

「打擂台」は映画祭でも見そびれたし。

九龍皇帝は亡くなってから(あるいは亡くなる直前?)
落書きが神聖化されましたね。

まだ九龍皇帝に対してなんにも知らなかったとき、
香港のあちこちでこの落書きが目に入ってたけど、たいして注意もしてませんでした。
これは香港の落書きの、定番の書き方なのかと
思ってました(笑)。
複数の人々が書いたものと思ってました。
(日本でなら、何かよく分からない文字みたいなスプレーで書いたあの落書きのような)

投稿: 学芸員K | 2011.05.03 08:44

KIMIKOさん 学芸員Kさん

お返事が遅くなりました。
本当に、今回はいいタイミングで行けたと思います。
九龍皇帝は、最初は落書き扱いだったのですが、報道されたりして存在が有名になり、その主張と消えゆく香港が相まって芸術扱いされるようになったのだという気がします。実際に文字を見ると、その執念に目がくらみそうでした。
実際の文字を見るのも興味深かったのですが、作品としては、風景写真として見る方がよいような気もします。直接書かれたものより、写真集があったら、ちょっとほしいかも。

投稿: きたきつね | 2011.05.04 23:45

これはいわゆる「アウトサイダーアート」なのかもしれませんね。
街の中で見るのが一番良いものなんだろうな。
觀塘の銀都の横にあるのを最初に見つけたときには小躍りしました。
写真集があったら私もほしいです。
何を考えてあの字を書いていたのかわからないけど、書かずにはいられなく書いていたのでしょうね。独自の表現方法を手にしたということで、幸せなことだったのでは、と思うと共に、彼にあれを書かせたものは何だったのか興味があります。

投稿: ゆずきり | 2011.05.05 06:22

これはアウトサイダーアートだと思います。
紙とマジックになったのは養老院に入ったからで、本来は街の中にあるべきものなのでしょうね。
3枚目の写真の分布模型を見ると、觀塘にけっこうあったようです。銀都の上の隣の建物(坂の上の方)は立ち退きが進んでいるようなので、あのへんも秒読みかもしれません。スタンダードチャタード銀行のそばにあるかも、という情報をいただいたので、次回行ってみようと思います。
幸せかどうかはともかく充実した人生だったんだろうなあ。写真集は欲しいのですが、家に直筆があったら夜うなされそうな迫力ではありました。

投稿: きたきつね | 2011.05.05 22:53

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