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「維多利亜壹號(ドリーム・ホーム)」2回目

 札幌に蠍座という映画館がある。検索をかけるとここがトップでヒットするので自前のサイトはないのかもしれないけど、やや古めの、しかし好きで選んできたとおぼしき映画が1本800円、2本1200円で見られる。毎月10日前後に発行される紙の「蠍座通信」もよい(これウェブアーカイブにすればいいのになあ)。
 で、ふと見ると、「維多利亜壹號(ドリーム・ホーム)」が今日からで、つい見に行ってしまった。いや、ゆうばりファンタで一度見ているのだが(記事はこちら)、パン・ホーチョンだしね、香港に行こうかと思ったけどやっぱり無理そうだし、だいたい何が起こるかわかっているからいいや。
 しかし、R18+だとは思わなかったぜ。考えてみると、モザイクかかってなかったなあ。
 今日が初日で、お客さんは、おっちゃんが数名、プレミアムモルツを売店で買っていた男前のおねえさん、カップル1組など。これをカップルで見るというのは焼肉を一緒に食べているよりすごいな。

 予告編。
 前は見つからなかったのに、動画があった。

 みなさんが監督について語ったりしているようだ。スタッフがさりげなく豪華じゃないか。ウィン・シャって写真や映画を撮ってるあの人だよね。アクション監督は銭嘉樂だし、特殊メイクの人はもしかしてALIVEの人じゃないか?
 ほかにもメイキングの動画が上がっている。

 お話は、不動産が高騰している香港で、どうしてもどうしても海の見えるマンションに住みたいジョシー・ホーが、買いたい部屋の値段を下げたいがために隣の部屋の人々を殺し、ついでに音楽がうるさい上の部屋の人々も殺し、あまつさえやってきた警官さえ殺してしまい、しかし、そのおかげで値段が下がって、ついにそのマンションを入手せしめるというもの。

 二度目に見た感想は、
・イーソン、やっぱり髪型が変
・ジョシーがホテルに持ち込んでいた糖水は紅豆沙だったのか。冷蔵庫に入れてもらったということは冷たいほうだったのね。
・「ぽっかい」って言い過ぎ。香港じゃ人前でぜったい言ってはいけない類の語彙だということは知っているけど、覚えてしまいそうだ。
・その「カワイイ」の使い方は間違ってますから!
・ジョシーはまじめだったんだなあ。
・ジョシー、思い立ってから20分の衝動的な犯行だった割には、うまくいっちゃったんだなあ。
・人は死ぬときは簡単に死に、死なないときはなかなか死なないものなのだなあ。

 いやもう人がばたばた殺されていくのであるが、どこでどうなるかは知っているので、そこは心情的にスルーして、もっぱらバックの香港と彭浩翔的「集體回憶」を見ていた。
 ジョシーが買いたいマンション「維多利亜壹號」を海側から見ると、後ろに獅子山が見えるんだよね。ということは、思ったより土瓜湾寄りなのかなあ。子供のころお爺さんを迎えに行った埠頭は、北角か觀塘あたりに見える。
 テレビニュースで皇后埠頭取り壊し反対のハンストが出るんだけど、

 こういうの(関連動画たくさん)。
 もしかして、ジョシーが住んでいた団地が取り壊されるくだりは、利東街(カードなど印刷物を扱う店が多かったので「喜帖街」と呼ばれた通りなのだが激しい反対運動の末まるごと再開発されて通りの建物が全部なくなった)の本物のフィルムを使ってないだろうか。

 利東街はこれまた動画がたくさんあるんだけど。
 「喜帖街」って歌にもなってたんだな。

 香港の古い街がどんどん重建(再開発)されていくのは、部外者ではあるが心痛むものがあって、そのために、どうしてもジョシーを責めきれないと思うところはあるのだった。
 それにしても、何もしなければ、サブプライムショックであそこは幾ら値下がりしたんだろう。650万ドルというと今は円高だから6500万円見当で、それが390万ドルということは3900万円で、安いかもと思っちゃったんだけど。もっと下がったのかな。「実話にもとづく」ということは、結局ばれちゃったんだろうか。

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コメント

囍帖街(喜帖街)はすごく好きな曲でしたが、利東街のことを唄っているとは全然知りませんでした。もっと廣東話勉強しないとなぁ。

投稿: 香港フリークOno | 2011.09.23 09:15

「喜帖街」が利東街重建のことを歌っているかどうかはわからないのですが、歌詞を見ると、どうもそんな気がします。
利東街は「喜帖街」と呼ばれていたわけですし。
利東街の写真といっしょに歌を聴くと、ことさらに沁みますね。

投稿: きたきつね | 2011.09.24 19:53

Wikipediaによれば「而《囍帖街》表面上是一首情歌,實際上是對於利東街的清拆感到婉惜」だそうです。

投稿: 香港フリークOno | 2011.10.01 07:58

情報ありがとうございます。
やっぱり利東街のことを歌っていたんですね(涙)。若い世代にも古い香港を惜しむ気持ちが浸透しているということでしょうか。少しでも、古い香港が(住んでいる人にはなるべく快適な方向で)残っていってくれるといいのですが。

投稿: きたきつね | 2011.10.02 21:29

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