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「再会の食卓」

 最近のホテルには、1000円で映画見放題というビデオサービスがあって、100本ぐらい取り混ぜてラインナップがあったりする。しかし、1泊だと夜と朝しか見る時間がないので、途中まで見たり、前に途中まで見たのの続きを見たり、早送りして見たり。なぜか「頭文字D」の吹き替え版が「邦画」に分類されていて、笑いながら秋生さんの出てくるシーンだけ早送りして見たり。
 そんな中で最初から最後まで見た1本。
 中国で国民党の兵士と結婚したものの、夫が台湾に渡っている間に共産党政府が成立し、国民党だった夫は中国に戻って来られなくなる。それから年月が経ち、台湾から中国への訪問団として夫が戻ってくる、というか戻ってくる前に手紙をよこして、その手紙が読み上げられるところから話が始まる。

 予告編。

 ストーリーのほとんどが説明されてしまってますが。
 冒頭、手紙を読み上げるのは、主人公であるリサ・ルーの孫娘。主人公は、夫が台湾に渡ってから息子を生むのだが、その後共産党の兵士であった夫と結婚し、2人の娘に恵まれている。前の夫は台湾で再婚し、妻に死なれたとのことで、「だから戻ってくるのよ!」と悪態をつかれている。
 で、前の夫は、主人公が現在住んでいる家を立ち退いて移る先のマンションの工事現場を一緒に見に行って、一緒に台湾に来て欲しいと言うのであった。
 えええええ。
 自分だったら絶対いやだわ。というか、この夫、別れてからの40年をどう思っているのか、娘が言うとおり、台湾の妻が死ななかったら戻ってきてそう言えたのか、こっちにはこっちの人生があったのに何を考えているんだ。ぬけぬけと当然のようにそう言えるというのはいったいどういうこっちゃ!と切れてしまうところだが、主人公は悩むのであった。
 また、今の夫のルーさんがとってもいい人でね。どっちを選ぶかというと、タイプとしてはルーさんだろうよ。30元の蟹と50元の蟹と100元の蟹があったら、「お客さんに出すから」と100元のをありったけ買っていくような、ええかっこしいのところもあるけど。だから言いたいことも言えなかったりするんだけども。
 見どころは「食卓」と上海の街である。なぜタイトルに「食卓」という言葉が入っているかというと、食卓が頻繁に登場するから。手紙が読み上げられるのも食卓。お客さんを歓迎するのも、送り出すのも、大事な話をするのも食卓。家族が囲むのは食卓。料理がいちいち美味そうだ。台所でお湯を沸かして待っていて、買ってきたばかりの生きた蟹を投入したり。歓迎会は地区の会館の台所と食堂でやったらしいのだが、その台所も家の台所も見られたり。
 歓送会は、上海の古い路地にテーブルを置いてた。洋館みたいな植民地様式の建物が並んでいて、頭の上には洗濯物がぶらさがっていて、まるでイタリアみたい。古い街って、同じ中国でも北京と上海では全然違うのだな。
 最後の場面も食卓なのだが、メインが鳥の丸蒸し(たぶん)で、そのまわりに野菜のおかずが数点。それほど特別な日とも見えなかったけど、おいしそうだったなあ。
 中国の、家や街や食卓の空気を感じつつ、人生の機微を感じるような、派手ではないけど、いい映画だったと思う。

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