« 「ベスト・キッド」(2010年版) | トップページ | BS怒濤のアジア映画祭り(特に「デリー6」) »

「ママはベリーダンサー」

 迫り来る大繁忙期(すでに突入しつつあるが)を前にDVDとか映画とかを極力見まくる日々。

 これ、日本版DVDが近所のレンタル屋にあって驚く。日本語字幕版出てたのか(でもアマゾンにはなかったわ)。とにかく喜々として借りた。

 予告編。

 冒頭は香港の団地。ロの字型で、ロの字の内側が通路になっているタイプの。次いで出てくるのは団地の中にある街市。まさに香港である。修練の甲斐あって、団地を見ると懐かしい気持ちになるように。たいぱいとんも出てくる。
 後でわかるのだが、この団地は彩虹である。茶餐廳は鑽石咖啡冰室 (作中、客が全員おばちゃんで怖かった。普通はおっちゃんが多いのに)。お話はほとんど彩虹の団地で進む。
 原題は、おそらく「主婦はつらいよ」じゃないかと思うんだけど、ほんとにいろいろ辛い。勉強したい気持ちを抱えて家事にいそしんでいるのに夫と息子にないがしろにされるとか、できちゃった結婚で娘はたいそういい子に育ったのだが旦那が浮気していて悪びれないとか、夫が無職で娘が4人いてゴミ集めの仕事を一生懸命していたのに人員削減でクビになり家族に言えないとか。役名が李太、陳太、黄太、と、みんな「〜の奥さん」で名前がない。唯一チェリーだけは名前だけど、(たぶん)未婚の母で、赤ん坊を放り出してデートしたりしているけど満たされてない。
 この4人が、彩虹の団地のコミュニティーセンターでベリーダンスを習うわけです。なぜかというと、本当は中国の民族舞踊を習うはずが講師が来ず、代わりに手配されたのがベリーダンスの先生で、団地のボスおばはん率いるグループは席を蹴って帰ったのだが、反発する陳太(街市で果物屋をやってる)が李太をひっぱって始めたのだね。ほどなく黄太とチェリーが加わる。
 始めてからもいろいろあって、李太の旦那が教室の妨害をする。呉鎮宇とチョンプイさんを足して割ったような顔をしているのに全くこの旦那は、息子も息子だよ、と思う。陳太は旦那の浮気相手と対決するけど、手切れ金を払ったと思ったら娘が旦那を蹴り出すし。
 そんな中で、林家棟、なんていい旦那さんなんだ!「君の笑った顔が見たい」。最高や。いつもしゅっとした服装だし。無職だけど。
 特別出演の劉徳華もいい役だった。いい男オーラが満開で思わず画面に手を振ってしまう。しかし、陳太、なぜ、その映画を見ておきながら、店主の顔を見て何も気づかない!?いや逆か。店主の顔を見ておきながら映画を見て何も気づかない!同じ人じゃないか。
 同じく特別出演のラム・ジーチョンもいい役だったな。
 舞台である彩虹の団地は窓の下の板の色がとりどりで綺麗で印象的。牛下は青一色であれはあれで綺麗だった(…)けど。名前が「彩虹」だから色とりどりなのかなあ。シンボルマークも虹だったし。李太、陳太、黄太のそれぞれの部屋も、狭いながらも、実はインテリアが素敵だったり(実際は違うんだろうけど)。
 アンディ・ラウが若い監督のために作った会社の映画で、最後の時系列がちょっとわからなくて、「入場券」の続きはどうなったのか、とか、どこがリアルでどこが想像のシーンなのか区別がつきにくかったけど、いい映画だと思う。
 これ、DVDほしいんだけどなあ。
【追記】
 コメントで教えていただいたのですが、アマゾンで「MY MOTHER IS A BELLY DANCER 」のタイトルで扱ってました(ありがとうございます!)。これでキュートな林家棟がわがものに。

20110927hongkong

 たぶん、ここ彩虹だと思う。
 今度ちゃんと歩いてみよう。
 「我愛香港 開心萬歲」のロケ地も彩虹じゃないかな。

|

« 「ベスト・キッド」(2010年版) | トップページ | BS怒濤のアジア映画祭り(特に「デリー6」) »

コメント

彩虹、まだ行ったことないですが、ステキな地名ですよね。
目的なく、ただ名前に惹かれてぶらぶら歩きに行ってみる、そんな旅をもう一度したいもんです。

投稿: faatming | 2011.10.01 10:18

初めて書き込みします。

色とりどりの板のあるアパートはどの建物か分からないですけど、だいたい彩虹ですよ。
以前よく彩虹に遊びに行っていたので赤いベンチや団地の様子など懐かしかったです。
彩虹は大衆的な住宅地で中国からの移住者も多くいろんな人種がいます。富裕層は住まないですね。
ハリウッドホンコンも近くの鑽石山が舞台だったかしら。

DVDは私も以前もっていたのですが親戚に貸しているうち行方不明になってしまいました。
英語タイトルで検索すると売ってましたよ。
http://www.amazon.co.jp/MY-MOTHER-BELLY-DANCER-DVD/dp/B001B8GDB0

>「酔拳」のユエン・シャオティエン師父は元祖ヨーダなんだぞー
これからヨーダがユエン・シャオティエン師父に見えそうです(笑)

投稿: maiko | 2011.10.01 13:49

お返事が遅くなりました。

faatmingさん
彩虹は香港の典型的な団地なので、屋邨文化(香港の団地文化)や庶民の生活に興味があれば面白いと思いますが、向き不向きがあるかもしれません。

maikoさん
情報ありがとうございます。
やっぱり彩虹は色とりどりなんですね。そして、そういえば鑽石山(ダイヤモンド・ヒル)は隣の駅でした。ダイヤモンド・ヒルといえばスラムが有名でしたよね。今はすっかり重建されていますが。
DVD情報ありがとうございます。さっそく発注しました!
ユエン・シャオティエン師父がヨーダの原型であるというのはかなり確からしいです。師父を見るとヨーダが、ヨーダを見ると師父が浮かぶ体質になってしまいました。

投稿: きたきつね | 2011.10.02 21:39

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ママはベリーダンサー」:

« 「ベスト・キッド」(2010年版) | トップページ | BS怒濤のアジア映画祭り(特に「デリー6」) »