「3 Idiots」
実はこの記事、2010年の初めに下書きをしてあった。なぜなら札幌でばったり会ったインド人の知り合いがDVDを貸してくれたから。
しかし、今回、香港・台湾で大ヒット。香港では9月から公開されているのだが、なんとまだロングラン中。1日1回の上映なのだが満員である。旺角で見ようと思ったら満席でapmの映画館でやっと見られたのだった。前2列を残して人はぎっしり。客層は老若男女。ホンコンヤンの皆様はどっかんどっかん笑ってました。一緒に見られて幸せだ。
2009年末にインドで大ヒット。賞もたくさん獲った。貸してくれたインド人も「素晴らしい!」と大絶賛していた。
アーミル・カーンはインドでは「ミスター・パーフェクト」と呼ばれているらしく、作品の選択にはずれなし、「他の俳優は前払いでギャラを求めるが、アーミル・カーンは公開後も最後まで宣伝につきあってくれる」というコメントをどこかで読んだことがある。個人的には、なんとなくトム・ハンクスと印象がかぶる。
見直して驚いたのは、先生を演じていたボーマン・イラーニーで、この人インドで見たコメディ映画で空気の読めないおじさんを演じていた人だよ。同一人物とはとても思えない。うますぎる。【追記】と思ったら、別人でした。失礼しました。同一人物と思えなくてあたりまえだ。ああ、びっくりした。でも、うまいよね、ボーマン・イラーニ。
それにしても「3 Idiots」って何をどう訳しても「三馬鹿」だよなあ、と思っていたのだが、日本でも「3馬鹿に乾杯!」というタイトルだったっけか、映画祭で公開されたのよね。なんで一般公開しないんだろ。インド映画はラジニとシャールクだけじゃないのになあ。
ともあれ予告編を張ろうと思ったら、軒並み埋め込み不可。香港版の予告編はこちら。インド版はこちら。
実質的な主人公はアーミル・カーン演じるランチョー。そして、その親友ファルハーンとラジュー。この3人がすなわち「三馬鹿」。
物語は、大学を卒業した10年後、かつての同級生チャトゥルにファルハーンとラジューが呼び出されるところから始まる。チャトゥルはランチョー・ファルハーン・ラジューに恨みをもっており、10年後に自分が成功したことを誇示しようとしていた。
映画は、現在と主人公たちの過去が交互に描かれる。
彼らはインドの名門工科大学に入学したのだが、インドの受験競争は厳しく、工科大を卒業するとその後の進路は保証されるが、学内での競争もまた激しい。本当にエンジニアになりたくなくても出世や収入や名声のために入ってくる者もあり、その親もまたしかり。重圧のため自殺する者も出る。劇中にも出てくるのだが、インドの若者の自殺率は高いらしい。舞台の大学はどう見ても実在のインド工科大学だ。ラジューみたいな境遇(貧しくて「昔の広東語映画のよう」と香港の中国語字幕では書かれていた)の学生もきっといるよなあ。
ストーリーはそんな風潮をやんわりと批判しつつ、笑いあり涙ありラブストーリーあり感動あり。香港ではインターミッションなしの3時間ぶっとおしなのでお腹いっぱい楽しめる。時々やりすぎじゃないのと思うところもある(スピーチを書き換えるとか)が、とにかくアーミル演じるランチョーは頭がよく人の心もわかるとってもいい奴。カリーナもかわいいなあ。
アーミルはシャールクと違って、あまりずぶぬれにならない方がいいと思うけど。
最後のラダックとか、バックの風景もとてもきれいで、大きなスクリーンで見られてよかったよかった。
それにしても終わるや否やエンディングソングが流れているのに立ち上がるのは、さすが香港だと思いました。
(帰ってから加筆するかもしれません)
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コメント
香港で映画を見ると、楽しいですよね。
日本だとクスクス笑いの私も何故か香港では、思いっきり笑ってしまいます。
そんな香港で、あの楽しい作品をご覧になれたのねすね。
ただのおバカ映画ではない、何度も見たい作品です。
アーミルの作品もこれからどんどん見ていきたいです。
で、ずぶぬれはシャールクに軍配、なんですね(笑)
投稿: やっほー | 2011.12.29 20:29
お返事が遅くなりました。
たしか、やっほーさんも香港でご覧になったんですよね。
いやー、香港のスクリーンで見られてよかったなあ、と思いました。
最終的には「Dabangg」に興行成績では抜かれてしまいましたが、いい映画ですよね。
アーミルは、あんまりワイルドな雰囲気ではないし、濡れるとぺったりしてしまうので、ずぶ濡れにならないほうがいいと思うのです。シャールクはずぶ濡れが似合いすぎますが。
ともあれ、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: きたきつね | 2012.01.01 15:48