「意外(アクシデント)」
やっと札幌に来た!
上映が今週いっぱいで、今日を逃すと行けないので、万障繰り合わせて走って見に行った。
制作:ジョニー・トー先生、監督:ソイ・チェンの銀河映像作品。冒頭、おなじみの音と共に、メディアアジアの紫のしましまに続き、銀河映像のロゴがひゅーっと出てくると嬉しい。
予告編。
現代の「意外」は「事故」の意味。ルイス・クーは、チームで人を事故に見せかけて殺すという仕事をしているのだが、どんどん予定外の「意外」なことが起こり、何が故意で何が偶然なのかわからなくなるというお話だと思う。事件も偶然も人の心の中にあるのだなあ。
チームの皆さんの仕事ぶりはとても緻密で、模型は作る予行演習はする、絶対正体がばれないよう依頼人との連絡方法も工夫しまくり。あれでは報酬がよくても利益が多いとはいえないのではないかと思う。
お話も面白いし(先がぜんぜん読めない)、しかも、とっても「街もの」映画。スクリーンで香港の街を堪能した。
冒頭出てくる煙廠街は旺角の小さい通りなのだが、一時期すぐそばのスタンフォードホテルが定宿だったので、心のご近所感覚が蘇り大喜びした。小さいながらも街市があっていい通りなのよ。角を曲がった花園街はご飯処がいっぱいだし。小さいお菓子やさんがあったり。
まさにこのへん。
看板の「特價市場」は、おそらくしょっちゅう映っていた小さいスーパーだと思う。瓶詰め調味料が惠康あたりより安かった。撮影大変だったろうなあ。
電車のシークエンスは北角だし、リッチーのお家は馬頭圍と書類に書いてあったので、現在の心のご近所である土瓜灣の近くだよね。最後のルイスが工事姿でいるところも土瓜灣ぽかった気がする。しょっちゅう出てくる「三角に黒丸」の交通標識は何かと思ったら、こちらで意味を意味を教えていただいた。なるほどー!今度行ったら注意して見てみよう。それが最後にはああなるのね。
絶対笑わないルイスは、監督のお話によると役に合っているらしい。疑り深いのか?ルイス。人に会いそうもないときにでもネクタイだったけど、最後の工事姿も似合っていたなあ。アパートの壁や天井にメモ書きしまくりは「神探」のようだった。林雪は出てくるとやっぱり嬉しく、手を振ってしまう。風船も野菜運び自転車も似合ってたねえ。フォン・ツイフォンはいかりや長介かモーガン・フリーマンみたいになってきたなあと思った。そして、リッチー・レン、最初に「この人リッチーに似ているけど、こんなおっさんくさくないよね」と思ってしまって、ごめん。
あと、室内もなかなかよくて、アパートの中はロケかセットか分からないのだが、後からルイスが借りる部屋の壁とか窓の意匠が素敵だった。階段の踊り場の丸が連なった透かしは牛下にもあったなあ。たぶん香港の古い住宅建築の様式なんだろうなあ。フォン・ツイフォンを連れてくるがらんとした古い部屋もよかった。
さて、2週間後の土瓜灣を励みに仕事だ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント