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「Pina (ピナ・バウシュ踊り続けるいのち)」

 のっけから違う話なのだが、今年NHKはローザンヌ・バレエコンクールをフルで放送しないのだろうか。菅井円加さんが第1位になり30分のダイジェストが放送されたので、かえって心配なのである。毎年楽しみに見ているのに。今年も是非フルバージョンでお願いしたい。
 クラシック・バリエーションもいいのだけども、何が楽しみかというとコンテンポラリーなのだった。むかしは教室の先生が振り付けた創作ダンスみたいなのがあって、解説のクロード・ベッシー先生(元パリ・オペラ座バレエ学校校長。歯に衣着せぬ物言いがすんばらしかった)に、ぼろかすに言われていたのだが、最近は振り付けがちゃんとした課題曲から選ぶようになって見応えがあるのである。
 コンテンポラリーは全然わからないのだが、踊るならクラシックよりコンテンポラリーだよな。実は、子供の頃からずっとバレエをやりたかったのだが、脚の関節に問題があってかなわず(大人になってよかろうと思って習い始めたら半年で頓挫)、ダンスは一種永遠の夢なんである。
 
 で、くたびれたので、「Pina (ピナ・バウシュ踊り続けるいのち)」を見に行ったのであった。公式サイトはこちら(音が出ます)。3Dで監督はヴィム・ヴェンダース。そういえば、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされていたっけね。

 予告編。

 いやあ、面白かった。
 ピナ・バウシュ自らが「言葉にできないものを表現する」と言っているので、言語化するのは難しいのだけれども。おそらく、実際のステージの記録ではなく映画のために撮影したのだと思うのだが、ステージや野外や公共の場所や、いろいろな場所で踊られる作品の合間に、団員の短いコメント(表情だけのこともある)が入り、クローズアップされた団員が出る踊りが次に出てくるという構成。メンバーの母語はいろいろで、ドイツ語だったりフランス語だったりイタリア語だったりスペイン語だったり韓国語だったり。インド人ぽい人もいたな。最後のキャプションをみると日本人も1人いたのだが、何も言わなかった東洋系の人がそうだったのかな。最後の方になると、踊っている人が何となく判別できるようになる。
 年齢層が高いメンバーが多いのも特徴的。最初の「春の祭典」で「あら、頭の薄い人がいるよ」と思ったら主役みたいだったし。円熟味が増すんだそうです。うん、よかった。セクシーだしユーモラスだし。なんだか萩尾望都先生とかジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの話みたいだった。「春の祭典」と「カフェ・ミュラー」は是非オチが知りたい。
 土や砂や水を使うのが特徴的らしいのだが、「フルムーン」は舞台に巨大な石があって、ステージがだんだん水浸しになって、踊り手もずぶ濡れなのね。あれ、実際のステージではどうなってたんだろ。
 水や砂を使うと、リハーサルとかやり直しはきかないわけで、「そこで生まれる」感がよかった。ピナ・バウシュは「自分を失わないために踊り続けなさい」と言っていて(これが映画の原題)、団員の動きから踊りを作っていったらしい。踊りが「生きている」感じ。踊りの力を信じていて肯定的。
 3Dはあまり好きではないのだが(300円払わされた上にメガネを買わされ納得いかん)、奥行きが感じられて悪くなかったと思う。
 帰ってから、録画があったパリ・オペラ座バレエ団が踊った作品をかけているのだが、団員が踊っているのが見たいなあ。舞踏団の公式サイトを見るとDVDが買えるらしいのだが。

 これも見たいな。

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