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「桃姐」

 1週間のご無沙汰でした。
 大繁忙期中。2日続けて夜中に帰って来た(でも昨晩はスペーシャトルのディスカバリーがジャンボに乗っかってワシントンに行く中継を見て泣いてしまった)ので、今日は早帰り。
 この間の週末は香港金像奨だったのに、思い出したのは火曜になってからだったし。
 しかし、「桃姐」である。
 すでに報じられているとおり、最佳電影(最優秀映画賞)、最佳導演(最優秀監督賞)、最佳導演(最優秀脚本賞)、最佳男主角(最優秀主演男優賞)、最佳女主角(最優秀主演女優賞)を総なめである。
 実は、今回香港に行った大きな目的の一つは、これを見ることだった。

20120418hongkong1

 見ました。

 前にも張りましたが、予告編。
 この映画のプロデューサーの実話らしいのだが、映画プロデューサーのロジャー(演じるは劉徳華)のおうちに13歳から60年以上いる桃姐(演じるはディニー・イップ)が年老いてからの話。
 老いを悟った桃姐は、自ら望んで老人ホームに入る。その桃姐を不慣れながらもロジャーが支える(たしか他の家族は移民してしまって香港にはいなかったような気がする)。
 ものすごく淡々と病を得て老いて死んでいくことを描いている。特に事件が起こるわけではない。誰の身にも起こること。アン・ホイ監督はそれを丁寧に丁寧に描くことで人々の心を鷲掴みにしたのだと思う。
 老人ホームにはいろいろな人々がいる。年老いた人、若いけど病気で家にいられない人、身近な人から寸借詐欺(詐欺ではないのか?)をしまくって女を買いに行く秦沛さん(でも、いい役だった。最優秀助演男優賞を逃して残念)。
 病気になって、少し元気になって、他の人と親しくなって、でも親しくなっても亡くなる人もあり、出て行く人もあり、どうしたって時間が経つと老いていく。人間なら誰にでも起こることである。

20120418hongkong2

 香港にはたくさん老人ホームがあるのだが(ビルの中にあってラブホテルと同居してたりする)、もちろん中に入ったことはなく、中が見られて面白かった。
 「個室」ってこんなふうになっているのか、とか。
 細かい料金体系があって(それをロジャーが根掘り葉掘り聞く)、外出時の付き添いサービスが「香港人ならいくら」「大陸ならいくら」「外国人(いろいろ種類があったように思う)ならいくら」というふうに決まっていたり。
 あと、ゲストがとっても豪華だった。映画のレセプションに行くシーンがあって、そこはもちろん豪華なのだが、その他にも、おっという人がちょい役で登場している。チャッピーいい役だったね。

 これ、あとでゆっくり見よう。

 そしてブルーレイが出たら買ってもう一度見よう。
 秋には日本公開とのことなので刮目して待ちたいと思う。

 ああ、映画をゆっくり見たいなあ。
 いや、その気になればソフトは売るほどあるのだが、休み方がいまひとつわからなくなっているのと、見始めると歯止めがきかなくなりそうで。

【追記】
 日本で公開されたので、感想をこちらにも書きました。

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コメント

こんにちは。
7年ぶりで香港に行ったとき、妙に「護老院」の看板が目についたことを思い出しました。
どこも高齢化が進んでるんですね。
初めて元朗に出かけた時は、元気に麻雀に興じる元気なばあさまたちを見かけましたが・・・

投稿: faatming | 2012.04.23 10:05

もともと香港はお年寄りが多いですよね。朝のマクドナルドはお年寄りでいっぱいだし。年長者を大事にする土地柄だとは思うのですが、住宅事情もあって養老院が多いのだろうと思います。

投稿: きたきつね | 2012.04.23 20:55

こんにちわ。
きたきつねさんのこの御紹介を読んで
刮目して待っていました。
昨日ようやく渋谷で見てきたのですが
満席、そして70オーバーと思われるお客が7割という所でした。
素晴らしい映画でした。
アンディのたたずまいが何ともたまりませんでした。
別段美男子ではないのに、立って麺を食べても絵になりますね。
役者だけではなく本当に施設に入居しているお年寄りも出演されているとか。長く辛い時代を生きてきた証が刻まれた顔を見るだけで、泣けました。
でも字幕の翻訳で「糖水」を「砂糖水」と訳していたのには苦笑しましたが。
早く日本語字幕版のソフトが出ますように。

投稿: はれぶた | 2012.10.31 13:48

いらっしゃいませ。読んでくださっていてありがとうございます。
満席ですか!しかもご高齢の方多数。日頃は香港映画をあまり見ない層の方かもしれませんね。だったら、嬉しい。
(でも、「凍水」は「砂糖水」ではないと教えてさしあげたい…)
もう、淡々と描かれている人生が泣けますよねえ。
札幌でも劇場公開されることを切に願っています。

投稿: きたきつね | 2012.10.31 21:50

お返事ありがとうございます。
まさか満席になるほどとは思わず(失礼)前日にweb予約していって大正解でした。
私は二回目を見たのですが、一回目も満席、上映後三回目の案内を見ると「残席わずか」の表示でした。火曜日はサービスデーで1000円で見られるせいもあるかもしれませんが、何にせよ一人でも多くの方に見て頂きたい作品です。
観客は、70オーバーで、8割女性だったことを追加で申し添えさせて頂きます。
アンディがクーラーの修理工に間違えられる場面では笑いが漏れていましたが、ラスト近くはすすり泣きがそこかしこから聞こえていました(私は号泣一歩手前でしたが…)
15年ほど前の香港で、ツアーバスで連れられていった宝石屋を抜け出して、護老院の前で暇をつぶしていたら、中からおばあちゃんがおいでおいでと手招きをしてくれて、中を少し覗かせてもらったのですが、映画とあまり変わらない住環境でした。15年経っても変わっていないんだなあ、でも急激な高齢社会化の中でもしたたかに日々を過ごす香港人の力強さが淡々と描かれていましたね。

投稿: はれぶた | 2012.10.31 23:02

お返事が遅くなりました。
満席の連続…めでたい限りです。
これまで香港映画を見ていなかった方が多いといいですね。
私も初香港で宝石工場に連れて行かれましたが入らず、しまいには途中でバスを降りましたが、そんなよい経験はできませんでした。
おばあちゃんも嬉しかったんじゃないでしょうか。中が見られて羨ましいです。

投稿: きたきつね | 2012.11.03 23:41

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