「武侠(捜査官X)」
主演:ドニー・イェンおよび金城武、湯唯。監督:ピーター・チャン。本日より公開で、ツイッターのタイムラインが賑わっていたのであるが(皆さん、待っていたんでしょうなあ)、札幌は遅いだろ…と思っていたら、札幌も今日からだった。ので、用事があったのを幸い、ついでにレイトショーを見に行きました。
お客は10人ぐらいであったが、ハエが耳元で飛んでいるように感じられるグッドな音響と大画面。初日に見られてよかったなー。
これで封印してあった香港版ブルーレイ(日本公開は北京語版だったけど広東語版が入っている)が見られるというものです。
日本版予告編。
時は1917年、舞台は雲南省。のどかで景色がきれいで、とってもいいところである。屋根の上に牛がいたり。ドニーさんは妻と2人の子供に恵まれ、紙を作ったりして穏やかに暮らしている。そこへ、流れ者の強盗(最初まあ貧相な強盗と思ったら、谷垣健治くんだった、ごめん)がやってきて、両替屋を襲う。たまたま居合わせたドニーさんは片方の強盗にしがみつき、もう片方の強盗をなんとかかわしているうちに一人は頭をぶつけて死んでしまい、もう一人も池の中で死んでしまう。
その取り調べに金城武くんがやってくる。
日本語版タイトルの「捜査官X」とは金城くんのことで(名字がXuだから)彼をタイトルにしたくなったのもわからんではない。あんたが来なかったら何も起こらなかったんだからね(ある意味で大迷惑野郎だ)。ツボと鍼にやたら詳しく記憶力もよく、ドニーさんを只者ではないと疑ってかかることおびただしい。トニーさんは純朴にたまたまだったと答える。
まあ、タイトルが「武侠」で主演がドニーさんだったら、観客は誰もドニーさんを普通の人とは思わないんだけどね。
とにかく、金城くんの推理はほとばしり、迷走神経やら血小板のCGはまるでCSI。タイトルは「CSI:雲南」でいいよもう、と思うほど。竹を運んでいる隣で「息が荒い、達人ならそうはならないはず」と思いつつ無理矢理手伝ってドニーさんを川に落とし「普通に落ちたら枝には引っかからない。軽功だ」とか、「ハエがとまっていない。気だ!」とか、ほとんど言いがかりである。ドニーさんのお家に押しかけ夕飯(炭が真ん中でおこっている鍋が美味そう)をご馳走になったあげく無理矢理泊まり込み、ドニーさんの寝顔を伺って「なんで目が緑じゃないんだ。殺人者は緑のはずなのに」とか。「人は見たいものを見る」を体現するかのように、金城くんの頭の中ではドニーさんは殺人者かつ達人であって、妄想の中のドニーさんはそれはそれは格好よいのであった。
まあ、金城くんには容疑者を信じて裏切られ人格が分裂するほど傷ついた過去があるのだけれども。これは「金城武の無間道」みたいになるのか?と、ちょっと思った。
しかし、金城君は「達人なら避けられるはず」とドニーさんに切りつけて怪我を負わせ、村人から責められて(歌で!さすが雲南)結局は村を去るのであった。
役所に戻った金城くんは年収の5倍の金を払って逮捕状を買い、そこから話はどんどん展開していくのであります。
公開初日でもあり詳細は述べませんが。
ベティ・ウェイ(惠英紅。今はクララ・ウェイか)のアクションがかっこよかった!とか。ジミー・ウォング先生が怖いのなんの(本物の迫力である)、ドニーさんより強いと言われても文句は言えないという感じ、とか。しかし、あれはハンディ戦だったのか?とか。結局はツボより何より自然が強いということなのか?とか。
あと、水木しげるみたい…と思ったのは、最近「ゲゲゲの女房」の再放送を見ているからです、すみません。
雲南はいいところだなあと思うのだが、エンドクレジットを見ると、茶水が4人もいて、運転手の数がものすごかったので、ロケはさぞや大変だったのではないかと思われる。
「色・戒」がもとで干されてしまった湯唯ちゃんがスクリーン復帰してよかったなあ(これは大陸で公開されてるよね)。金城くんは「如果・愛」といい「傷城」といい古くは「重慶森林」といい思い詰めて屈折した役が似合うなあ。ドニーさんは当然あいかわらず宇宙最強です。
8分予告版というのがありました。
さて、広東語版ブルーレイを見よう。
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