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「テルマエ・ロマエ」映画版

 連休前にレイトショーに行ってきました。

 春巻さんに原作であるマンガを教えていただいて以来、掲載誌『コミック・ビーム』の連載は欠かさず立ち読みし(すみません…おまけが付くときは買ってました。手拭いとか)、コミックスも漏れなく買い、コミックスのマンガの合間に載っていたエッセイも面白かったので、作者のヤマザキマリさんのエッセイも漏れなく買っている。

 

 最近だと、このへん。
 ヤマザキさんは札幌に住んでいらしたことがあって、行動範囲を考えると絶対どこかですれちがっていたと思うし、テレビのレポーター時代も見ていた気がする。
 上のエッセイを読むと、「テルマエ」の萌芽は昔からあったんだろうなあと思いつつ、しかし、こんなにブレイクして本人が一番びっくりしてるんじゃないだろうか、とか、大変だろうなあなどと思う。それでも天狗にならないお人柄が好ましい。

 映画に関しては、わたくしは意地悪な客であった。
 原作は全部読んでいるし、だいたい、この手の企画は原作より見劣りしてがっかりということが多いし。監督さんは、悪くないと思うのだけれども、「のだめ」のパリ編は赤毛もののコメディにしちゃいけなかったと思うんだよね(日本編のドラマ版は再現率がすごかったと思うけど、パリ編は断じてコメディではないと思うの)。FJテレビが絡んでるし。イタリアロケで、イタリア人のエキストラに混じって主要キャストは日本人かあと思ったし。上戸彩はどうかと思ったし(予告編を見て、実はかなり見たくなくなった)。
 でも、ブログで原作者のヤマザキさんは感動していたし、原作者が満足しているならいいか、それに何よりチネチッタロケが見たい、と思ったわけです。

 予告編。

 で、見た感想だけども。
 始まるや否や、頭の中の原作本をすごい勢いで繰りながら見ることになってしまったわけですが。
 うん、がんばったと思う。
 原作がまだ完結していないので、オチをつけるためにはどうしても筋を変えなければならず、短編連作を長編にまとめなければならないのでエピソードをどうするんだろうと思っていたけど、がんばってまとめたと思う。そこでそのエピソードを入れるかと思ったのもあった(あれテレビで放映するんだよな。いいのかな)。温泉卵をそこに持ってくるかとか。
 上戸彩も思ったよりは悪くなかった。「赤壁」の林志玲クラスを覚悟していたので、あれよりは。「ローマの危機すくうため〜」はないけどね。
 ローマのフルーツ牛乳に書かれた稚拙な牛の絵とか「まねっこケロリン」とか、原作にはないディテールには笑った。あと、ローマの場面はイタリア人エキストラの台詞が日本語吹き替えで、日本の場面だけルシウスがラテン語を喋るということになっていて、じゃあこれからどうすんだよ、と思ったら画面の片隅に「BILINGUAL」の表示が出るとか。
 ハドリアヌス帝のお風呂も映画の方がよかったと思う。クラゲの水槽もセンスよかったし。奴隷のお仕事が見られたのもよかった。まあ、実際はふいごがあったろうし、壁画はエジプト風よりローマ風がよかったけどな。
 でもね、ルシウスはね、平たい顔族に教えを請うために水に飛び込んじゃうような人じゃないと思う。あそこだけは間違ってる。マルクスもあんな奴じゃないぞ。
 
 しかし何よりすばらしかったのは、チネチッタのセットです。「ROME」と同じセットだ〜。ポンペイウスの結婚式のバックに映ってたのとおんなじ。路地も。「ROME」はテレビだったのだけれども。これはスクリーンなので隅々まで見られる。チネチッタのシーンは背景ばっかり見ていた。
 ローマには一度だけ行ったことがあって、どこが好きといってフォロ・ロマーノほど好きな場所はなく、最良の記憶は、フォロ・ロマーノの石(神殿の軒下から落ちたやつ)に座って夕方まで2時間ぐらいぼーっと座っていたことなのだけれども、

20120502rome

 そのときの1枚。
 ああ、こんな感じだったのか、ロストレ(演台)ってこんなだったのか。あの建物はこうだったのか、と涙が出そうでした。「ROME」の撮影後に火事になったと聞いたのだが、無事なようでよかった。チネチッタかどうかわからないけど、ローマの浴場も見られてよかったなあ。
 エンドクレジットの「マンガ協力」に三宅乱丈さんの名前があったのも嬉しかった。劇中マンガをかいていたのはヤマザキさんの手だったんだろうか。雑誌の編集部はコミックビームのだったんだろうか。あのショールームはヤマザキさんと奥村編集長が実際に取材に行ったところではないかな(ワンダーウェーブ洗浄が出るとは)。
 あと、阿部寛をはじめ、ローマ人役の日本人は、やっぱり濃かったと思う(特に市村正親)。チネチッタでイタリア人にまみれていても、あまり違和感なかったもんね。上戸彩は「平たい!」と思ったけど。
 阿部ちゃんはやっぱりいい男で、これは是非イタリア語に吹き替えてイタリア人にも見ていただきたいと思ったのだった。さりげなく(いや露骨にか)日本を褒め称えているしな。ローマ人の末裔に日本のお風呂を見ていただきたい。日本語教育の教材にも使えるかもだ。
【2012年5月12日追記】
 原作者のヤマザキマリさんのtwitterによると、イタリア全土での公開が決定したとのこと。イタリア人の反応をぜひ見てみたい。

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