「ソラリス」
録画しておいたのを、つい見てしまった。
ソダーバーグ監督による2002年の改作版。
旧作の「惑星ソラリス」の印象が強くて、こちらはあまり積極的に見る気にはなれなかったのだけれども。
予告編。
いや、予想よりよかった。さすがソダーバーグだ。
旧作はこれですが。
異変が起こったという惑星ソラリスに赴く主人公クリス・ケルビン。着いてみると、なんともいえず異様な雰囲気で、その理由は、惑星ソラリスが地球人の心の中の人物を実体化させるからであった。クリスの元には自殺した妻が現れる。
…というのは共通しているのだが、なにせ、タルコフスキーの1972年版は長かった。おまけに、未来都市のシーンが新宿の首都高速で日本語の標識が丸見えで、ロシアじゃわからないかもしれないけど、こりゃないだろうと、その昔劇場で見たときは思ったものだ(こちらの1分過ぎに出てくる)。
ソダーバーグのは、「記憶」に焦点が当てられていて、かつ、長さが半分ぐらいになっているのが、まとまりがあってよかったと思う。
「訪問者」はソラリスが人間の記憶から作り出すのだが、作り出された方はその範囲でしか物事を覚えておらず、それが辛いと思うらしい。記憶元の人間の方は、だんだんいろいろなことを思い出していく。それをケルビンに焦点を当てて丁寧に描いているのがよかった。
ケルビンを演じるのはジョージ・クルーニーで、どうしても「(ERの)ロス先生」と思ってしまうのだけれどね。出世しただけのことはある。グリーン先生はどうしてるかなあ。余談だが、「トップガン」を見るとまず思うのが「グリーン先生がふさふさだ!」ということである。
ステーションの中のシーンとか音楽の使い方が、なんとなく「2001年宇宙の旅」に似ていた気がした。動画を見ると、ノイズっぽい現代音楽がバックに入っているのは旧作もそうなんだけど。あと、旧作はバッハのコラールを使っていたのだが、一瞬だけゴールドベルグが使われていたのが趣味がよかったなあ。あ、グールドのおっちゃんのだ!と思ったら、やっぱりそうだったし。
妻の名前は、元はハリーだったのが、今回はレイアだったのは、もしかしてスターウォーズを意識してますか、ソダーバーグ先生。手を握るところは、もしかして「E.T.」ですか。もしかして、SF好きですか。
…と、けっこう楽しめて、いい映画だったと思う。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント