「麥兜‧噹噹伴我心」
香港でマクダルを見るのは喜びである。
今回は、とにかくこれを見るぞと走っていった。
予告編。
今回は、絵柄を他の漫画家さんに頼んだとのことで、いつもと画風が少し違っていて、いつものメンバーは変わらないのだが、背景や今回出てくる人間の登場人物はかなりデフォルメされている。しかし1箇所だけ、回想シーンで背景が以前の絵柄になる。
で、冒頭が、いきなりデフォルメされたアンディ・ラウのコンサートです。紅館の看板に「華仔」と書いてあったから間違いないと思う。華仔は後からも出てくるのだが、あれを許可したとはある意味太っ腹だと思うぞ。まあ「パイナップルパン王子」ではマクビン役だったからいいのかな。
で、なぜ華仔が出てくるかというと、マクダルたちがステージで合唱しているから。なぜ合唱しているかというと、春田花花幼稚園が経営の危機に瀕しているから。どのぐらい危機かというと、チンピラが借金返済の嫌がらせをしていて、電気が止められるぐらい。
その危機を救うために、校長は合唱団を結成するわけです。まず幼稚園で卒園生を集めてチャリティコンサートをするのだが、その卒園生(みんな人間)が、あまり「高級」な人材ではない。選挙に立候補する人とか、いやがらせをしていたチンピラ(あんたたちは…)とか。しかし、この設定があとから生きてくるのだった。かたや、マクダルのお母さんたちは株価が下がって大変だ。
で、合唱団が結成されるや、その合唱は聞く人をことごとく感動させ大評判を呼ぶわけです。いやがらせをしていたチンピラが車の運転手をしていたり。で、あちらこちらに呼ばれていくのだが(トイレに行くのに「車に乗ってうちに帰れば」というお金持ちとか)、そのマネージャーがろくなもんじゃない。華仔のコンサートのオーディションで華仔が大感動するのだけれども。
映画の最後に「すべての音楽教師に捧ぐ」という献辞が出るのだが、とにかく今回は音楽がたくさんで素晴らしい。マクダルたちが歌いまくるし。「車車車車車車♪」の歌(かわいい!)など場内の子供たちがいっしょに歌っておった。
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しかし、例によって予定調和を許さないのは、マクダル映画の常である。今回は、実は、校長先生の物語でもあって、その過去も行く末も描かれる。
おとぎ話のような幸せな顛末ではないのだが、でも、これは、今の、お金に追われている香港人、市井に生きる香港人への応援なのだと思う。泣きました。
しかし、最後は「えええええ」と思ってしまう。今までのシリーズでマクダルの将来が会社員だったりチェリスト音楽家(?)だったりコックだったりしたので、今回もそのパラレルワールドの一環だと思いたい。じゃないと困る。
【追記】「パイナップルパン王子」を見なおしてみると、最後では春田花花幼稚園の周辺はもっとすごいことになっていて幼稚園も結果的になくなっていたけど、その後何事もなかったように他の作品が作られているので、今後もマクダルは続くと信じるものである。
香港にいるうちにもう1回見るつもり。
【追記】
もう1回見ました。見れば見るほど号泣である。
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