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「Don」アミターブ版vs.シャールク版

 最近、アミターブ・バッチャンが私的プチブーム。
 そんなわけで「Don」を見た。1978年制作。2006年にシャールク・カーンが同名の映画を撮っている(感想文を書いたつもりで書いていなかった)けど、実はこの映画のリメークである。
 黒社会(とは言わないかインドでは)のボスであるドン。追う警察。兄とのその恋人をドンに殺されたロマは復讐のためドンに近づく(しかしロマは暗殺しようにも詰めが甘すぎてチャンスを一度ならず逃す)。一方警察は負傷した(死亡した?)ドンの身代わりにドンと瓜ふたつのヴィジャイを組織に送り込む。しかし、ヴィジャイの身元がばれ、ヴィジャイはロマと逃げる。唯一ヴィジャイの正体を知る警部は死んでしまい…というストーリーラインは基本的に同じだが、細かいところがかなり違う。
 70年代だとCGも海外ロケもないのでアミターブ版の冒頭の格闘シーンはインドのどこかの荒野だし、車もファッションも違うし、何よりオチがぜんぜんちがう。シャールク版ではアルジュン・ランパールが演じたジャスジートはアミターブ版では綱渡り芸人で、アルジュンの方が格段にいい男。比べるとアミターブ版のほうがいい話だ。
 音楽は同じのも違うのもある。

 タイトルソングであるMain Hoon Donはこんな感じ。
 
 アミターブ版。

 シャールク版。

 かなり違いますな。アミターブ版でいきなり虎の張り子が出てきたときは驚いた。アミターブ版は良くも悪くも70年代の香り。アミターブは基本的に三つ揃いのスーツだし。
 曲が同じなのもあって、「バラナシのパーンを食べたソング」はアミターブ版はこんなでシャールク版はこんな感じ。シャールク版で香港上映で香港人が爆笑したというカリーナのYeh Mera Dilは、アミターブ版ではこんな感じ

 見比べてみると、シャールク版の方はアミターブ版を踏まえつつ同じ映画にはするまいという気概があり(インド映画ってリメイクでも結末を変えるという印象がある。ChocolateとかKnock Outとか)、時代背景も30年経つといろいろ複雑になっているのだなあ。
 何よりアミターブ・バッチャンとシャールク・カーンはキャラクターがかなり違っていて、アミターブは基本的に脂っこい色男で、かっこいい悪役が似合うけど、シャールクはどちらかというとかわいげがある。ヴィジャイとか「Ra.One」のシェカルなんかはシャールクのほうが圧倒的に似合うと思う。アミターブがかわいい役って何だか違和感があるんだよね。
 余談だが、アミターブは手足がとっても長いと思う。昨年死亡した某超有名テロリストの映画を撮るとしたら主役向きなのではないかという気がひそかにしている。

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コメント

バッチャンの「DON」、香港で買ったのですが、家の中が混沌としていて、現在、捜索中なんです。

早く探して、あたしも見なきゃと思いました。

バッチャンの手足は本当に長いですね。
総じて印度人は長いですが、群を抜いてます。
「KKKG」のシャバシャバは特にそう感じました。

投稿: やっほー | 2012.09.10 22:54

シャバシャバは長いですよね。特に脚。
Donは腕が長い!と思いました。
アミターブ版を見ると、シャールク版はかなりオリジナルをなぞっているのですが、最後のオチを変えるとか工夫をこらしていて、よく作ってあるなあと思います。
かわいさではシャールクが圧勝です!

投稿: きたきつね | 2012.09.10 23:07

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